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2016年2月5日金曜日

「親友は」



水に落ちた者はとことん叩くのがマスコミだ。
元プロ野球選手、清原和博の覚せい剤使用を追って刑事たちが、ゴミの中からその成分のある物を見つけたと報道されている。

これを知って土佐出身の刑事の話を思い出した(飲み仲間であった)。
この刑事は強力班(ごうりきはん)であった。殺人、強盗、強姦、強奪などを担当する。警察の中でも花形である。彼等は事件が起きると徹底的に“地取り捜査”をする。
いわゆる聞き込みである。
最近あの家では寿司とかうなぎなどをよく出前させてないか、車を買い換えたりしてないか。あの家の夫婦はよく喧嘩してないか、ご主人は外泊をしてないか。
タクシーをよく利用するようになっていないか。
奥さんの服装が派手になっていないか、派手な下着類を無造作に干してないか。
店屋物の入れ物はちゃんと洗って出しているか、それとも食べたまま出しているか。
あの家の息子は、娘は、子どもは…。
おじいちゃん、おばあちゃんはなど少しの変化も見落とさない。

クリーニング屋さんに行って何か変なシミはついてなかったか、床屋さんや美容室に行って変なキズがなかったか、また薬局へ行って消毒薬やガーゼなどを買わなかったか。
当然病院へも行く、こういう捜査を二人一組×何組とで延々と続ける。
凄腕の猟師と猟犬が追うのだからまず逃げ切れない。
だが未解決殺人事件の犯人は200人以上も世の中で息を潜めている。

何故清原和博を2年以上も追ったか、大物や有名人を挙げれば大金星だからだ。
その影でお目こぼしになる者たちが多数出る。“一罰百戒”大物は見せしめとなる。
清原和博は初犯だから、執行猶予となるだろう(他に何かやってなければ)。
大きな事件を解決したり大物や有名人を起訴にすると、乾杯!宴会となる。

私の推論だが清原和博逮捕でいちばんホッとしているのは、離婚した妻だろう。
あーこれで廃人にならないで済むはずだ。
これで危ない世界の人たちは、あの人から手を引くだろう。
覚醒剤で捕まって刑務所まで行った江夏豊さんも今では名球会に復活した。
栄光と伝説は生き続けている。野球界はきっとやり直しを見守ってくれるだろう。
子どもたちは傷つくが、父清原和博を許す日が来てくれるだろう。

シャブ漬けから守ってくれるのは、今は警察しかない。
後は自分の強い意志だ。
プロ野球の元旦ともいう二月一日のキャンプインに合わせて清原和博逮捕の裏に、警察のこんなメッセージがあるのではないだろうか。
これ以上シャブをやったりしたら許さないぞ、清原和博だってパクるのだから。
しっかりキャンプに励め、プロ野球を潰さないために。野球を愛する私もそう思う。

孤独に耐えられない人間はシャブに頼る。
周囲が孤独にさせないようにしなければならない。
家族や栄光、地位や全てを失っていても。決して友情は失ってはいけない。
本当の友情はスッテンテンになった時に分かる。
人生の内で一人でも親友ができたら最良の人生だと言う。
それほど親友と友情はつくるのが難しいのだが。清原和博の親友はさて、誰かだ。
(文中敬称略)

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