5月9日私は夜の銀座でディープキスをした。
と言えばオッ、ウソ、ホント(?)そんなバカなとなる。
実は銀座のコンクリート、つまり道路を相手に顔面ディープキスをした。
少し飲みすぎて足がもつれてしまったのだ。ガァーンとやってしまった。
外傷には慣れているのだが、いい歳をしてみっともないことこの上なし、反省と猛省をしている。人に会わせる顔がないのである。
その日の夜銀座グランドホテルであるイベントがあり、それに四人で参加していた。
銀座Dannasm(ダンナズム)という洒落た催しであった。
現在銀座で名を成しているダンディなダンナたちがドレスアップしたレディを連れて集まっていた。頭にはボルサリーノ、パナマ帽、ソフト帽。
黒と白のコンビの靴、ピンストライプ、ボーダーのジャケット。
1960年代のファッションを装った、むかしの少女たち(今のオバサンたち)VANやJUNのジャケットやエドワードやケントのスーツ。
むかしの銀座みゆき族青年(今のオジサンたち)がオレが村中で一番と集っていた。
私がお世話になっている東洋羽毛さんのブランドoluha(オルハ)の商品展示をするコーナーをグランドホテルさんが提供してくれた。その御礼をしに行った。
150人くらいが会場いっぱいにいて、今の様なオシャレの時代でない、ファッションに目覚めたあの頃、あの日を楽しく語り合っていた。1960年代のファッションショーであった。コットンのボタンダウンにニットの棒タイ、スイムカットのヘアー、コットンパンツにデッキシューズ。
私は当然黒のジャケットに黒のジーンズ、アロハシャツに黒と白の(安物のシューズ、靴下に穴が空いていてシュン)コンビの靴。
まぁ~久々に楽しくなって、ついホテルを出てから飲み過ぎてしまったのだ。
気分は若くなったが体は全然オジサンだった。
家に電話をすると怪我した顔で帰ると、小さな孫が恐がるから帰って来ないでねと愚妻は言った。
いろんな方々に大変ご迷惑をかけてしまった。今シロチンをあっちこちに塗っている。
週末はひたすら謹慎する。というより恥ずかしくて外に出れないのだ。
5月10日夜七~九時、どうしても行かねばならないので、渋谷伝承文化ホールに着物ショーを見に行った。ぎっしり満員、ご夫人二人をショーの主催者にご紹介するのが目的だった。21人の美人が21カ国のイメージで一着を織り上げていた。
京友禅、加賀友禅、西陣。
モデルさんは傷らだけの私の顔を興味深そうに(?)見ていた気がした。
昨日早朝お世話になっている会社の社長さんからお見舞いの電話を頂いた。
心より御礼でも、穴があったら入りたい。
「キッスは目にして」というヒット曲があったが、コンクリートの道路とキスするバカであった。