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2010年11月15日月曜日

湘南の嵐便り 「スーチーさんの笑顔」




ガッチリ握手、イヤイヤ握手、なんとなく握手。

横浜で行われたAPEC。苦笑、微笑、作り笑い、引きつり笑い。
各国が権益と面子を守るためにどっと集まりサッサと帰って行った。警備に掛かった経費約100億、経済効果は600億以上とか。



どの国の代表の顔はひとくせもふたくせもある。
夕食をみんなで食べていたところ、小学2年生の孫が日本て凄く小さい国なんだよねと言うから、日本は実は世界で六番目に大きいのだよと私が言った。
えっ、何で?というから地図を出して日本は200海里という大きな海を持っているんだよ、だから本当は大きい国、海洋資源の国なんだよだからロシアとか中国とかがそれを狙っているんだよ、そんな難しい事を言ったって分らないわよと愚妻に言われた。


よく分かんないと孫が言ってこの話はオシマイになった。
ずーと国民に教えてこなかったのだ。権力亡者、権益亡者たちの顔はみんな悪党顔だ。



そんな中でミャンマーのアウン・サン・スー・チーさんが七年振りに解放されて顔を出した。なんと気高く美しい笑顔だろう、この人が同じアジアのリーダーとして悪党顔の中にいたらどれだけ明日への勇気と希望を得ることが出来るだろう。
死を覚悟して日々生きてきた人間だけが放つ事が出来るオーラだ。

漫画喫茶から機密情報を流出した人間を英雄だ、国士だなどというのはそれこそ漫画だ。
本当の国士なら10時間余りあるというテープを堂々とテレビ局なり新聞社なりに持参すべきであった。

この国のマスコミが全く信用できないからか、この国のジャーナリズムが絶滅してしまっているから漫画的行動に出たのだろうか。
そうでなくとも警察からテロに対する情報が流出した。
世界中が日本とは秘密情報や大事な情報を共有出来ない国と決定付けられた。日々海を守っている同僚達を最悪の状態にしてしまった。


告発は堂々と命懸けでないと英雄になれない。
古来直訴は打ち首となる決まりであり、それを行った人間は神となった。

救い難きテレビ局や大新聞社は全く機能していない、ただただ阿呆なニュースキャスターは、一体この国はどうなってしまのだろうなどとしたり顔をして、次は天気予報なんてやっている。いつも出てくる評論家やコメンテーターや大学教授が無駄な時間を費やしている。

海上保安庁の船には機関砲が常備されている、つまりは軍隊と同じと思わないといけない。
軍の機密は自分勝手に流すことは許されない。
まだまだ見えない裏と闇があるのだろう。この事で誰が損害を受け、誰が特したかでわかる。


鎌倉観光を堪能したオバマ大統領

APECで一番笑っていたのが米国の大統領(抹茶アイスが旨かったからな)とその次が韓国の大統領だった気がする。一番苦虫顔は中国の首席とロシアの大統領と日本の首相であったのは気のせいだろうか。


いつかアウン・サン・スー・チーさんが登場してくれる事を望む。
あまりに正しすぎる姿だ。くれぐれも気をつけて欲しいと思う。
権力は恐い、正しいものを消すために何でも出来るから。

2010年11月12日金曜日

湘南の嵐便り 「怖い人」

仁義なき戦いより
オリャーボケ、沈めるぞ埋めるぞ直ぐ来いって姐さんが言ってるんだよ、わかったな直ぐだぞと黒い服の60歳位の恐い人とその隣に70歳位の少し太めの和服のおばさんじゃない姐御風の女性、それを囲む様にテーブルには若いお兄さんが6人。


入口の駐車場には二台のベンツ、側には4人のボディガード風、ここはホテルニューオータニの一階コーヒーショップ。みんな煙草をバカバカ喫っていて煙がモクモク。


私はそこで待ち合わせがあったのでタクシーで車寄せに着きました。
おっとボディガードが寄って来る。何故か私がすこぶるその人達に近い感じがするのだろう、でもジーンズにジャケットを着ている恐い人はいない。
一応私の体を目で上から下、下から上へと見て離れて行った。


