何やってんだ! 立つな! 寝てろ! 倒れてろ! ボクシングの世界では、タフ過ぎるという選手は、セコンド泣かせだ。強烈なパンチを一発浴びて、ズドーンと倒れて、テンカウントをリング上で寝たままで、あるいは両ヒザをついたまま聞いて、(聞こえない場合も多い)ノックアウト負けをレフリーから告げられる。この場合選手のダメージは余程のメガトンパンチでない限り、試合後の選手の回復は早いケースが多い。ボクサーはリング上で闘っている時は孤独だ。頼れるのは自分しかいない。だが信じられるのがセコンドだ。セコンドは回を終えてかえって来る選手を、励まし、1分間(インターバル)の間に、ワセリンでの傷の手当てや、体をもみほぐしたり、水をふくませては出させる。(飲んだらダメ)その間アレやコレや作戦を選手にアドバイスする。タフなボクサーは殴られても、殴られても倒れずに相手に向っていく。ダウンするも立つ。立っては殴られ続ける。そして再びダウン(1R3回ダウンで負けのルールもある)。顔は変形し、両目は殴られてふさがり、鼻血で息もできない。そこに強烈なパンチがアゴに当たりダウン。セコンドはもう駄目だと白いタオルをリングに投入する(これをされると終り)TKO負けとなる。ボクサーは後ろに倒れたり、横向きに倒れている時は、立つ可能性があるが、前へ倒れるとまず立てない。TKOとはテクニカルノックアウト。タオル投入はボクサーにとって屈辱なのだ。超タフなボクサーは差別語的言葉で表現される。殴られ過ぎて引退した後にパンチドランカー、即ち廃人同様になってしまうからだ。セコンドは選手の命を守る役目と言ってもいい。ファンはあの選手は凄いね、いくら殴られても倒れないと賞賛する。リング上で倒れたボクサーは、失神していない限りセコンドの方を見る。それは救けを求める目であり、もっと闘えるという目でもある。さて、コロナ禍で長引く社会をボクシングに例えると、私たちはコロナウイルスという見えない相手と闘うボクサーである。ボクシングの世界タイトルマッチは12回戦だが、私たちは12ヶ月以上リング上で闘っている。セコンド役は、政府であり、県知事や市町村の首長であり、傷の手当をしてくれるのは、お医者さんや看護師さん、医療従事者のみなさんだ。現在セコンド役の総理大臣、西村新型コロナ対策担当大臣、河野ワクチン担当大臣、田村厚生労働大臣、加藤官房レフリーらの指示は、バラ、バラ、テキトー、ソノバシノギ、ウソ、ホラ、シカト続きである。各首長たちも私たち選手同様、セコンドの指示のバラバラに、ソノバシノギをする。私たち選手はもうダウン寸前、(ダウンしたのも多いが、ウソの統計で誤魔化す)試合を中継するNHKなどは、前田某という元バンカー(ゴルフの砂ではなく銀行家)が、中継アナウンサーに脅しをかけて、政府ベッタリの中継をする。心あるアナウンサーは前田某に飛ばされてしまう。私たちボクサーは殴られ放しで、一人10万円位の涙金で試合を続行となる。バカヤロー税金をがっぽり取られているのにと歯ぎしりをする。中・小・私たち零細企業や、フリーランスはもうタオルをいつ投入されてもOK状態なのだ。(KOではない、TKOだ)。これ以上立ち続けていると、みんなパンチドランカーのように、廃人同様となってしまう。バカヤローな親がいるという新聞記事を読んだ。このコロナ禍の中で、金持ちたちは株投資や持ち株上昇で、使い切れないほどの金を持っていて、都心の億ションを子どもたちに一つ二つと買っているという。又、家の近所にあるフェラーリの店には、バカ親とバカ息子たちが来て、飴玉を買うみたいに、フェラーリを一台二台と買うというではないか。バカバカに殴ってやりたい(リング上で)と思う。コロナ収束まで数年はかかるといわれている中で、ツケヤキバ的対応策しか出せないセコンド陣を退陣させて、キャリア豊富な人材を集めなければならない。あらゆる分野の人材を必要とする。国家百年の計を建てねばならない。私たち市井の民は廃人同様にされてはならない。「アリス」の名曲「チャンピオン」では、♪~ 立たないで もうそれで充分だ おお神よ……。と歌う。が、私たちは十分ではない。アリスには悪いが、私たちは不十分なのだ。神も仏もいないのだ。アメリカまで行って、国際電話(?)をしてワクチンを頼んだなどという、セコンドのリーダーに呆然とする。小泉進次郎という環境問題のリーダーが、昨夜あるインタビュアーに、なんで2030年の温室効果ガスの削減目標が46%という数字なんですか(?)と聞かれると、パッとひらめいたんですと応えた。大丈夫かいこのアンチャンはと思った。否、大丈夫じゃない、国家全体がグロッキーになっているのに(最大の借金国家)スットコドッコイのセコンドばかりだ。ボクシングの聖地後楽園ホールへ行ってセコンドとは何かを学んで来いと言いたい。私のチンに、ジョーに、テンプルに、ボディに、キドニー(ボクサーが攻める急所)にパンチが当って来る。チクショー、チクショーと立っているのだ。私は“あしたのジョー”ではなく、今日のジョーなのだ。リングに立ち続けるのは、男の意地なのだ。負けてたまるかだ。皆コロナ禍の中でもがんばろう。白いタオルを殴られた血で赤いタオルにしてもだ。(文中敬称略)
※「チン」はアゴの先、「ジョー」は、アゴ、ボディは腹(水月➡︎みぞうち周辺)、キドニーは、両方の横腹周辺。