神武以来の天才現るといわれたのが将棋の加藤一二三名人、現九段(七十歳)である。
史上初中学生で四段プロ棋士となった。名人、十段、王位、棋王、王将などのタイトルを獲り、2001年通算千二百勝を達成。今なお現役の大棋士である。
この人は敬虔なクリスチャンで有名であり、又いろんな逸話の持ち主でもある。
この人とは対局したくないNo.1かもしれない。
まず何回も咳き込む事から始まる。騒音がやたらと大きい。
指した駒から手を中々離さない。ネクタイの結び方が片一方がやたら長い。飲んでいるお茶にネクタイが沈んでいても判らない。時々将棋盤の上に覆い被さってずっと読む。それから相手の後に立って自陣の駒を見る。ウォホンウォホンと咳き込む。これだけでも相手は嫌になって来る。一分将棋の天才で秒読みになると無類の強さを発揮する。一手打っていきなり大長考二時間三時間なんてザラである。
六時間位長考されると相手は隣の部屋へ行って本を読んだり気晴らしにテレビを見たりして時間を潰す。ずっと天才と向き合っていると酸欠になってしまうかもしれない。
こういう人は間違いなく猫科か蛇科である。
天才はクリスチャンであるだけに弱い生き物に慈悲の心を示す。ただ少し度を超してしまう。野良猫が可哀相とエサをあげ始めてた。一匹、二匹、三匹とドンドン野良猫は増えていく。野良猫達は近所の大迷惑となる。沢山の猫がウンコやションベンをする。車の上に乗ってはひっかく。そこいら中異臭だらけとなる。しかし、天才はもの凄い早口で自分がしている事は正しいと主張する。
どうしたらいい手があるかという事はこの場合天才は考えない。
何しろ自分のやっている手順は間違いないと思っているからだ。相手の事は全く考えないクリスチャンなのだ。住民達は名人に敬意を表して我慢していたが遂に法的処置を求めた。そして名人に対しエサは駄目、罰金200万円を課した。天才は納得がいかずそれなら自分の敷地内でエサをやると怒っていた。
こういう方が世の中にいるんです。
昔は野球のボールが人の家に入ったりすると、すいませんボール取らせて下さいと言ってから子供が打ったボールを取らせてもらったものだ。私の家の前は公園であり、よくボールが入ってくる。子供達は礼儀正しくボールを取りに来る。
ある日ドンという音がした。あっボールだなと思った。ところが何の声もしない隣の家の猫でも飛び乗ったかと思っていた、そして小さな池の鯉にエサをあげようと庭に出ると一人の男が居るではないか。オイ、何やってんだ、五十歳位の男はボール探してんだよと言うではないか。人の家に入るときはちゃんと入ると言って入れと言うと、仕方ないだろ子供が打ったボールなんだからと言う。眼鏡を掛けた小さな男だった。こういうのを家宅侵入というんだよと怒鳴った。大人のくせにちゃんとルールを守れっていうんだよ。大声にビックリしたのか、すいませんでしたと謝った。
近所の家に田舎から遊びに来ているとの事を後で知った。
でその後小さな庭の中にあるかもしれない野球のボールを二人で探した。中々見つからなかったが梅の木の葉の中に白いボールがあった。アッあそこにあったと言うと、男はあったあったと喜んだ。すいません、取らせて下さいと言うからいいよと言った。すると急にウワァーと言って梅の木から離れた。大きな毛虫がいたのだ。毛虫大嫌いとビックリしていた。田舎には多い筈なのに。殺虫剤を梅の木にかけながらすいませんでしたねと私が謝っていた。何だか変な時間だった。
加藤一二三先生、謝る時は謝る方がいいですよ。将棋だって負けた時は頭を下げて参りましたと言うんだから。名前は一二三(ヒフミ)です。
一の二の三で行きましょう。ハイ、大きな声で頭を下げて、スイマセンでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