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2018年11月21日水曜日

「ゴーンと丸源」

12月31日の夜でもないのに、除夜の鐘がゴーンと鳴った。日産、三菱、ルノーの最高責任者カルロス・ゴーン逮捕。その日の夕刊紙に牛丼2社の生涯賃金比較表が出ていた。A社は入社して定年まで勤めて約2億3千万円、B社は約2億5千万円、35年〜40年勤めて手にするする賃金だ。カルロス・ゴーンの賃金は、5年間で約100億だから、一万円札を一枚二枚と番町皿屋敷風に数えると、どんだけ〜と女装男子のIKKOのフレーズが出る。ふと20年前位に見た報道番組を思い出した。MCのインタビューに応えていたのは、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった。IT業界のリーダーだった。そんなにお金を稼いでどうするの(?)みたいな素朴な質問に、あのねえ、人間は200億円手にするとどう思うか分かりますか(?)と聞き返した。う〜む、そんな金額想像もつかないからなと腕を組んだ。答えは簡単ですよと言った。200億円を手にした人間は300億円、400億円を欲しくなるんですよ。へえ〜そうですか、みたいなやりとりだった。そのIT業界のパイオニア的リーダー(ホリエモンではありません、ずっと先輩)事業拡大に失敗して、この世から消えた。昨日夕刊各紙を見ていると、銀座の不動産王といわれ丸源ビルを60ケ所位持っていた。86才になるオーナーに、実刑判決が下った。確定すれば入所となる。カルロス・ゴーンみたいなことをやったのだ。罰金も2億円以上くっついていた。夜の銀座には今も丸源のマークがたくさんある。資産1800億円ともいう、裁判マニア(?)川本源一郎という86才のオジイサンが入所か、むかし見た東映のヤクザ映画に、嵐寛寿郎という老優が鬼源とかいう伝説のヤクザ役で刑務所にいたシーンを思い出した。主演は確か高倉健だった。カルロス・ゴーンは特別扱いの取り調べだろうが、入っている部屋は狭く、枕は堅く、布団は重い。朝は正座して点呼となる。日仏間のOKサインなしには、決して逮捕はなかったであろう。国際的パワーゲームの中では、カルロス・ゴーンもただの民間経営者の一人にすぎない。(文中敬称略)



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