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2010年12月14日火曜日

湘南の嵐便り 「心の戦争」


三年がかりで放送するNHKの「坂の上の雲」が始まり二年目を迎えた。



まさかNHKは今日の政治情勢を考えられなかったのだろう。
日本と中国、日本とロシアはかなりデンジャラスになって来た。
あっという間の中国の台頭も読めなかった。


私は司馬遼太郎ファンである、特に「街道を行く」のファンである。
正直「坂の上の雲」は好きでない。司馬遼太郎は市井の民の悲嘆や哀切な恋愛や弱き人間の苦悩は書かない。英雄や成功者を題材にしたものが多い。
どちらかというと講談的活劇作家である。(エッセイ、紀行文は最高だ)


具合が悪いことにNHKのニュースでアジアの危機を語った後に日清戦争や日露戦争を主題にした「坂の上の雲」が流れる。戦争賛歌の如く明治の英雄?達がどんどん登場する。“杉野はいずこ”の広瀬武夫、皇国の興廃この一戦在りの秋山真之。
戦場で馬上盃を楽しむ秋山好古(司馬遼太郎はこの人物が坂本龍馬と同じ位好きだったとか)二百三高地で失敗を続けた乃木希典(司馬遼太郎は大嫌いであった様だ)。
戦略戦術の天才川上操六や児玉源太郎、西郷隆盛の血を引く大山巌。次から次にテレビに出てくるのを見ていると何だか時代錯誤を感じてしまう。そう思っているのは私だけだろうか。莫大な予算と時間をかけて今何故東郷平八郎なのか、山本権兵衛なのか、本当に日本の夜明けだったのか。

伊藤博文

坂の上に待っていたのは悲惨な戦争を生んだ軍国主義の全盛であった。
日清戦争は伊藤博文(大の女好き)の女遊び代稼ぎという説もある位だ。
日露戦争は山縣有朋の庭作りのための荒稼ぎ説や井上馨の遊び代の説もある。
今年も残り一ヶ月を切った。今年程日本中がハチャメチャ、グシャグシャ、デタラメ、そして信じられない心の戦争時代はなかった。


民主党の議員中国の要人九人がゴルフコンペをやってプレー代を中国が支払ったなんて司馬先生が生きていたらきっと怒り心頭になってしまっただろう事が起きている。
北朝鮮にはハニートラップ(デヴィ・スカルノと同じ世界の要人が来ると夜を楽しませる)のリストや海外要人が楽しんだ証拠写真がたっぷりあるという。


世界中の秘密情報がバシャバシャネット上に流れる、この流れはどうにも止められない。我々一人一人も国家から監視されデータ化されている。ブログもメールもみんなキャッチされているのだ。私はそれが分かった上で行動している。

シェークスピア曰く「人生は選抜の連続である」自分の意志で自分の在りかたを選択しようと日々務めているのだが悩みは尽きない。才能がついて来てくれない。だがしかし自ら戦いを選択していくのだ。


来年も「坂の上の雲」をやるというが来年この国がどんな形をしているか分からない。
坂の上には想像を超えた地獄が待っているかもしれない。



酷いニュース、あまりに情けないニュースが洪水の様に毎日流れる。
韓国映画「黒く濁る村」を観た。そのコンセプトは「人がほしいままに隣人を襲い、策略を巡らせた場合、この者を私の祭壇のところにでも連れ出して殺さなければならない」(出エジプト記)隣に居る人は果たして善人か、自分は果たしてどうであろうか。人間は恐い。
性の快楽道具として扱った女の果たした目的とは。凄い映画であった。
その夜の「坂の上の雲」のなんと呑気な事か。

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