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2018年11月30日金曜日

映画「かぞくいろーRAILWAYS わたしたちの出発」

“命取り”という言葉がある。文字通りそのことに手を出したら、命を取られるものだ。その筆頭に映画製作がある。世にはいろんなバクチがあるが、映画ほど勝つ確率の低いものはない。が、映画制作ほどロマンに満ちたものはない。阿部秀司さんというロマンチストがいる。大ヒット映画「ALWAYS 三丁目の夕日」 を手掛けた人といえば、映画ファンならずとも知っているだろう。かつて大手広告代理店でクリエイティブディレクターとしてその代理店の中でも、抜きん出た活躍をしていたクリエイターだった。そこに出入りしていた私は、当時アドベンと言われ、大手のクライアントの仕事をしていたのに、退社することを知った。思い切った行動であった。その後世界的に有名になる「ROBOT」という会社を立ち上げた。アカデミー賞を受賞した短編アニメの制作者を始め、現在活躍している、多くの人材を育てた。又、次々とヒット作を世に出した。アドベンは凄いな、本当に映画界のドンみたいになり、遠い存在となって行った。その阿部秀司さんが昨日東京新聞の朝刊、文化娯楽面にドンがドーンと出ていた。新作映画「かぞくいろー RAILWAYS わたしたちの出発」が今日30日から公開される記事であった。確か慶應大学出身で、ずっと鉄道マニアだった。映画の題名にRAILWAYSが多いのは、鉄道へのロマンと映画へのロマンが大きいからだろう。RAILWAYSシリーズは今回が3作目、第一作が2010年、島根県の「一畑(いちばた)鉄道」を舞台にしたものであった。主演は中井貴一さん。第二作目は、 2011年、富山県の「富山地方鉄道」が舞台、主演は三浦友和さん。そして第三作目は、 鹿児島県薩摩川内(せんだい)市と 熊本県八千代市を結ぶ、「肥薩おれんじ鉄道」が舞台だ。主演は有村架純さん、共演青木崇高さんに國村隼さん、若手の歸山竜成(きやまりゅうせい)さんだ。記事には阿部秀司さんのインタビュー写真も大きく出てきた。69歳になっていたのを知った。エグゼクティブプロデューサー。いい顔になっていた。ローカル線を通して人間のドラマを描き、地域発の映画を全国展開する。地方の活性にもなればと語る。すでに次回作にも意欲を持っていると書いてあった。私はこういうロマンチストを心から尊敬する。心から拍手をおくる。 国際的プロデューサーとして世界中の映画人からもリスペクトされている。アドベン、失礼阿部秀司さんは、もう雲の上の存在になってしまったが、遠くから応援をする。一人でも多くの方々にぜひ映画館で観ていただきたい。家族とは、親と子とは、兄弟とは、夫婦とは、人生とは何か。自分は今どの運命線の上にいるかをきっと感じるだろう。有言実行の男の美学に乾杯だ。本当に凄い男だ。あらゆる困難と闘って来たのを知っている。私にいろんな仕事の機会をくれた。広告代理店時代阿部秀司さんのボスだった友人も、きっと又“やったね”の言葉をおくるだろう。命取りに挑み、金もうけを考えない男の顔は、清々しいものだと改めて思った。


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