ページ

2010年7月7日水曜日

人間市場 土下座市

東京の近くのある県に一人の男がいる。
この男の財力の前に政界、財界、芸能界、映画界、ヤクザ界、相場屋界、相撲界、落語界、歌舞伎界、およそ○○界、××界、△△界と名の付く世界の人間が跪き土下座し泣き崩れ、若いアイドルを貢ぎ物に差し出し金を借りる。座長公演などをやるとチケットを売らねばならない。大変な負担が座長にのしかかる。文字通り体を張らねばならない。

選挙資金、会社の不祥事のもみ消し金、買収金、悪い女に食いつかれた財界人の手切れ金、芸能界は見栄と虚飾の世界、お金は幾らあっても足りない。自分の芸の不足は体で補うしかない。

博打で大負けした者、相場で負けた者、若い衆のケツまくり内乱を治めなければならない親分、幹部。映画作りで大穴をあけてニッチモサッチモ行かなくなった男。毎日門前市を成すが如く金を借りに現れるその人間達を土下座させ見下ろす。その快感は見てくれの悪い小太りの小男にとって何事にも代え難き快感である。

私の長い友人がいる。画家である。その友人の娘がある大きな劇団に入った。
政治家とつながりが強い事で有名な劇団である。娘さんは待望の劇団員になれた、すこぶる美人で可愛い娘さんである。

ある日座長の男に一緒に付いて来る様にと言われお供をした。都内のホテル、大きなスイートルームである。そこに小男は現れた。座長はいきなり土下座し、お申し込みの件何卒、何卒と頭を床に擦り付けた。娘は何事かと思った。普段は鬼より恐い人だし、又心より尊敬もしていた。劇団員数百人を率いる人である。

何やら泣きわめき続けているではないか。十九歳の娘も勝手が分からずつい一緒に土下座していた。お〜君はいいんだよ君は、手をあげなさいと抱き上げられた。
小男の腕が娘の胸に当たった。気持ち悪いと思った。やがて二人は隣の部屋に行った。娘は椅子に座らされていた。座長が来て僕は先に行くから君は少し残って先生のお話の相手をする様にと言われた。

えっ、私嫌です一緒に帰りますと言った。小男がいいじゃないかルームサービスで美味しいワインと美味しい物を食べようと言った。いいです嫌ですと言った。バチン、座長は娘の頬を叩いた。特別気の強い娘は受話器に手を付けた。後から又叩かれた。
嫌です、何ですか気持ち悪いといって大暴れした。その後どうなったか、小太り小男は警察に訴えられた。座長は元大臣にとりなしを頼んだ。

当然娘さんは劇団を辞めた。
その父親は私の処にこの話を持って来た。娘はすっかり人間不信となり落ち込んでしまった。許せない、警察に訴えたがとんでもない大物とかで腰が引けて何も出来ない。一部のマスコミが騒いだが一気に押さえ込まれてしまった。娘の友達の話だと何人も被害に遭っている、でも大きな役をもらうためだから仕方ないと割り切っている娘が多いという。

どうしたらいいだろうかと言っても私は必殺仕掛人じゃないしなと言った。
石が浮かんで木の葉が沈むだな。テレビに横綱白鵬はじめ関取ずらり。武蔵川理事長以下理事ずらり、そして最敬礼のお辞儀、誠にすみませんでした。

その頭を下げている中にあの小太り小男に土下座して金を借り続けている者を知っている。何が国技だと思いながら私の親友の娘さんの忌まわしい過去を思い出した。

博打と女は一度はまったら余程の強い意志がないと抜けられない。
私は見事に抜けた。鉄の意志で。酒だけは止める気がない。心はかさねても体はかさねない、特定以外は。汚い生き方はしたくない。決して屈しない。人生は意志との戦いだ。


2010年7月5日月曜日

人間市場 ヘビー級市

七月二日午後四時、二人の女性が来社された。
一人は今年の二月六十二歳で急死した親友の愛した女性。一人は親友のデスクをずっとしていた女性。彼女たちは過日沖縄の海に親友の遺骨を散骨して来たのだ。その報告に来てくれた。青い海に白い影、まるでジュゴンが泳いでいる様であった。





一年に一度彼女と二人でバリ島に行くのが楽しみな男であった。何故妻がいるのに妻がしないのか。夫婦仲は難しいものである。男は神奈川の辻堂に住まいが有り、東京までキャデラックかハーレーで通っていた。子供は男三人、二人は双生児である。花火職人、料理人、庭師であるという。既に三十代中頃だ。

毎日ハードな仕事、ストレスを溜める仕事をする男にとって妻が待つ家はいつか安らぎの場所でなかった。酒も飲まず煙草も吸わず仕事をしている時が一番イキイキしていた。私とは二十代の時からの付き合いでお互いに仕事を頼んだり頼まれたりしていた。

親友が亡くなった後、妻は通夜にも告別式にも来ない。そちらで勝手にやって下さいと言って来た。又お墓もありませんから、どこかに散骨でもして下さいと言うではないか。一体どういう夫婦だったのかと思った。

