次に書くことが私の危惧で終わることを願う。
豊洲の盛り土(つち)問題の元凶はこの者たちに有り、と名指しされた東京都の副知事以下の姿をテレビで見ると、何か重大なことを覚悟しているように見える。
キーマンが一人二人と背任を負ったり、負わされたりして姿を消すケースは数多い。
官僚(役人)の掟である。
カメラのレンズを通すと、その人間のその先を見ることができる。写真は正直という。
小説や映画、古典芝居や史劇、テレビドラマなどの主題で多いのが、官僚たちの闇の力である。豊洲の移転問題も、オリンピックの会場移転問題も官僚たちが仕切っている。
“移転”という二文字には必ず利権が絡むからだ。
誰かに責任を追わせなければならない時、トカゲの尻尾は切られる。
が、その尻尾は主を変えて再生する。
この国は何から何まで東京大学法学部卒によって仕切られて来た。
戦前、戦中、戦後と官僚たちは壮大な野心と野望を持ち、またあらゆる情報を握りそれを力の源泉として支配し続けて来た。ある年立花隆氏の巨著「天皇と東大」を読んだ時、そうか、そうだったのかと思ったが、何もかもその通りなのだ。
明治維新を天皇を利用した暴力革命だと言う歴史家は多い。
その立役者の一人、薩摩の大久保利通が生んだ官僚組織は大久保が暗殺された後、長州が受け継いだ。官と軍と警察は、薩、長、土、肥が仕切ることになりそれは今でも脈々と続いている。警察組織に鹿児島出身と土佐出身が多いのはそのためだ。
戦争とは国と国による利権の奪い合いだから官僚がすべてを取り仕切る。
軍はその実行者に過ぎない。知に勝る海軍は陸軍を見下ろしていた。
彼らは天皇も権力者も意のままに動かすことができると自負している。
例え総理大臣の任期を何年延長しようとその時が来れば権力者は交替する。
官僚たちは腰を折り、膝を屈し、頭を下げながら実は政治家を見下ろしている。
まして東大法学部卒でなければ相手と思っていない。
自分たちに不利益と思えば情報をリークして政治生命を奪う。
天皇が生前退位をビデオメッセージで国民に訴えた。
再び戦争のために利用されたくないという、天皇家のメッセージでもあった。
今、この国では憲法九条改正反対の天皇家と、アメリカの代理人、利権の代理人である官僚が戦っている。殆どの権力者はその代弁者に過ぎない。
初代総理大臣、長州出身の伊藤博文からその歴史は続いている。
昨夜夕食をゆっくり家で食べた。ブリと大根煮、肉野菜炒め、肉じゃが、油揚げとトーフの味噌汁、知人が送ってくれた大好物の奈良漬けであった。料理を作っていた愚妻がひと言言葉を発した、“おそばいる?魚焼く?”“いらない”会話はこれで終わり。
シャーロット・ランプリング主演の映画「さざなみ」を午前二時~三時四十分まで観た。年をとった名女優は文学的だ。名作「愛の嵐」を思い出した。
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