私は「無力」である。つくづく何もできない。新型コロナウイルスの影響で、広告界、映画界、演劇界、音楽界、イベント界、出版界、ワイン界、野球界、旅行界、相撲界などいろんな界の人々から多数電話が入る。主役の子が新幹線がダメで、ロケ中止、映画館はガラガラ(でも広告では大ヒット上映中)なんと無観客でのオペラ撮影。ライブコンサートがドタキャン。出版のサイン会をやれず、私無力の出身地の力士がゴメンナサイと。新しいワインの試飲会は、ヤケ飲みの会に。プロモーションイベントなんか、みんなブッ飛び、広告界の最大手の人からは、もうオリンピックどころではなく、社内人事拡争、責任のなすり合いとか。一人芝居の舞台は、無観客で本当の一人芝居に。もうヤバイ、もうアブナイ、もうイケナイ。と、相談されても私無力は何もできない。今度ばかりは、相手がウイルス菌なので、どうしようもない。私無力も、先が見えない。何のアドバイスもできない。無力感でいっぱいだ。やたらに腹が痛い原因が、ほぼ分かった。三日間苦痛に耐えていた。温ソーメンと、うどんばかり食べていたので、私無力の体はスルスルとズルズルになった。今日からは何でもOKだと思う。マスクだらけの人間がフツーに見えてきた。列車内で花粉によるクシャミをすると、嫌な顔をされる。結局このウイルス問題で、最後に勝つのは中国だろう。人口は国力というから米国も相手にならない。米国は約4億人、中国は約14億人。中国が仮りに10億人減っても米国と同じだ。(その時米国はゼロ)日本は約1.2億人全く勝負にならない。今度のウイルスは、若い人から年寄りに感染して、体力のない年寄りがアウトになるらしい。私無力の兄弟分で、いつも酒を飲まずに、朝まで矢沢永吉を歌うのが、昨夜電話で実に文明学的、かつ人類学的発言をした。オヨヨと思った。「今度のウイルスはさあ、若い奴が生き残って行くために、年寄りべらしを始めたのだ。人間という生き物が、生き残るための動物的本能だよ。」オヨヨさすが日本の最大手の広告代理店で、若くして部長やってきただけのことはある。人口とは、人の口の数から生まれた言葉。若者たちは年寄りの年金や医療費を背負って行けない。養うために食べ物を供給するには、あまりの格差社会だ。私無力は実に納得させられた。私無力は十分年寄りだから、若者たちに迷惑をかけてしまうのだろう。出生率は減少するばかりだ。新型コロナウイルスから、学ぶこと大なのだ。それにしても米国の年寄りは、肉をたっぷり食べてきているからなのか元気がある。トランプは73才。バイデン77才、サンダース78才、ブルームバーク78才。一年間広大な米国大陸を演説して回る。そのエネルギーからパワーをもらう。私無力はゴッツイ肉でも食べて、若者から感染させられても、やられてたまるかだ。最早誰れが悪いの、手遅れだのと犯人探しをしている場合じゃない。今のような国会をやっていると、若い政治家からウイルスを感染させられて、無国会議員の国会審議になるだろう。これは決してジョーダンではない。明日起きるかもしれない。みんなで支え合い、励まし合い、助け合って行かねばならない。私無力は腹に力を込めた。ある店で隣りのオジサンたちが、ウーロンハイと、ハイボールと、梅サワーを飲みながら、ブータレてた。あの加藤勝信とかいう厚労大臣は、笑い顔でえらい損をしてるよな、立ったり、座ったり、一人押っけられてるけど、笑ってんだよな顔がさ。お前人の顔のこと言えないだろ、ともう一人のオジサン、梅サワーをちょっと濃くしてとオーダー、あん肝はやっぱり旨いな、オレにもう一つともう一人、やっぱり唐辛子かけたほうがいい。ホタルイカの沖漬けも旨いな、などと会話が弾んでいた。私無力は一言居士なので、一言いいました。オジサンたち平和でいいねアタマ使ってると。そ、そうなの平和なの、飲んで、食べて、あとは寝るだけだ。アタマは使わないの、ギャハハハ。聞けば私無力よりずっと年が下だった。あん肝を食べない、と言われ断ったら、連れがオレ食べると言った。この国は平和なのだろうか。
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