夫婦とは元々赤の他人と云うがそれにしても血も涙もない。
私の目の前に居る女性は散骨の写真をアルバムにして今なお精神的に立ち直れず少々鬱状態であり、何度もすみませんと言いながら涙を拭った。
聞けば全ての遺品は処理したが小さな引き出しの中に私が出し続けた手紙と葉書をしまってあったと言うとても大切にしていましたと言われ私の目頭は熱くなった。


わずか半年前までは身長180㎝、体重76㎏の男が大きな声で自慢のアイデアを私のところのスタッフに熱く語っていた。僕は時々自分は本当に天才じゃないかと思うんですよと本気とも冗談ともつかぬ口調で語っていた。

私は「よろず相談室」を開設しているので様々な相談が来る。
今気が重いのは70代夫婦の離婚話だ。先週の深夜奥さんから電話、今夜は出張でいないからと約一時間半その内容の重い事。近々お会いする事にした。早く会って下さい、そうでないと私が何かされるか私が何かするかもしれないと言う、物騒な内容だ。次の日それとなくご主人に奥様はお元気ですかと聞くとあの鬼婆と言った。息子さんが私の処に居た事があり私達夫婦が仲人をした。息子は香港にいるのだがこの間離婚した。人生とは一つの歯車が壊れると一気に崩壊を始める。

一人の女性は中堅の画家である。デパートで年六回個展をする。相手の男は私の後輩、先日胃癌の全摘出手術をした。長年の老人介護のストレスと疲れが原因だと本人は言う。彼女は夫婦別れし画業に専念したいと言う、そこにはもう愛のカケラもない。

この歳になって受ける別れ話はヘビー級の内容が多い。
年金、仕事減、介護、老人ホーム、葬式お墓、保険、借金、保証人、裁判等々の言葉がワンツーパンチの様に浴びせられる。
共通しているのは男はオタオタし女は矢でも鉄砲でも持って来いという開き直りがあり男はグダグダ未練がましい姿だ。こんな相談を後二つ三つ受けている。若い愛人を作り金目な物をみんな持って逃げた。かつての良妻賢母、一度の火遊びが眠っていた女の本能に火を付けてしまった。

その逆もいる。石垣直角マジメ一筋で無事定年を迎え、ほっとひと遊びしたのがこの世の終わり。男は未だ行方不明。退職金をソックリ持って早数ヶ月娘さんに時々メールが入るとか。お父さんは今とても幸福だなんて。探して下さいと言うから嫌ですよと断った。


尾崎士郎は人生は劇場だと云ったがまさに一寸先は闇の世界だ。絵に描いた様な幸福な世界はこの世にはない。トンネルを抜けるともっと長いトンネルだった。夢から覚めるとそこは悪夢だった。心を鍛えておきましょう。


2010年7月2日金曜日

人間市場 人物不足市

本物のスポーツライターのいない悲しい国。
もし阿久悠存命ならW杯の結果を何と書いただろうかとつくづく思った。朝日、読売、毎日、日経、日刊スポーツ、報知、スポニチを一通り読んだが一紙も胸を打つ文章に出会えなかった。全てお粗末の一語、ワンパターンであった。戦略、戦術の解説も同様であった。


かつて「江夏の21球」という朝日新聞の天声人語があった。その文章に感動し、切り抜き今でも額に入れて持っている。
16強が凄いのか、16強でしかないのに何を大騒ぎしているのかで今後の日本サッカーは変わる。ただ本田圭祐という久々に言葉の発信力がある若者が出て来たのが収穫であった。
実に冷静に日本サッカーと自らを分析していた。応援してくれた方にも批判をしてくれた方にも感謝したい。もっとハングリーになっていきたい、世界へ出ないと通用しないと語っていた。

やたらとチームワークを強調していた。かつて常勝巨人軍を徹底的にやっつけた知将の三原脩監督はチームワークは作って出来るものではない、勝てば自然に生まれるのだと云った。野武士集団の西鉄は個人集団であった。

事実カメルーン戦に勝ってからチームワークが自然発生的に生まれたと選手は云う。サッカーに詳しくない私が見ていて一番素晴らしかったのは中澤というDFの選手だった。
ゴール前危険な時必ずといっていい程彼の頭、彼の足、彼の体があった。FWと違って地味だが一点を守れば一点を獲得したのと同じである。決して目立たず、主張せず、語らず、怒鳴らず、ひたすらチームを救った。

こんな男が脇を固めてくれたら本当に頼りになるだろう。
一紙くらいその中澤のドラマを書いて欲しかった。

山形の庄内空港から帰って来ると、チワー朝日新聞で〜す、今月で契約が切れますから延長お願いしますよと若い男が来た。朝日の記事はこの頃最悪だから来週来てくれと言ったら、え〜勘弁して下さいよ頼みますよと言って帰って行った。

暫くすると、ちわ〜読売で〜す、今月で契約が終わるので後半年延長たのんますよぉ〜と手に沢山の洗剤を持ったアンチャン、ビーチサンダルであった。お前、もの頼むのにその格好はないだろう、読売はナベツネが嫌いだからもう止めと言うと、ヤベェ〜マイッタナァ〜何とかタノンマスヨォ〜とすね続ける。来週まで考えるから今日は結論無しと言うとビール券持ってキヤスヨォと言う。
いらねえよ、しつこいのキレイナンダと強く言うと、マイッタナァ〜と又来ます、ヨロシク頼んますと言いながらビーチサンダルをペタペタしながら帰って行った。愚妻が逆恨みされると嫌だと言った。

新聞の役目も終わろうとしている、若者達は殆ど新聞をとらない。パソコンやiPadなどでより便利で、より詳しく、より早く情報に接する事が出来るからだ。


山形県には本間家という日本一の豪商がいた。殿様より力があると云われた位の一族であった。その一族が生んだゴルフクラブの名品本間ゴルフがなんと中国に買収されたというではないか。なんたる無様な出来事だ。
何が中国共産党だ。遂にゴルフメーカーまで買収しはじめたか。かつてジャパンイズNo.1なんて云って世界中を買収し続けたその結果、バブルがバーンと弾け今やG20で日本の財政再建は例外扱いにしてやるよ、だからしっかりしろやなんてコケにされてしまった。世界一の借金大国である。

ゾロゾロ九つの党ががん首を揃えてハチャメチャな状態だ。
五人しかいない政党に助成金なんて支払う必要ない。もっと規制すべきだ。少数意見尊重を勘違いしている。三党で十分だ。

日本の財界人の集まりかがあって危機的状況だなんてインタビューを受けている一流企業の代表者達だがその顔相の貧しい事。一人として渋沢栄一の様な風格、見識、教養、哲学等を感じさせるオーラを持った人物はいない。

何しろユニクロの柳井正社長なんか毎晩会社が倒産する夢を見る。居ても立ってもいられないと言う、情けない事この上なしだ。楽天の三木谷社長の処は社内の日常語は全て英語にするという。阿呆かだ。

倒産が恐くて会社をやってられるか。夢を見るならもっと人間の未来や地球の未来への夢を見ろと言いたい。所詮バッタ屋だな、中国の秘密工場で女工哀史の様に安い賃金でコキ使っている。年収数億円のサラリーマン社長屋ばっかりだ。

2010年7月1日木曜日

人間市場 淵野辺市


W杯熱狂冷めやらぬ中、私が最も大切なお付き合いをさせて頂いている会社の社長さんに、いま企画している展覧会へのご協力をお願いに行った。

私が一人で会社を起こして初めて仕事を頂いた羽毛布団の製造販売会社である。その名を東洋羽毛工業という。現在の社長は三代目である、世襲ではない。

この会社の特長は販売先がほとんど医療関係、看護師さん相手である事だ。
唯一、日本看護協会の指定を受けている。日夜過重労働をしている婦長さん以下ナースステーションの人々にとって寝る事は何よりの贅沢。自らへのご褒美である、それ故最高級の羽毛布団を購入する。北は北海道から南は九州、沖縄まで広い販売網を持っている。現在の社長さんとは四十年近いお付き合いである。

人間にいい人という概念がある。それは誠実、真面目、責任感、純粋、奉仕、包容、愛情、温和などがあるがその全てを持って余りある人はいない唯一無二と言っていい位の人格者である。

本社は神奈川県の淵野辺にある。この地はかつて旗本領で烏山藩とも云った。
養蚕が盛んで桑畑が広大に広がっていたと云う。戦時下は日本陸軍の兵器学校があった。

今は若者の街に変わってきた。麻布大学、青山学院大学、桜美林大学等が次々と設立され駅前近辺は学生用のアパートやマンションが建ち並び住宅も建ち始めている。

午後四時に訪ねW杯の話題で盛り上がり、睡眠不足である私は出して頂いたコーヒーで目が覚めた。お願い事をした後、社長が食事を予約してあるからと五時二十分迎えの車に乗った。この会社は残業ゼロである。朝八時半から午後五時半でピタッと終了する。電話も繋がらない。創業者からの経営方針である。

連れて行って頂いた処が素晴らしかった。社長は淵野辺にもこんな処があるんですよと言った。「さ蔵」という。オーナーが石材商を営んでいるとか、まるで平城の様である。門構えは巨大な城壁の様である。花崗岩か安山岩、閃緑岩かと思われる石が迎え入れてくる。料亭の中は広い回廊造りで長い直線は見事な一枚板で演出されている。中庭は広く緑の庭園である。煙草を一服楽しめる様配慮されている。



個室に案内される。掘りごたつ式で足が下ろせる。
社長と私と社長の右腕で凄腕の美人部長(お酒が強い)と話題は尽きず楽しいひとときである。次々と料理の出る事盛り沢山。杯でチビチビ飲みながらチビチビとチーズやクラッカーを食べていたのでお腹が余り空いていない。



外はまだ明るい。いらっしゃいませと入って来たのが何とも小さく可愛い品田楓さん18歳(胸に名札が付いている)本当に小さな卵顔おでこに黒いホクロ。
インドの女性がつけるビンディの様、インドでは結婚している証しとして付ける。楓ちゃんは未だこれから、とても見事なビンディだからきっといい男性と出会えて幸福になるよと言った。ピンクのシャツにジーンズ、ピンストライプの黒のジャケットのあまり変なお客さんに楓ちゃんはいつもと勝手が違うみたいであった。

独身の男の人はぜひ淵野辺の「さ蔵」へ、但し安月給では行けない、店の名は桜の木と店内にある蔵造りの場所にかけてつけたという。
折角のお料理を半分以上残してしまい、天ぷらやらローストビーフはパックにしてもらって夜食のつまみにさせて頂いた。


社長さんは現在七十歳。奥様とは中学一年生の時からの純愛である。私は奥様の大ファン、最高に話が面白く独特の表現力を持っている。趣味は刺し子とか。刺し子をしていれば飽きる事なしという。

昔話やこれからの日本、これからの経営等話は花火の様にパチパチと飛び火して盛り上がった。楓ちゃんが美味しそうな釜飯を持って来てくれたが残念ながらお腹に入らなかった。素晴らしい人格の社長、仕事が出来る美人部長、かわゆい楓ちゃん、笑い声の絶えない三時間であった。誠にありがとうございます、ご馳走様でした。

淵野辺に行ったらぜひ「さ蔵」へ、本物の羽毛布団は東洋羽毛さん(和田アキ子を起用して十年間CMを提供していた)。
いい睡眠は一番の健康法です。

2010年6月30日水曜日

人間市場 名前市

山形県天童市にある「天童荘」という処で書いている。
深夜三時である。昨日「奥山農園」でたわわに実った見事な佐藤錦を友人達と取り合った。

昨年と同じメンバーに一人お人形を追加して来た。F−1レーサーの中野信治さん、相変わらずクールで格好いい。一人は藤原紀香さんお気に入りの写真家菅原一剛さん、相変わらずおしゃれな人だ。一人は山形出身の広告代理店の社長大泉勉さん、それとプラスワン。

大泉さんの高校時代の友人が仙台まで大きなバンで迎えに来てくれた。
さくらんぼは天候の影響で一週間位取り入れが遅いらしい。農園の木に真っ赤な実、それを取っては食べた。
木の上の方が陽を浴びて甘い下になる程酸味が強い。真珠の分け方と同じ方法で大きさを数種類に分ける、小さな四角い板の上に乗ったさくらんぼが微妙な重さをくるくる回転寿司の様に廻りながら選別される。
ぜひ送ってあげたい人に一番いいのを送った。



天童荘」は感動的な懐石料理旅館、明治の頃から現在で五代目、もともとは「鰻屋」さんであったとか。その風格と格調は見事の一語。その造り、広い広い部屋、あまりに静か故テレビのスイッチを点けなかった。

十一時から日本VSパラグアイ戦を見る。夜食が作ってあった。お料理芸術的、お姉さん達が親切な事。山形に来たらぜひ「天童荘」へ。


さて名は体を現すと云う。下手な本を書くに当たって主人公にチョット珍しい名前を考えるため有能な私の右腕上原嬢に調べてもらった。何とも面白すぎる、楽しすぎる珍しすぎるのが送られてきた。その一例をご紹介してみる。
味水 みみず
前明力 まいみょうりき
水毛生 みもう
前伊礼門 まえいれいじょう
水門 みもん
孫左近 まごさこん
水鳥川 みとりかわ
味舌   ました
水穴 みずあな
級久保 またくぼ
水洗 みずあらい
松七五三 まつしめ
水出 みずいで
松鶴 まつづる
水姓 みずうじ
萬里小路 までのこうじ
水落 みずおち
大豆生田 まみうだ
水利 みずかが
回り道 まわりみち
水柿 みずがき
正月一日 あお
水掛 みずかけ
上り口 あがりぐち
水堅 みずかた
春夏冬 あきなし
水庫 みずくら
阿世比丸 あせびまる
水子 みずこ
白水郎 あま
水主 みずし
己己己己 いえしき
水尻 みずしり
猪鹿月 いかつき
水清田 みずせだ
異儀田 いぎた
水溜 みずたまり
砂金 いさがね
水足 みずたり
飲酒盃 いさはい
水垂 みずたる
砂盃 いさはい
水冨 みずとみ
五老海 いさみ
御神本 みかもと
一円 いちえん
御正山 みしょうやま
一番ヶ瀬 いちばんかせ
御簾納 みすの
入南風野 いりはえの
御菩薩池 みぞろけ
十六女 いろつき
弥陀 みだ
浮気 うわき
御滝 みたき
宇津巻 うづまき
御立田 みたてだ
雲丹亀 うにがめ
御旅屋 みたびや
裏隠居 うらいんきょ
御調 おしらべ
漆真下 うるしまっか
光来出 みつくで
雲類鷲 うるわし
民法 みんぽう
延命 えんめい
無敵 むてき
追出町 おいでまち
一番合戦 いちばんがっせ
王隠堂 おういんどう
鬼首 おにこうべ
王来王家 おうらいおうけ
一法師 いちほうし
大炊御門 おおいのみかど


なんかこの様な名前を見ているとその本人に一人一人会いたくなってしまう。
想像力を掻き立てられる。名は体を現す人生を送っているのだろうか。

明日山形出身の写真家土門拳の記念館に行く。この記念館を設計した人が又凄い人なのだ。そしていざ出羽三山へと向かう。都会生活を卒業する時期が近づいている事を一日一日体が感じる。山形は緑一色だ。山には神々が宿っている。

サッカーは死闘であった。クタクタになった本田選手がPK戦の前にじっと手を合わせて祈っている姿を見た時嫌な予感がした。彼にはふさわしくない姿だった。

今度小説を書くとしたら主人公の名前は駒野にする事に決めた。
勝負は残酷だが結果は美しく清々しい。天童市は将棋の駒作りで有名な所であった。何かの因縁だったのかと思った。

2010年6月29日火曜日

人間市場 パラ貝市

六月二十五日(金)、神田三省堂書店八階で友人夫婦の陶芸の展覧会があった。
私たち夫婦と友人夫婦で行った初日のパーティーである。

備前、志野、瀬戸、益子等、大皿から大花瓶、片口茶入、ぐい飲みなど力作、名作、大作が広い会場に展示されている。陶芸教室の生徒さんたちが沢山来てお手伝いをしている。

退職前の会社以来の家族付き合いである。三十年以上になる。
で、パーティーに友人のかつての同僚がお祝いに来ていた。ほとんど私の知り合いでもある。人間十年会わないでいるとこれ程変形してしまうのかと思う人が多かった。何故か谷隼人が来ていて紹介されたがまるで丸太の様に太ってしまっていて識別不能状態、顔立ちだけは面影があった。

頭の毛がほぼ無くなりエシャレットみたいになった人、くわい頭の様になった人、具合の悪いかつらをかぶった人、寿司の軍艦巻きの様に周りだけ毛があり上は無毛地帯の人、又は不毛地帯の人。人間は髪の毛があるか無いか無くなりつつあるかでまるでイメージが変わってしまう。私とより四、五歳上の人達である。

友人の焼き物の話よりサッカーの話ばかり、凄かったね本田、見事だね遠藤、岡田は名監督だねと絶賛の声、W杯が始まる前とはエライ違いだ。やはり勝負は勝った者勝ちだ。
愚妻が花器を二つ買って会場を後にした。

それから友人夫婦とタクシーに乗り赤坂の濱寿司へ。一番若い板前にウルガイとパラガイを握ってくれと冗談を言った。
当然ウルグアイとパラグアイ(次の対戦相手)にかけた駄洒落だ。若い衆は私が相手だと緊張したのか。オヤジさんウルガイとパラガイ今日は入っていませんよねなんて真顔で寿司ネタのケースの中を見ている。板長がお前何やってんだよ、そんな貝ある訳ないだろう冗談をおっしゃってんだよと言った。すいません、間抜け者でと言った。悪い悪い、冗談だよと謝った。

店の親父が赤坂で一番旨い寿司と自分で言っているだけあってやはりどれも旨い。
この店とはもう三十五年の付き合いだ。TBSの側なので役者さんやタレントが多いのが気に入らない、二階を造って以来自民党の森、小泉、中川(秀)一派の御用達になった。森が首相の時SPを何人も連れて入って来た。テレビ局のカメラも数台付いて来て店の中も外も大騒ぎだ。テレビに出たがりの親父はテレビに向かってお辞儀なんかしている。

夜九時頃だった。そこへ私は友人と行った。親父が直ぐ寄って来てすいません、今日はこんな状態なのでと言うからどういう状態なんだよと怒った。
要するに今日は俺に遠慮してくれって言うのか、俺と森とどっちが大事なんだ、えっ応えろと大声出したらSPがガバッと寄って来た。何すんだよどけどけと言って店の中に入った。

カウンターの奥に森と中川、連れ達は二階へ昇る。
親父オロオロ、板長オドオド、若い衆四人真っ青、着物のスタッフ五人ヒソヒソ状態となった。親父にお前ミーハーだからいけねえんだよ、総理大臣なんか直ぐ替わるんだ、辞めれば自分の金でこの店来て高い寿司なんて食う事はないんだよと言った。私は空いていたカウンターに友人と座った。親父はすいませんを連発していた。何にすいませんって言ってんのと言うとすいませんと又言った。

森喜朗が総理大臣を辞任したのはその日から二週間後だった。
商売はな、昔からのお馴染みさんを何より大切にしなけりゃいけないんだよとお説教をした。その後ぱったり森一派は来なくなった(噂では回転寿司に行っているとか?)友人夫婦と寿司を食べながらそんなエピソードを話した。

親父は今度TBSの番組で自分と若い衆三人で有名人が食べる寿司屋さんのコーナーに出ますなんて言い始めた。よせよせそういうの、本当に出たがりだねと言った。本物の店はひっそりとやるもんだよひっそりとな。

愚妻がぽつりと口を出した、あなたこそひっそりしてよだって。もう若くないんだからケンカになる様な事は終わりだって。友人の奥さんが私は人が言えない事や思ったことをズバッと言う処がいいのよだって。

2010年6月28日月曜日

人間市場 アルコール占い市


私の長い友人で上 季一郎という博覧強記の人がいる。

知らない事は何も無いのではという程何でも知っている。
現在、ビッグコミックオリジナル増刊号に花街ミステリー「幇間探偵しゃろく」を連載、その原作を担当している。630日に小学館より単行本が発行される。


ある日一緒に鍼とお灸とマッサージを受け日本そば屋で升酒をチビチビ飲んだ。つまみは冷奴と枝豆、稚鮎の天ぷら。友人が私が何か書ける本はありませんかねと言った。う〜ん、今は本がまるで売れないからね。出版社は日本中に約4000社近くあるらしいがほとんど赤字、ソコソコ黒字を出しているのは20社位らしいよと言った。お姉さん、お酒おかわりと二杯目。そうですよね、そうなんだよと元気の無い言葉のラリーを交わす。

その時酒が効いてきたのか頭の中にピカッと閃くものがあった。
そういえば昔からお酒やワインやウイスキーの話に詳しいよね、自分でもワイン造りしている位だからその知識を占いとくっつけて「アルコール占い」という本を出そうよ。飲んでいる酒で人の相性が判る。相性が判ればその先が見える。
恋愛も仕事相手もお酒がとりもつ縁。お酒の席で楽しく話が弾む占い本、幸せになるヒントとアドバイスが盛りだくさん、結構面白いと思うけどどう?と言うとご本人すこぶる興味を持ち、書いてみますとなったのです。

週が明け、出版社の人に来て貰い「アルコール占い」を共同出版しないかと言うと、面白いですね早速社に帰って検討してみますと話が進み始めました。直ぐに返事が来てぜひ出版しましょうとなったのです。

この本はいわば「飲むおみくじ」です。

ワイン人とビール人は(?)、日本酒人とウイスキー人は(?)、焼酎人とビール人は(?)陰と陽、五行説にのっとり上 季一郎先生が健筆をふるって書いてくれました。
第一章、アルコール占いの占い方。第二章、アルコール占いでみるあなたの酒性。第三章、アルコール占い55パターンで構成されている。

いい人だなんて思っていたら突然酒乱に変化する人、無口な人だなと思っていたら突然グダグダ絡み出す人、奥ゆかしい人だなと思った人が突然裸になってしまう人とか。酒は人間そのものなのです。一番相性が悪いのは夫と妻かもしれません。これから結婚しようなんて思っている相手かもしれません。この人に付いていって出世しようなんて思っている上司と本当は相性が悪かったり、酒は飲むほど本性が出てくるのです。

勿論占いですからあくまでご参考までにして下さい。銀座、赤坂のママさん、ホステス
さん、新宿、六本木のホストさん必携本です。水上げ倍増間違いないかもしれません(?)何にも喋らずただボーッと座って高いギャラをとるホステスさん、この本を読んでスキルアップしてください。


無双舎から出版開始、ぜひ買って下さい。お願いいたします。

全国書店で絶賛発売中!

2010年6月25日金曜日

人間市場 節水市


本物のエコロジスト(節水家)とはこういう発想をする人を云う。
サンパウロ発の記事を読んで感心した。「シャワーの最中におしっこをしよう」という提案をしたのは最もリッチなスーパーモデルとして知られるジゼル・ブンチェンさん(29)。

彼女は水洗トイレの使用によって水を無駄にしないために「シャワーの最中におしっこをしよう」と自らのブログで呼びかけ話題となっている。
ブンチェンさんは地球環境を守るために自分で出来る事をしようと訴え、「食用油を流しに捨てない」「紙は画面を使う」などを提言。
シャワーの中でおしっこをすれば年間で83220㍑の水を無駄にしないで済むとアピールしている。ブンチェンさんはドイツ系ブラジル人のモデルで米国を中心に活躍、総資産額は約165億円とも云われている。環境問題のキャンペーンに熱心に取り組んでいる。

歳を取ってくると皆、前立腺肥大となり全部スッキリ出ない人が多くなる。何度も何度もトイレに行く事となる。無駄に歳を取って無駄に水を使うと家族の視線が厳しくなって来る。堂々とお風呂でしてもいいのだよと言いたい。但し、湯船の中ではイケマセンです。

昔銭湯に行っている頃、おじいちゃん湯船に気持ちよさそうに入っていて時々体をブルッと震わせ、ニタッと笑っていた。今思えば湯船の中で緩んでしまったのだろう。
銭湯はすっかり無くなってしまったからそんな風景は近頃少ない。温泉場などでは大いにあるはずだと思う。

節水と言えば私の知人が節水に苦しんでいる。
知人とは銀座、赤坂等のクラブのママさん、ホステスさんである。この種の人たちを世の中では水商売という。今流行の世界的ウォータービジネスとは違う。
こちらは一晩一晩体を張ってお客さんを取り合う。企業が節水対策、つまりは交際費をカット。民主党政権になって夜の街に政治家先生が出て来なくなった(そっと隠れてきているが)相撲界が大混乱でお相撲さんがタニマチと来ない。

自分の金で飲む様なバブリーな人間が少なくなった。小役人や官僚たちがタカリ酒が出来なくなった。隅から隅まで節水対策を徹底して来た為、ママさん悲鳴絶叫、ホステスさん泣き落とし電話が掛かって来るがこちらも節水対策はバッチリなのです。

但し座って五万、飲んで八万、酔って十万という超高級クラブは満員御礼らしい。湯水の如く金を使う人間がいる。まともな職業の人間はまずいない。
詐欺師、闇金屋、宗教関係、芸能界のタニマチ、エセ作家、映画界ゴロ、不動産ゴロ、スポーツ選手、出版ゴロ、パチンコ業界、会社の金を使い込んでいる人間達、水道の蛇口を開けっ放しの黒い人間達と思って間違いない。

それでも少しはママさん、ホステスさんも節水をしているらしい。毎日必ず美容院に行っていたのを少しでも減らしているらしいから水商売全体でかなりの節水にはなるやもしれない。最近は出勤制限というのがあって毎日出る事が出来ない女の子がいる店から連絡が入って今日は出なくていいよとか、お客さんを持ってないとか、同伴が少ないとか、指名が少ないとか、美人過ぎてお客さんを見下しているとか、いろんな理屈をつけて出勤を制限する。

で女の子は頭に来て店を辞める。しかし狭い世界、店と店の間で情報が交換されて銀座から干されて池袋や渋谷、新宿と流れ流れて行く。節水の世界は演歌の世界となって行く。
この世で一番美しい水は働いた人間が流す汗と、悲しみに耐えて流す女性の涙という。

汗は熱いシャワーで消し去り、涙は白いシーツに染み込ませて欲しい。夢は夜ひらく。

2010年6月24日木曜日

人間市場 やってみなはれ市


これは恐れ多い推測である。

先日、宇宙飛行士野口聡一さんがソユーズで帰還した。本来であれば帰国したである。半年近くも宇宙船の中で生活をしてきた、その体力、その意志、その好奇心、その探求心、その他全てのものに敬意敬服をする。何故こんな不届きな推測をしたかと言うと、帰還して来た後歩く事もおぼつかない中でインタビューにこう応えた。

今何をしたいですか「冷たいビールを飲みたいです」、これから何をしたいですか的な資問に「今すぐにでも又宇宙に帰りたいです」と応えた。うーんと私は思った。
きっとこの人は淋しい、孤独な人なのではないのだろうか。又、心から愛する女性、心から愛する家、心から愛する友人、心から愛する食べ物やどうしても語り合いたい相手がいないのではないか、つまりはこの地球という故里に絶望しているのではないだろうか。既に帰国すべき国がないのではないだろうかと思った。

何故か可哀相な人なんだと思った。常識的にはとりあえずぐっすり寝て、好きな物を食べて、愛する人々と語り合って、それから未だ未だ調べたい事があるのでもう一度宇宙に帰りたい、私の第二の故里ですからね。こう応えれば私は素直な気持ちになっただろう。既に宇宙空間の中で人間的ではなく宇宙人的になってしまっているのかもしれない。命を懸けて愛する人がいたらどうであっただろうか。

冷たいビールを飲みながらこんな推測をしてしまった。人間の故里、南アフリカでW杯がキックオフされた。地球が熱狂している、自分たちの国への想い、自分たちの民族の誇り、自分たちの名誉、愛する人々の為に熱狂する。

今や一瞬の内に世界中で熱狂を享受出来るのは宇宙開発が生んだ通信のお陰だろう。
野口聡一さんたちの先人の挑戦の賜と云える。つくづく人間は凄いと思う。地球という大宇宙の中の青い一つのボールの行方を追う科学者達、サッカーコートの中の白いボールに命懸けで襲いかかる人間達、いずれも人間という誰が創ったか分からないヒト科人間という生き物だ。

願わくば宇宙から帰った人が直ぐに宇宙に帰りたい、そう思わない地球であってほしい。あ〜やっぱりニッポンはいいですねと言って貰える様な国に。


国技国技と云っている大相撲が賭博とか暴力団と付き合っている。それは問題だなどと呑気な事を言っている。本気で警察が調べたら理事長を始め親方全部、相撲取り全部いなくなってしまうだろう。一度解散して国技などと恐れ多いことをいわず「国闘技」に名を変え世界中の国の人に参加させればいい。当然税金をしっかり払わせて。

政治家の事務所経費の中にキャミソールとかヌード雑誌とかたこ焼きまで入っている。政治の透明化を図ると大声で二重人格の菅直人が叫んでいる。本気でやったら政治家は一人もいなくなってしまうだろう。国民の怠慢でもある。何事も人任せ、そのくせ何かあると一億総評論家と化す。ウンザリする国である。

野口聡一さんが冷たいビールを飲んだら宇宙に帰りたいという気持ちが分かる。ただ私には愛するものがたくさんある。飲みたい物、食べたい物、会いたい人々、行きたい処もたくさんある。

「国破れて山河あり」という言葉があるが既に山河は無くなってきている。
ある居酒屋で男三人、女性二人が飲み物をオーダーしていた。男が聞く、君たち何飲む?女の子が応える、ビール以外なら何でも、じゃ僕達もビール以外の飲み物でいい。
何たる事か「とりあえずビール」というのはニッポンのルールだったのだよとその場に行って叱ってやりたかった。

日本酒をオーダーする女性、カルピスサワーとかをオーダーするいかつい男、男の色気がなくなり抱かれたくなくなり、結婚したくなる、むべなるかなである。結婚しても一年間に一度もSEXしないセックスレス夫婦が多いという、まるで宇宙人だ。

かつてサントリーの佐治家の家訓は「やってみなはれ」だった。その通り何事もまずやってみなはれでやんす。とりあえずはビールから始める事。

2010年6月23日水曜日

人間市場 カチンカチン市


小さな親切大きなお世話という言葉がある。

過日あるホテルのウォシュレットを経験した。
私は小は立ってやる、大をした後は三度しっかり拭く事にしている。その便器は一度用を足して一度拭き腰を上げた瞬間に水がどっと流れる。オイ、まだ二度目が残っているんだ、拭いた紙が流れない。暫くしてから流す。
次にウォシュレットをして再びキレイに拭いて腰を浮かすと又、流れてしまう。紙だけが流れず残るから水が溜まるまで待ってからまた流す(立つ鳥後を汚さず)。トイレに対する人間工学と使用者心理が全く判っていないのだ。

面倒くさくて仕方ないとブツブツ言いながら外に出た。
掃除のおばさんがいたからこのトイレ親切心がないねと言ったら、私は使いませんと言うからチョット使ってみなよと言ったら、頬を赤らめた。ここは男性用ですから、関係ないよとオバサンの感想を聞かせてよと言ったら、イヤですよ、駄目ですよここはお客様専用ですから。それじゃ後でコンシェルジュに言っておくよ、全てが終わったら一気に流せるようにと。


この頃男の半分位が座って小用をするという。家でおっかちゃんから飛び散るから駄目とか娘からお父さんの入った後は嫌だとか言われるらしい。男子たるものが座って出来るか。あれは全部が出し切れず立ち上がると残りがジワッとしみ出たりするから駄目、もっと凄いのが出て来たらしい。なんと、跪いてするらしい。
もはやマンガだ。ミジメだイジメだと思う。お父ちゃんは辛い事になっているのだ。それ故私の家は小さいながらもトイレは私用と家族用と二つ作ってもらった。


先日新橋駅のトイレに小用で入った。朝であるからかなり混んでいる。大をする処がみんな塞がっていた。ある中年の男が二人早く出ろよと並んでいる。
一人はかなり切羽詰まっている様子だった。中から煙草の煙が白く立ち上がっている。遂におじさんはぶち切れた。オイ、いつまで入っているんだ、煙草なんて吸ってないで早く出ろとドアを足で蹴りまくった。ドンバンドドンパのリズムでおじさんの目からはもう駄目なのか身震いしながら涙を流していた。


ある小学校が学校中の水道の蛇口を押したり下げたり左右に動かしたりの方式から昔の蛇口を捻る方式に変えたという。硬いものを食べなくなって歯が弱くなった様に手の力がすっかり子供から消えてしまったからだという、何という事かである。過保護のツケはこれからあらゆる処に出て来るだろう。


私の友人が中国人を相手にビジネスをしている。
あまりに約束を守らない、商品の質が悪いのでテメエーの処とはもう取引しねえと言ったら、ゴメンナサイコレカラチャントヤルノコトヨ、今日はコレ使って凄い美人とヤルの事よと言われ、何やらバイアグラの100倍位効く薬を飲まされたらしい。

その後友人の持ち物は天を向いたまま元に戻らない。帰国にあたりスーツに着替えてもズボンの中は立ちっ放しで仕方ないから上着で隠して帰国した。出国の手続きの時ガードウーマンが金属探知機で体を探ったらでかい突起物にあたり赤面して何か持っていますか失礼ですがちょっと、と言われて部屋に連れて行かれた。ウルセイと言ってズボンとパンツを脱いだらガードウーマンは腰が抜けそうになったとか。

日本に帰り友人は新宿の病院に相談したら、高血圧や心臓の悪い人はあの世に行きますよと言われたとか。約四日間立ちっ放しであったとか。その話を飲みながらしたら友人の処に何人も分けてくれと連絡が入ったとか。
普通の性感を持っている女性はパーフェクトに腰を抜かし、失神してしまうらしい。
中国皇帝御用達。

しかしそのお陰も無く友人は中国人にオマケの小さい人形の手抜き商品を作られ、大手飲料会社から全部検品しろと言われそれをしている。その数なんと二百万個。
アルバイト、パートを使い現在まだ十分の一の二十万個までしか終わっていない。オマケ用にとんでもない労働が付いてきた。オマケの商品だといっても針一本入っていると大事件になる。お世辞や口車に十分気をつけないと中国人と取引は出来ない。

友人はカチンカチンになった我がチンポをお風呂の中で殴りつけたらしいが何の返事もなかったらしい。
私は中国人とのビジネスは止めチャイナと言った。