ニューオータニのコーヒーショップは昔のニュージャパンの替わりになって恐い人の集う一番のホテルと云われている。



まむしの兄弟より

何組か座っているが殆どが煙草を喫っている。
オーダーを取りに来たボーイに禁煙じゃないの?ちゃんと注意しないと駄目じゃないと言うと、えー今日はマアちょっとと苦笑した。仕方ないよな、沈めるな埋めるだなんて物騒な声で怒鳴っているしな。えーマアと更に苦笑した。


後で女優の○○さんが来るからルームサービスにするので部屋を二時間とってくれる?マネージャーも来るから三人ね。会議用の部屋があるから頼むと言った。


何しろ世の中で一番恐い人たちが群れている、何でここを指定したんだろうと思った。
カプチーノの大を飲みながら前後左右に気を遣う。

ナニー、コリャーボケ指一本や二本じゃスマネェゾわかってんのか、来週オヤジが出て来るのに未だケジメがついていないなんてオレに恥かかせんのか、エー、オイ。なんて二台の携帯を使い分けている。


アレ国会議員の××先生が秘書と二人で近づいて来るではないか、そして恐い人とその親分の奥方(姐さん)にいや〜どうもどうもおそくなりましてと最敬礼するではないか。

その時午後一時十六分三秒、一体どうなってんのという感じ。
支配人らしき男が来て煙草の注意でもするのかと思いきや、君っと言ってボーイに灰皿を取り替える様に指示を出す。


唐獅子牡丹より


余程オリャー禁煙だろうがちゃんとルールを守れと言おうと思ったが、元々ルールを破るのがしのぎの人達、ナンセンスかと思ったので止めた。


姐さんはミックスサンドなんか食べている。
××先生は姐さんの耳元に何か囁いている。
突然姐さん顔に似合わず着物に似合わずウソーウソーギャハハハと大笑い。
周りの恐い人達は決して笑わず目配りを怠らずギラギラギョロギョロだ。


あっ、来た帽子とサングラスで顔を隠した女優さん登場。
ボーイが直ぐ近づいて言葉を掛けそのままエレベーターへ。背が高いし黒いコートに長めのショール、やはり目立つ。立ち止まって支払に向かうと又、オリャーボケ、甘ったれんじゃねえぞオラオラと又始まった。余程沈めたり埋めたりするのが好きらしい。
煙草の白い煙が雲の様に浮かんでました。


緋牡丹博徒

緋牡丹


後で判った事だが女優の○○さんの男がこのホテルのスイートを一ヶ月借り切っていたのです。なるほどでした。

2010年11月11日木曜日

湘南の嵐便り 「オッパイがイッパイ」


あー嫌だ今週もやるの、社内メールから「今夜女子会有り集合」と先輩社員から。

この女子会というのが企業の間で大流行とか。
多い会社では月に45回もするというではないか。私の知っている美人でボインで才能ある27歳の女性がこぼす事こぼす事、月に一度位ならいいけど週に一回なんてウンザリと。



どうせ話は男の話、SEXの話、ファッションやお化粧の話、旨い店の話、秘密の話(話したら秘密ではないが)上司とのラブホでのビックリする様な話、早い話が仕事の話。
上司や男性社員や欠席者の悪口大会、みんな立派な胸の谷間からオッパイを見せて一杯又、一杯。


あいつあんなゴッツイ体してホーケイだって。あの女かなりSらしいわよ。ムチムチ大好きって事。あの娘バックレて真面目ぶっているけど夜はクラブでひと儲けしているらしいわね。あの娘今日も来ないじゃない、徹底的にイジメちゃおうよ。


とまあオッパイ達が集まって一杯飲んで悪口悪態イッパイ大会。
これを女子会というらしい。



学生時代のコンパ、会社に入っての合コンが発展してホーケイ、ソーロー、インポ、変態マザコン男と飲んでもつまらない。
女だけで集まった方が何倍も面白いという形になっているらしい。


私の知っている女性はホトホト参っている。
辞めたいと目に涙、折角入社してやっと仕事も身に付いてきたのに、ブルルル、あっメールが入ったもしかして又女子会の集合命令かもとシドロモドロ。
もしそうだったら今日仕事の打合せで来いと言ってくれませんか、何でも私の名前を出せば怖い先輩社員も仕方ないと許してくれるとか。いいよいくらでも名前を出せばと言った。

