ページ

2014年3月27日木曜日

「消費税増税寸前」


ポストに入っていたチラシたち


白いマスクをしたオジサン、オバサンがデパートやスーパーに雪崩をうって入り、目を血走らせて消費税増税前のセールに殺到する。
怒声と叫声と歓喜の声が飛びかかっている。

その光景を見ると恐怖すら感じる。
意地でもそんな事はオリャーしねえぞと覚悟を決めているのだが、郵便ポストに毎日の様に小さな一色刷りのチラシが入っている、当然消費税増税前への誘惑だ。

ドライクリーニング、ドライ品全品10%割引。特選牛肉に限り三日間半額。
スポーツジム入会金割引。庭の手入れお早めに。ペットのトリミング割引。有機野菜いきいき割引。等々なのだがやっぱり気になってくるではないか。

クリーニング冬物早めに出すかとか、週末牛肉買ってくるかとか、相変わらず意志が弱い自分にガックリするのだ。
この手の話には普段全く無頓着なのにやはり歳のせいだろうか。

どこへ行っても消費税、消費税の文字が踊る。
オレも白いマスクをしてサケ缶、牛肉大和煮缶、サバ水煮缶、コンビーフ、オイルサーディン、イカ丸煮缶、鯨肉缶を買い漁るか。まるでキャンプに行く前みたいに。
 
デパートやスーパーに殺到しているのは戦後の貧しさを味わった経験がある年代が多い。
私もそうだが何より飢餓に対する恐怖心が身に染み込んでいるのだ。
小学生から中学生になった時、二泊三日の夏休み林間学校なんていう時に、決められた額の中で友だちと買い物に行った。缶詰はキャンプの王様の味だった。
飯盒で炊いたご飯に缶詰は生涯忘れられない。

きっとオジサン、オバサンたちはその味を求めてぎゃー押さないで、ヤメロイテエじゃねえか、ソレワタシの取らないで、何すんだバカヤローなんて争っているのだ。
やっぱり白いマスクは止めにして騒ぎが収まるのを待つこととしよう。
意地でもと思いながら、冬物のジャンパーや、カーディガンや、マフラー類を大きな紙袋に入れている。

ピンポーン、誰(?)塗装屋ですが外から見ると壁がかなり変色してます、今なら消費税込みでキレイにしますよとオジサンは言った。
いいんだよ、ワビサビなんだから、古くなって行くのを楽しんでんだよと言ったら、(?)(?)の顔をしてそんじゃまたと去って行った。
もしかしてシロアリ退治も来るなと思った。

一円でも無駄に使いたくないという天下騒乱の中でこの国では、まだ食べれるのに破棄される「食品ロス」が500800万トンというではないか。
食品業界では賞味期限までの期間の三分の一を過ぎると小売店に納品せず廃棄するのだ。大量の食品が店頭に届かないまま無駄となっている。
この際在庫一斉セールを行ったらどうだろうか、消費税ゼロ、まだまだ美味しく食べれる期間切れ寸前セールを。

ワタシなんか賞味期限なんて見た事もなく食べているが腹を壊した事なんか一度もない。自分の嗅覚を信じている。
この国は実のところ融通の利かない食品無駄捨て大国なんだ。
この間買ってきた「おはぎ」は少し固くなっていたがどうしてなかなかいい味だった。我々世代を「ガッツキ世代」という。

0 件のコメント: