一日一本365本(DVD含む)を目標に国内外の旧作、新作、準新作の映画を見て来たが、今年は全然ダメで200本位だった。その中で、これほど会話がすばらしいのはなかった。
「グランドフィナーレ」イギリスの老作曲家は引退してスイスの別荘地ホテルにいる、親友の映画監督たちと。
老作曲家がつくった「シンプル・ソング」を女王陛下がソプラノソロと共に交響楽団を指揮する老作曲家を待っている。
スイスまでその旨を交渉に来るが老作曲家は断る。親友の老監督とまい日絶妙の会話をする。
老作曲家の娘と老監督の息子は結婚していたが、好きな女性ができたので別れるという。
父は息子に聞く、あのアバズレのどこがいいんだ。息子は応える“ベッドの上が最高だから”と。
それを聞いた老作曲家は泣きじゃくる娘にいう。
キミがベッド下手ということはありえない、何故?と娘は聞く。
“オレはベッドの上で最高だったから”その娘のキミが下手な訳がない。父と娘は大笑いをする。
老作曲家と老監督は、朝レストランに現れる老夫婦がまい日ひと言も口を利かないのを見て、今日は利くか利かないかお金をかける。
若い脚本家スタッフと構想を練る老監督は前立腺肥大でオシッコがでない。老作曲家も同じ。
朝散歩する時、必ず二人は今日は出たか?と互いに聞き合う。スイスの映像はまるで絵書き。
温泉プールには様々な人が来る。まるでダルマ腹のマラドーナ?、オールヌードのミス・ユニバース、アクターたち、登山家、そのシーンの間にインスピレーションの映像がインサートされる。
これがまた抜群の映像、クラシカル、ポップアート、シュルレアリスム、グラフィカル。まるで映像の美術館だ。
座禅を組み瞑想をする若い修行僧は浮場をめざしている。
会話をよくよく理解していくと、スイスの美しい風景の中に、人間の生老病死と四苦八苦がある。
これが人間にとって「シンプル・ソング」であることを教える。是非オススメの名作だ。
かつてその曲を唄った女性ソリストは老作曲家の妻であった。
そのソリストは、一枚100円か150円でレンタルしてくれば、その変わり果てた姿に会える。そして…。
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