その夜、その女性は私の名を出し見事女子会から逃げる事に大成功したそうです。
で、その夜どうしたかといえば何の事はない会社の上司と不倫したとか。


泊まりがけの女子会なんていうのもあるそうです


一体どうなっているのか、銀座の街を一人歩いていたら何人もの人とぶつかりそうになった。みんなメールを見ながら、打ちながら歩いているからだ。

それにしても世の中が心配だ。
後で聞くと不倫の上司は社内に後二人相手がいるというではないか。
一度連れて来いと強く命令を下した。

ある日の昼下がり銀座和光のパーラーでの事でした。

2010年11月10日水曜日

湘南の嵐便り 「猫まんまは悪か」


美味しそうな味噌汁がある、少し冷飯が残っている、今夜は自分一人。
真夜中お腹が空いた、誰もいない。いっそ味噌汁に冷飯を入れて食べたら旨いだろうな。

猫まんま※イメージ


こんな誘惑に駆られた事はありませんか?
俗に猫まんまといわれ最も行儀の悪い食べ方といわれています。


留置場に入ってきた人間が初犯かかなり慣れているかはアルミの食器の持ち方一発で判るといいます。
初めての麦飯入りのご飯が食べられない、エイッ何も入っていない味噌汁に入れて食べるというより飲み込んでしまう。
オイッおメェ猫まんま、犬飯かと同じ犯罪仲間に馬鹿にされるらしい。

この場合A=味噌汁+B=麦飯(バクシャリ)入りのご飯の足し算A+Bが別々だから正統な食べ物、食べ方として認められないのだ(実は旨い)。

ところが留置場でなく料理屋さんでA+Bが一緒になって出てくると、見た目の文字は悪いが「雑炊」という正統かつ高級、一流、食通の料理となる(古くは増水といわれた)。

「まる雑炊」とはすっぽん鍋の出汁にご飯を入れたもの、「ふぐ雑炊」はふぐの出汁、「とり雑炊」は水炊き鍋の出汁、「かに雑炊」はかに鍋の出汁、「しゃぶしゃぶ雑炊」はしゃぶしゃぶの出汁だ。

これは雑炊です※イメージ


主に鍋料理の〆や体調が不良の時など「お粥」と同じ様に用いられる。
味噌汁は可哀相ではないか、差別ではないかといいたいがどうだろう。


しかし自分の子供が味噌汁にご飯を入れたらコラッ止めなさい、それは猫まんまだと怒る筈だ。子供がだってこの前お鍋をした時にご飯をいれたじゃんと言う。
あれは雑炊といって正しい食べ方、豪華かつ優雅なお料理なのだ。
わかんないなんてグズられる。それ故絶対にひと前では出来ない。



深夜CSの時代劇チャンネルで昔のチャンバラ映画なんか見ていると頭の中に確か豚汁が残っているな、暖めて冷飯を加賀塗りのお椀に入れて北海道の友人が送ってくれたシシャモを焼いて漬け物で食べたら旨いだろうなと思いを巡らす。

でも子供や孫達にはきつく叱ってきたからなと苦悶するのだ。
後は自らの意志の強さとの戦いとなる。猫まんま、犬飯なんていわないでいい名前を一流の料理人に付けてもらいたいと思ったりする。


A豚汁+B冷飯+C本場のシシャモ、このA+B+Cの図式が堂々と許される日が来る日を待ちたい。


その夜私が自分の意志の力を発揮できたかはご想像にお任せします。

2010年11月9日火曜日

湘南の嵐便り 「終活」


お前が一番親に迷惑を掛けたんじゃないか。
何いってんだお前だって二度も離婚したくせに。やめなさいよこんな日に大した財産でもない話の事で。何エラソーにいってんだあんたは何も面倒見なかったじゃないか、自分だけいい身分になったからっていつも問題があると逃げてたくせに。





まったく遺言を書いておいてくれたからよかったんだよ、大体親父はだらしないんだよ。
結局お母さんがあんな死に方をしたのも金にも、女にも何事もルーズでだらしなかったからなんだから。もう止めてよそろそろ人が来るんだから。


