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2017年8月4日金曜日

「燃える築地」

火は何を語るか。それは激怒だろう。

昨日銀座の仕事場で仕事をしていると、空にバタバタヘリコプター、仲間が何か事件かもと言った。
テレビをつけると築地市場が赤々と燃えているではないか。
場外の店は殆ど知っている。中でも人気ラーメン店「井上」は長い付き合いだ。
その井上が煙の中にあった。
元東急文化村の社長が来て、出版社の編集者が来た。
お世話になっている代理店の社長が来て、何やら怒っていた。
(とっても人にやさしいので)本を10冊買ってくれた。

六時までに企画書をつくらねばならない。
バンバン書きながら有能なスタッフにバンバン企画書化してもらう。
本を送る人に、パッキングする。
まず98人分。来週から順次約100人、プラス大学や高校の音楽の関係者に100人、その次に約50人送る。
頭の中で企画しつつ、内職みたいな作業もする。
敬愛する大先輩のために労は苦でない。

友人と新富町の「寿し辰」で会うために六時ちょい過ぎに企画書を送信し、OKがでたので仕事場を出た。外は薄暗い、空には黒いトンボのように七、八機のヘリコプターが飛んでいる。
火事が生んだ白い煙がコゲクサイ臭いと共に仕事場近くまで流れて来ていた。

この日第三次改造内閣が誕生したが、激怒する火はこの内閣の先を暗示しているかのようにメラメラと燃えていた。
七十三歳で初入閣した議員を派閥の仲間が、バンザーイ、バンザーイと、出征兵士を送り出すようにしているニュースをみて、この国は大丈夫かと思った。
小池都知事は再利用内閣みたいと言ったが、この都知事の行く先も暗示している築地市場に大火災であった。

友人と会ったが中瓶のビールだけにした。
家に帰ってやらねばならない仕事がある。酒が入ると書くのがツライ。
帰途につく中、激怒の火はきっと私に対しても燃えていると思った。
アレコレ、ソレコレやりながら仲間に迷惑ばかりかけている自分が見えた。現在総括中なのだが、いろんな相談を受けている内に、頭の中がウニみたいになっていた。

不眠症が22年となり「睡眠負債」が返済不能になっている。現在午前一時二十七分四十二秒NHKテレビでは新大臣の記者会見の放送をしている。
その前に土の中に埋められた(?)赤ちゃんが泣く声で助けられたとのニュースがあり、バンジージャンプのロープがブチ切れてケガ人を出したオソロシイ遊園地の検分のニュースもあった。
お土産に買って帰った折り詰めのすしを持って愚妻は二階へ。

でっかいスイカ二つが箱の中に、青森の陶芸家「一戸広臣」さんが作ってくれた夏の王様だ。大好物をありがとうといいながらスイカをナデナデした。

そんなこんなをしていたら、一本の電話が入った。
九月第一週に提出するプレゼンテーションの話であった。
私に夏休みはないかも知れない。
だがしかし、しばし私は私に、私のことを相談する。

ビートルズは何故八年で解散したのか、その中に何かヒントがある。
友よ答えは風の中を舞っている。
ボブ・ディランの風の中にもあるはずだ。

みなさん海でクラゲに刺されたり、陸でヒアリに刺されないように気をつけつつ、いい夏の思い出をつくって下さい。私には働くことしか能がない。

400字のリングは八月十八日まで休みます。

午前三時四十分六秒、目覚し時計をみつつ、いつものグラスにマッカランを注ぎ入れた。

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