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2011年9月20日火曜日

「ブータンは97%が幸福」


ブータンの首都の名知っていましたか?「ティンプー」でした(ずっとプナカだと思っていました)。人口約68万人のこの国はナカナカ凄い数字を持っているのです。

ヒマラヤ山脈に囲まれた小国です。



この国の国民総幸福度(GNH)はなんと97%、お国民の殆どが幸福なんです。

1976年国王が「大切なのは経済成長を続け発展させる事でなく、国民一人一人が幸せを感じる事だ」と提唱し国民総生産(GDP)とオサラバしたのだ。


いまや先進国もプータンに学べとヒマラヤ山脈に向かっているらしい。

我々の国日本と比較すると何と羨ましい事だろう。

朝から晩まで働いても働いても幸福になれない。



体は疲労し、心は悲鳴を上げていても競争に勝ち抜け、売上を上げろ、シェアを奪え、コンビニは24時間営業し、マクドナルドも終日営業して終電に乗り遅れた人々が始発まで時間を潰す。私の家の近くにスーパーの西友がある。

広く、寒く、そしてお客さんは誰もいない。深夜2時過ぎ、東京から帰りながら買い物に寄ったのだ。胸には日本人ではない人の名が付いている。



少し先にローソン、その少し先にセブンイレブン、その少し先にファミリーマート、その少し先に私の家がある。どの店にもポツンポツンしかお客はいない。節電て何だいと思いながら本当にこの国はバカヤロー国家だと思った。



石川啄木は「働けど働けど我が暮らし楽にならざり、じっと手を見る」と書いた。

ずっとずうっと昔からこの国は働きづめなのだ。ブータンの人が来たら何というんだろう。

この国の国民幸福度は97%不幸福だからだ。


テツ&トモなら「なんでだろう、なんでだろう」という。

牧伸二なら「あ〜あやんなっちゃった。あ〜あオドロイタ」となる。

又、亡き三波伸介なら「ビックリしたな〜もう」となり、亡き荒井注なら「バカヤロー文句あっか」となる。

敬愛する南州太郎師匠なら「おじゃましまっす」といいながらきっとブータンに行ってしまうでしょう。



この頃私もかなり師匠達と同じ心境になっている。

まともに挨拶もできない、葉書一枚も書けない若者達に出会うと暗然たる気持ちになる。


私の信条はまず「気持ちいいあいさつ」であり社是でもある。

考えない、行動しない、戦わない、怒らない。幸い私の会社の若者は極めてまともであってくれている。

全ての滅びは「オハヨォー、オツカレサン、オサキニ」を言わなくなって始まる。

家も同じ、地域も同じ、社会も国も同じである。



夢を追い寝食を忘れている若い人から一通の手紙を貰った。何より心が洗われる。心の中で頑張れ頑張れと叫ぶ。

一人の若者の夢の背後にとてつもなく大きな幸福度が含まれているのだ。会社のためになんて考えるな。会社の歯車になるな。会社を徹底的に利用せよと私は言い続ける。


いつでもどこでも生き抜く武器を身に付けよと。

毎日毎日おぞましい事件や、ハレンチな事件や、信じ難き事件が起きている。井上陽水がかつて「傘がない、行かなくちゃ君のために行かなくちゃ」と歌った。傘とは何であったか探さなかったツケが来ているのだ。


ある日人形町でゲリラ豪雨に出会った。傘がない人がずぶ濡れになっていた。幸い私は傘を借りていた。

若者よ夢を追え、一日おにぎり一個でも死にはしない。夢を抱いて寝よ、もっといい夢が見られるから。

雨よ降れ、不幸の洪水を泳ぎ切って見せろ、君たちがブータンの様な国をつくるのだ。



「百歳の富士山」を描いた百歳の奥村土牛は朝起きたらもっと絵が上手くなっているかもしれない、そう思っていたやもしれない、百歳の小倉遊亀も、百歳に近づいた片岡球子も同じであったはずだ。

徹底的に人のやった事をするな、命令されたら自分はコピー機でないといえ。若さとはオリジナリティなんだ。



江東区清澄の現代美術館で三十五歳の現代美術作家「名和晃平展」を観た。

素晴らしい、本当に凄い。年老いた自分が切なくなった。

そしてもっと切なくなったのが広く大きいその美術館の建築の酷さだ。



誰が設計したか分からないが「あーあやんなっちゃった、あーあオドロイタ」であった。

日本の現代美術家に天才、秀才、奇才が出始めている。


その日知人の娘婿である多摩美術大で油絵を学んだ三十二歳の若者がスーツにネクタイで私に会いに来た。

二歳の娘さんがいる。広告代理店に入れないだろうかという相談であった。駄目だ今やっている日雇いの仕事をしながらでも油絵を描き続けろ。絵の具を買う金が無かったらボールペンでも針金でも割り箸でもいい、とにかく死ぬ気で絵を描くんだとアドバイスした。若者はどんよりした目で来たがキラキラした目で帰って行った。


一つ宿題を出した。「ブータレるブタ」の絵を好きなように描いて出来上がったら又、ぜひ会おうと言った。

さてどんなブータレるブタが書き上がるか楽しみである。

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