「終活」ブームだそうです。
決して「就活」ではありません、友人の行政書士から聞いたあるお通夜をダイジェストにしたのです。

実話はもっと強烈だったそうです。
お茶をぶっ掛け合うわ、殴るわ、蹴るわ、鼻血は出るわだったそうです。




「終活」とは死ぬ前に財産は、お墓は、ペットはどうするか、又、借金を抱えていたらどうするか、知人や友人の連帯保証人になっていたら一体誰が何を相続するのかしっかりしておきたいという几帳面な方々のする事です。



遺言ツアーも盛んで、行政書士や公証人や弁護士とかと一緒に温泉などに行きながら話し合うそうなのです。
子供たちとうまくいってなかった人、子供に先立たれた人、生涯一人だった人等様々な人達です。お墓はないし、高いし、草とりやお参りしてくれる人もいない、そんな人たちが一代供養をしてもらう所が多くなっています。

私の親友も妻と息子三人いながらこういう所に入りました。
20万円で15㎝位の仏像です。私達有志が買い求めました。
麻布です。とてもキレイでオシャレなオープンカフェがあります。


さて「終活」ですが、西郷隆盛の言葉に「子孫に美田を残さず」というのがあります。
財産なんて遺すもんじゃない、なまじ遺すと骨肉の争いをするという教えです。



私のところは何も財産遺さず母が正々堂々と逝ってくれたので明るいお通夜でした。
友人の行政書士はこの頃大変忙しいそうです。はじめに書いた大暴れのお通夜の家族に遺されていた財産は少々の銀行預金と一頭の老いた柴犬一匹だったそうです。

兄弟は他人の始まりなのです。
あの世ではコツコツお金を貯め込んだ人間はもっとも卑しいといわれたるそうです。
一度は天国に上っても一度は地獄に下ろされるそうです。

2010年11月8日月曜日

湘南の嵐便り 「会社は怖い」


オメエ殺すぞと言われて、お願いします実は死のうと思っていたんです、凄く助かります。
こういう相手ほど手強いものはいない。つまり逆らわないという極意です。


末期の癌です残念ながら長くて後半年ですといわれたら、ありがとうございます、実は今日死のうと思っていたのです。未だ半年も生きるんですか長いですね。

白海老

君ねえ山形に転勤してもらう事になったんだ悪く思うなよと、上司に告げられる。
えっ、山形ですか良いところですよね、サクランボ、ラ・フランス、ヘキソバ、それに羽黒山、月山、湯殿山、映画村に鶴岡、もう大好きです。ずーっと退職までお願いします。

米は旨いし、魚は最高、飛ばす相手はすっかり拍子抜け、そんなに山形いいのかとなる。なんなら一緒に転勤になりましょうか?嫌だよ絶対本社に帰ってこれないんだから。
本社なんてどうって事ないでしょう、人事、人事ですから。
本当に心から御礼申し上げます。山形は最高ですから。妻や子供もきっと大喜びです。


のどぐろ


なんだい、チクショウ、あの野郎実力がありすぎるから地方に飛ばしてやろうと思ったのに。だが大喜びで明日にでも行くみたいなんだ。
常務そんなもんですよ、この東京にいて数字数字に追われまくって少し上に行ったからっていつどこへ飛ばされるか判らないですからね。

あの上席執行役員なんて前は副社長かヒョッとして社長なんて言われていたのに、今は富山支社長ですからね。支社といってもわずか6人、48歳で定年までの12年ずっとあっちらこっちら回されて終わりですからね、でも白海老やのどぐろは旨いですよ、それにゴリの唐揚げ。

ゴリの唐揚げ

あの男東京で役員になれると思って東京の一等地に大きな家を建てたばかりらしいじゃないか。BMWも買って、悲しき者は宮使いという事でしょう、この頃精神が少しいかれたらしいんだよ、元々いかれてたじゃないか。なんだか一日中笑っているらしいんです会議中も。

この間本社の副社長が来てその姿にビックリしたらしいんです。
なんでも副社長との打合せにGジャンで現れて前日のゴルフの内容をずっと笑いながら喋っていたそうです。じゃあアウトか?そうです、完全にアウトのようです。OBです。


