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2011年7月28日木曜日

「被害者はすべて35人以下」


「口は災いのもと」反省の夜であった。

自分自身が後輩に人に紹介された店は自分が通い慣れた店の様に勝手に行ってはマズイよ、もし勝手に行った時紹介してくれたご本人が来たらバツが悪いからな、行くときは一応断るかその店に連絡してご本人の予約が入っていないかを確認してからにした方がいい。

なんてエラソーな事を言っていた私が友人に紹介された店に私の友人二人と行った。予約の電話をした時にしっかりと紹介してくれた人の予約が入っていないかを聞くべきであった。



「鱧しゃぶ」のおいしい季節になったので友人と六時半に店で待ち合わせをした。

友人の内一人が私の手掛けた映画の主役をしてくれた人であった。彼は先日中国の巨匠チャン・イーモウの映画に出演、南京で撮影して帰って来たのでその話を肴にしようという事になったのだ。生憎私は体調がイマイチで酒を飲んでもいい味がしないので禁酒三日目であった(予定は一週間)。



話はしょっぱなから盛り上がって三十分位したら、あっ○○ちゃんとなった。

お店を紹介してくれたご本人が友人と来たのだ。今年二度目だったのにどんぴしゃであった。ご本人はちゃんと予約してきたのだった。


親しすぎる程親しい仲だが私としては後輩たちにエラソーに言っていた手前なんとも締まらない話であり後輩達にちゃんと謝りたいと思った。

スマン許せよだ。



「鱧のしゃぶしゃぶ」は絶品であった。友人の手前お店の名前は言えない。

中国から帰った友人は直ぐに北京に行くという。本格的に中国で活躍するために自分自身のスキルアップをする、45年中国に住み中国語を学びたいという。未だ若いしその行動力にうらやましさを感じた。私にはもはや悠久の大地で行動する力はない。



かつて若き遣唐使達が命をかけて大陸に向かい、あらゆる文化を持ち帰った様にきっと大きな財産を身につけて帰って来るだろう。


中国の新幹線事故の話になった。友人が面白い数字を教えてくれた。

中国ではいままで様々な大事故を起こしてきた、その時の被害者や被災者の数字はほとんど全て35人以内という事であった。その一覧を見せてもらって正直驚いた。

本当にみんな35人以内であった。その理由は35人を超えるとその地区の共産党の責任者が更迭されるからだという。なるほど中国的な話だ。


二軒目は失礼して家に戻りテレビのニュースを見ると事故の車輌は全てシートで覆われている。そして被害者遺族へ50万元、日本円で約600万円を支払うという。

ただし何も調べない、何も文句をいわないという条件付きだ。


島国日本の文化の父であり母でもある中国は嘘つき文化、隠蔽文化まで教えてくれていた。

家庭菜園用の腐葉土からも高い数値のセシウムが検出された。

もう日本は空気も水も土も野菜も魚も何もかも世界一危ない国となってしまったのだ。


中国には映画にポンと100億円出す人物もいるという。北海道の水や土地をどんどん買い占めているという。中国人来ない、中国人買わない、中国人作らない、中国人払わない。

中国人次第で世界は一変する。中国で活路を見いだしている若い建築家が言っていた。中国人は会議に必ず遅れる、途中で退出してしまう。設計変更果てしなく、見積もりはあって無きの如く。嘘は八百以上。


でも日本人よりはるかに面白いと。



一度施主とケンカになったら青龍刀のでかいのを持ち出して首を切られそうになったとか。セメントにもっと水を増やして安くしろ、柱をもっと減らして安くしろだと。ニーハオ中国熱烈歓迎???


2011年7月27日水曜日

「ぴあでない一日」

平凡パンチ、ブルータス、アンアン、ノンノン、クロワッサン、スポーツナンバー、雑誌文化は若者達にとって№1の情報発信の基地であった。


中でも1972年に発刊された「ぴあ」はその最大最高の情報源であった。

しかしかつて60万部近くあった部数は6万部に減ってしまった。

1972年は沖縄返還、日中国交回復へと向かっていった年であった。


とここまでは冷静に書いているが本音はこうだ。


えっ「ぴあ」が家に配達されない!関東地区休刊!何!インターネットがあればいいだって!?それじゃ私みたいにパソコンも携帯もITと名の付く物、何も持っていない人間はどうすんだよ。毎日映画館や劇場やコンサート会場やライブ会場や展覧会会場や末広亭や鈴本演芸場など一つ一つ歩いて探せって事な訳?そりゃない、ヒドイ、ムゴイ、ザンコクではないか。


両足骨折した者が頼りにしていた松葉杖を引き取られた気分だ。あーあ、どうしよう。

前途は真っ暗闇ではないか。

アイラブぴあ、アイニードぴあだったんだよーんと大泣き状態だ。


私はネット社会が非常に弱い。歩きながら携帯、話ながら携帯、食事中も携帯、何もかもながら携帯だ。ぴあのない人生なんて美しい裸を見てもたたない人生、美しい建築物を見てたたない人生と同じだ。(いい建築物はとてもセクシー)


