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2017年7月18日火曜日

「母原病」

遠くは八ツ墓村の大量殺人。
河内の十人斬り、近くでは、秋葉原の無差別殺人。障害者施設での大惨殺。
昨日は二十六歳の男が、祖父や祖母、ご近々の方々を誰でもいいからと包丁で刺しまくった。
大久保清や宮崎勤、宅間守などという変質者による事件とは違う。
集落の人間にシカトされて火を放ち焼き殺したのとも違う。
きっと被害妄想である。
警察や検察はややこしいことは嫌いなので、アタマが狂ったで処理してオシマイだ。
がこの種の事件の根は深い。

風習と因果が生きている。

告げ口、陰口、噂話、作り話、罠にかける話、(現代社会の中に脈々とある)そして差別だ。
別に殺人犯のカタを持つのではない。
我々人間は大なり小なりこの陰湿な部分を持っている。
無知の人間はずっと無知ではなくてはならず、差別すべき人間は差別する。

ててなし子は汚く侮辱され、他所者に体を許した女は男のなぐさみものとなる。
ずっとずっと我慢してきたんだ。
この積み重ねを持った人間が、ある日、ある時にブチッとアタマが切れて狂気の桜が満開となる。
正気をなくした人間の思考回路は一直線となる。
ずっと我慢してきたんだ今日こそぶっ殺してやると。

過日一人の女医と話をした。メンタルクリニックのカウンセラーである。
私は友人の付き添いであった。
女医は言った。
子どものトラウマの殆どは母親にあると。
ガミガミ理由もなくウルサイ。
小さなことまで厳しく躾ける。長所をほめず短所ばかりをみつけては怒りまくる。
自分のコンプレックスを子どもに押しつける。子どもは母親ばかりを気にする。
これを“母原病”つまり母親の病気という。
極度のキレイ好き、極度の几帳面、極度の躾、子どもは息が詰まりやがて異形の行動者となる。
高度に進んだデジタル社会は人間性を奪い取って行く。

マサカウチの子がと思う事態に明日遭うかも知れない。
母原病の裏返しは父親の存在感の消滅でもある。

天才中野裕之監督とつくった。
「非行対策110行の忠告」30分の短篇でナレーションに桃井かおりさんを起用したすばらしいDVDもある。

浅葉克己先生に110字を書いていただいた「グレる。グレそう。グレたら。」の拙書もある。

ご連絡あれば無料でお送りします。孫や子に殺されないうちに読んで見て下さい。


1 件のコメント:

しきろ庵 さんのコメント...

ぜひ見てみたいです。
よろしくお願い致します。