会社ほどこの世で怖い入れ物はない。




2010年11月5日金曜日

湘南の嵐便り 「日本重病」


長い人生で付き合う相手を間違うととんでもない事になる。
一、時間にルーズ
一、女にルーズ
一、金にルーズ
一、金を出す根性がなく手に持っている金が無くなる恐怖人間
一、仲間を裏切る、そんな人間はペラペラしていても誰からもリスペクトされない。

※イメージです


人のいないところで社員を土下座させバインダーで頭を殴る紳士服安売りメーカーのオーナー。
あらん限りの言葉を使ってとことん追い込む安売りファッションメーカーのオーナー(別名鬱製造メーカーともいう)
そこの窓から飛び降りて死ねと絶叫する大手警備会社のオーナー。
会議の内容が気に入らないと鈴を鳴らして会議を終わりにする大手スーパーコンビニのオーナー。


※イメージです

この人々に共通しているのは成功させたのは自分一人であり「オマエラはアホだ」と思っている事。また高コンプレックス、低思想、低哲学、低学問、低宗教、日本人というより資本主義の過渡期が生んだ「低人」である。
※イメージです


世界は中国、インド、アジアの台頭で著しく情勢が変わっている。
益々日本外交の「低人」さが世界の笑いものになる。
10年後、20年後を予想出来ている政治家も学者もいない。


私が会社を創ってからお金を貸してもらった事は銀行や金融機関以外二人しかいない。
一人は長い付き合いの男だった、会社を創って間もなくどうしても10万円が必要だった。

中野坂上でその10万円を受け取った時なんと借用書を書かされた。
以来友人からは絶対借金しないと決めた。

もう一人は親友から紹介された、会社を創ったばかりの30代後半の広告代理店の社長だった。まだ人から紹介されて二ヶ月程なのに私が映画への夢とロマンを語ると判りましたと言って直ぐ一千万を振り込んでくれた。

生涯忘れぬ思いであった。何としても映画で借りを返さねばならないと思っている。
若いが腹の太い東北人だ。この人の為には何かあったら一千万分以上の命を掛けねばと思っている。


人間から野心や野望や夢やロマンが無くなると仕事の相手の電話に向かってヘイコラ頭を下げる様な男になってしまう。



私の愛する二人の兄弟分はこんな時代に敢えて銀座の高級クラブで美人相手に遊んでいる。
これは人脈への投資、遊ばない人間は決して一流になれない。
幕末の坂本、高杉、伊藤、山縣、井上、後藤達の様に。

そこは人物の重みや情報の入手の重要な場所でありお互いの力量を計る場所なのだ。
時代を動かした若き男達は皆遊びの達人であった。そして女性にモテたのだ。


ケチな男にはケチな人生の終わりしかない事は歴史が証明している。
若者よ借金せよ、借りに来て女性と遊ぶなら出してやるぞ(?)




2010年11月4日木曜日

湘南の嵐便り 「スイッチ」


ごく普通の人間が狂人に変わるスイッチがある。



家族で赤い夕食を食べている。
ある家庭は赤いスパゲッティ、ある家庭は赤いチキンライス、ある家庭は赤いトマトベースのブイヤベース。テレビでは赤い血がほとばしる殺人シーンの連続。


又、お笑いイジメタレントを使った恐怖シーンの連続。
又、世界ビックリニュースとかでの残酷シーンの連続。
テレビマンの企画力が全くなくなり制作会社やフリーの人間に丸投げする。


ゲーム世代に育った彼等には血と暴力と阿呆とセックスと恐怖しかない。
少々視聴率が稼げるのと制作費が安いのでテレビ局は採用する。
又、見識のないスポンサーが提供する、そして事実は小説より奇なりを遙かに超えたとてつもない残酷な事件が起きる。世の推理小説家なんてまるでその発想力を否定される。



赤いスパゲッティを食べてた男は浮気女房に殺意を感じ、赤いチキンライスを食べた主婦は博打狂いの夫への復讐を考え、赤いトマトベースのブイヤベースを食べていた若い夫婦は練炭による無理心中を心に決める。


普通の人間程いとも簡単に狂人と化すという。
身持ちの良さそうな主婦が売春に走り、清楚な女性が麻薬の虜になる、男も又然りである。

年間に1000件以上殺人事件があるという。
その中で現在確定死刑囚は109人だ。人間の命が平等に扱われていない。
実は殺された方がよっぽど悪い奴であるという方が圧倒的に多い。