私はいま足腰がたたない程打ちのめされている。

毎週日曜日一週間分のスケジュールをぴあを見て決めていたのだから。

もう天才達、超一流達、超二流の尊敬する忘れていた芸人達。明日へ成り上がる夢を持ちマイクに向かう若者達に会えないのだ。大好きなダンディ坂野にも松鶴千とせにも、オジャマしますの南州太郎師匠にも会えないのだ。


おれがむかし英語だった頃、妹は単語だった。兄貴は駅前留置でおふくろは駅前留学だった。「分かるかな〜分かんねぇーだろうな」この寂しい気分。



銀座松屋斜め前の教文館書店の入口で最終号を売っていたが意地でも買わなかった。


この夜東電OL殺人事件のゴビンダ受刑者の冤罪の可能性が出て来た。

ネット上では殺された東電OLの会社での直属の上司は現、勝俣会長であったと、ヒョッとしてもしかして大騒ぎになっていると聞いた。何故今この時期に、何かがあるのでは?と。



神様やってない!神様助けてください!と法廷で叫んだゴビンダ氏は14年間獄に入っている。私は佐野眞一氏の著書を読んだり他の本を読んで冤罪だと言い続けて来た。

そうか、ぴあではこういう話は教えてくれない。ネットの書き込みは大マスコミより断然真実が多い。何しろ真実を知っている人間が書き込むのだから冤罪はない。


つまり情報は「PURE」「純粋」なのだ。

2ちゃんねるというのに書き込む人達もっと勇気を出して決然と言えばいいのだがきっと闇から闇へ消されるだろう。何だか一日中ぴあでない日であった。

2011年7月26日火曜日

「男の夢」


人間には人に勇気を与える人と、人に勇気を与えて貰う人とに大まか二分される。

この場合私は後者の勇気を与えて貰う方だ。


映画監督鈴木清順88歳、「けんかえれじい」「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」などなど熱狂的なファンが多い。

私もその一人である。しかし私以上に鈴木清順のファンがいた。そしてその人と二人は結婚した。


本年度最高にロマンティックでいい話だ。

相手の女性は確か40歳、その差48歳外国ではヘンリーミラーとホキ徳田とかオナシスとかジャックリーンとかいくらでもいるが、そのほとんどは財産目当てだ。車椅子生活の鈴木清順さんと女性はなんと映画的関係ではないんですか。

きっと二人は強烈なインスピレーションで結ばれたのだと思います。


結婚というと直ぐに性生活はとか子供はとかが語られるが何もそれだけではない。

ただ居るだけで何だか心が落ち着く関係、一日中何も喋らなくてもいい、お互いにお互いの時間を過ごす。

あまり干渉しあわない、関係しあわない、ただ秋刀魚が食べたいと思えば秋刀魚があり、大根おろしがついていてついでに豚汁もあればいいなと思えば豚汁がある。そんなものでいいのである。

まさかナイフとフォークで生活する訳ではないのだから。噛んでも噛んでも固いハンバーグの時は本日失格といってお終い。

それが年の差がなかろうが、20歳離れていようが問題ない。例え自分の孫ほどの年の差でもいい男の夢だ。

カレーの中のジャガイモが固い。シタビラメのムニエルがフライパンにくっついてとれない。

スパゲティが固い、度を超したアルデンテだっていい。鯖の味噌煮が食べたいと言えばそんなの作れないでもいい。

ひじきが食べたい、作れない。梅干しつくってくれる、買えばいいじゃない。でもいい。


腰痛、肩痛、首痛に優しくインドメタシンを貼ってくる。

随分白髪が多いですね、筋肉が落ちてますね、足が細くなっています。一緒に散歩しましょう。

ちょっと気に入ったブラウスがあるの、4800円が3200円なの、買ってもいい?なんて会話はすこぶるいい。

原稿を書いてはゴロゴロしていると冷たいおしぼり、男はこんな世界に憧れるのです、永遠に。


一度しかない人生なんとか40歳離れた女性と夢の様な生活を小説上で書いてみようとおもう。

66歳と26歳と25歳の三角関係、それをジャマする46歳の女性と謎の女。26歳に好意を持つ医学教授、25歳を追い続ける料理屋の流れ板前。謎の女は当然謎でありつづける。足フェチの谷崎先生も、ロリコンの川端先生も、SMの団鬼六先生も、鈴木清順の男みなぎる人生には勝てなかった。


この間若尾文子(むかし大好き)、岡田茉莉子を見た。

顔はすっかりシワシワだがやはり美しく独特のオーラが出ていた。若尾文子には色気が漂っていた。

頑張れ60代、70代。フランス・イタリア・アメリカ、外国では本当の愛を探す年なんだから。

エレジーなんていい映画もあったしな。


私は人生の最後でマサカ、ウソ、シンジラレナイ、カンガエラレナイを演じて終わりたい。

映画的人生を。妻にも愛人にも家族にも友人にも見捨てられて冷たい大地に落ちて行く。もう誰もいない、金もない、気力もない、体力もない、何もかも失ってアイルランドに行きたい。U2のロックを聴いていると一人の若い女性がポツンと待っている。死ぬまでは一緒にいてあげる、でも一緒には死なないという。若い女性には明日があるから。