死刑とは何か深く考えさせられるこの頃である。
殺人を裁いた人間が殺人で終わらせるのだから大きな矛盾をはらんでいる。
選ばれた裁判員が将来犯罪を犯さないという保証はない。




生まれた時はみんな可愛い赤ん坊であった。
何処でどう人生のスイッチが変わったのかそれを情状の価値という。


私はテレビやインターネットに大罪有りと云いたい。
あまりに多い殺人や残虐なシーン、残酷なシーン、エログロなシーンそれを見ながら平気で食事が出来る家庭はこの国位だ。

阿呆と馬鹿がひな壇一杯になって繰り広げる救い難き番組の数々。
この国は間違いなくテレビが滅ぼすと断言できる。又、それを批判しない新聞。




才能有るナインティナインの岡村隆史が精神的に参っていると聞くと彼には立派な良心があって悩み苦しんでいたんだと思う。

真っ当であったのだ。これから続々と心と体を痛める芸人が現れる。
宇多田ヒカル、沢尻エリカ、中森明菜は実は真っ当であったのだ。


とにかく怖い怖い世界の住人達である。
おぞましい、おぞましい。
こんなおぞましい世の中に可愛い孫達を出すのかと思うとゾッとする。

2010年11月2日火曜日

湘南の嵐便り 「ルノアールの話」



訳あり商品が売れている。
割れた煎餅、少しだけ綻んだ洋服類、五つセットの一つが欠けて4つになった湯呑みセット、チョット傷ついた果物類とか。


かつて古田織部という茶人は敢えて割れ目の入っている茶器を好んだという。
割れ目を金でつなぐ「金継ぎ」、織部好みとして珍重された。へうげものというらしい。
要は物事考え方次第といえる。

古田織部
黒織部茶碗


およそ訳のない人間はこの世に一人もない。生まれた時から訳ありなのだから。
処女と童貞が結婚するのは難しい。最も近頃は結婚しない男達、結婚を面倒くさがる女性達が増えているらしい。男は30歳になっても女性を知らなかったり、女性は20歳で何人も経験していたりする訳有りの男女時代となった。


その昔は一度傷ついた女性は訳有りを隠し続け秘かに生きるしかなかった。
ランチタイムのイタリアン、ホテルビュッフェ、和食、洋食、中華、高級イタリアンで大層な贅沢をしているのは女性と、ひょっとして女性と、女性らしき人と、もう女性じゃない人々がガヤガヤやかましい。

みんな訳有りの人ばかりである。とにかくよく喋り、よく食べる。
男達はマックやドトールや吉野家や立ち食いそばで平均食事時間15分位だろうか、踏ん張って安いコーヒーを飲んで30分位だ。

ルノアールで・・・


ルノアール症候群というのがある、東京中に沢山ある。
ルノアールという喫茶店は広い。新聞有り、コーヒー1杯やプラストースト2枚プラスゆで玉子1個で朝から夕方まで居ても叱られない。
グーグー眠っていても大丈夫。訳有り人間の溜まり場である。



地位無し、仕事無し、ヤル気無し、前途無し、彼女や奥さんとは修復不能、古田織部の茶器の様にはいかない。


文字通りガラクタばかりなのである。
ルノアールに行くと人生の墓場みたいでいろんな人間に会える。
怪しげな不動産屋風の男達、練炭で4,5人殺してしまいそうな保険の太ったおばさんと相手のおじいちゃん。サンドウィッチを食べながら盛んに投資を勧める証券マン。
店内全体がパノラマ的にマッタリ、ノッタリ、グッタリ怪しい空気が漂っている。


スポーツ新聞を四紙見ているオッサン、前の日は天皇賞だったのだろう、見出しに勝馬の名がでっかく出ている。

ブエナビスタ


馬の名はブエナビスタ(訳すと美しい景色)おじさん当たったかいと声を掛けると競馬仲間と思ったのかもう何もかもメチャクチャ、もう駄目スッカラカンだどんな接着剤使ってももう元通りには戻らないと言って冷めたコーヒーをすすった。

いろいろ訳が有ったんだろうな。で、私は何でルノアールにいたのか(?)