こんな事を書いている私の狭い部屋の向こうの部屋で赤いワインを飲みながら早く薬飲んで寝なさいよ、朝はカレーを食べるなんて言っている。パン?それともご飯?なんて、阿呆、馬鹿者、俺はいま文学しているんだと言って扉越しの会話は終わった。


鈴木清順さん私もします、きっとします。

子供も孫も可愛いけどもっともっと愛のスリルとサスペンスを追いたいのです。生きている証しです。

私から人を恋する心を失ったら鈴木清順さんから酸素ボンベを外すようなものなのです。

61歳の後白河天皇が愛し続けたのは14歳の待賢門院璋子でした。

ずーっとです、二人の愛は。

2011年7月25日月曜日

「かき氷とバルサン」


ラーメンからメンを抜くとただのラー。麻婆豆腐から豆腐を抜くとただの麻婆。

マロングラッセからマロンを抜くとただのグラッセ。メロンかき氷からメロンを抜くとただのかき氷だ。


当たり前じゃないかといわれればその通りですと応えるしかありません。

プロ野球のボールを統一球にしたら全然飛ばなくなってしまった。

ボールの縫い目を1ミリ広げただけで俄然ピッチャーに優位となった。巨人軍から得意のホームランを抜くと小人軍になってしまい一点を取るのが大変だ。いかに上げ底の野球をしていたかだ。大リーグのボールはもっと飛ばない。

あのゴジラ松井秀喜もコチラ位になってしまった。


日曜日家に来る小学生の子供達にかき氷を作ってあげたくて駅の側の雑貨問屋でかき氷セットを2,100円で買った。

ソフトバンクのコマーシャルの犬の様な格好をしている。

中に冷凍庫でカチカチにした氷を入れる円形の場所があり、頭の部分のハンドルをグルグル回すのだ。ガラスの入れ物にカルピスを入れてさぁ〜カルピスかき氷だぞと大声を発し、ぐるぐるを開始。スプーン片手に固唾をのむ子供達、おおできるではないかかき氷、白い雪みたいにガラスの入れ物に入っていき、ふんわり白い山の様になった。

子供達は大喜び、さあー誰か始めに食べてみなという。


一人がスプーンをサクッと入れこわごわ口にした。

どうだ旨いだろうと聞くと、全然上手くないだと、何でだ?他の子食べてごらん、やっぱり旨くないと女の子、おかしいなと食べてみるとただのカルピス氷水だ。


おかしいな、お菓子屋で売っているのと、かなり意気込んでいたのでガックリしていると義姉が丁度訪ねて来た。

ちょっと食べて見てというと義姉がスプーンでひと口、何コレシロップが入っていないか�$89ただのカルピスを氷で薄めているだけじゃないと原因が判明。そうか主役不在だったのか、あの赤や黄色やメロン色のシロップの凄さを感じた。

で、赤い自転車に乗りシロップを買いに行ったのでした。やっぱり主役的な物が欠けると駄目なのだ。



ラーメンにチャーシュウ、おでんに大根、野球にホームラン、ガラガラのお客の中で大相撲、やはり八百長抜きでは駄目だった。私の予想通り白鵬は優勝しなかった。


先日、本を全て処分したので日曜日に部屋中バルサンを焚いてもらった。

部屋に本がないというのも主役より脇役の方がいい映画のようでなかなかだ。

何、家の中の一番のおじゃま虫は私だと!?まあいいやと、かき氷を作った。大成功!

2011年7月22日金曜日

「信用問題」


今の世で信用できない人間達。


主に民主党の政治家、検察、警察、教育委員会、一部教師、一部公務員、美容外科、(ほぼ)東電、原子力保安院、原子力委員会、傍聴券を求め裁判所に並ぶ一般傍聴希望者(ほとんどバイト)、リーブ21で毛の生えた人(ほとんどヤラセ、毛が生えたらノーベル賞とか)、書店のサイン会に並ぶ人(ほとんどバイト)、綾鷹のお茶を飲んで旨いという板前たち(サギ同然)、飛行場に帰ってくるスポーツ選手を迎えるファン(ほとんどバイト)、朝日新聞、NHK他テレビ各局(まるで言論統制社会)、各局女子アナの国語力(みんな噛み噛み、間違いだらけ、訂正まみれ)、特にフジテレビの秋元優里の数十秒間下を向いていてADの合図で顔を上げるクサイ演技、そして噛むことNO.1


しっかり勉強しろといいたい。


ついでに顔デカなで肩女、安藤優子のファッション感覚、厚化粧、ついでに小谷真生子の時代遅れの無惨なロングスカート、全くその感覚が信用できない。この頃すっかり離婚疲れが顔に出ている。


国会の予算委員会で指名された海江田通産大臣の手に「忍」の文字、これは信用できる。

何しろ菅直人にいいようにコケにされてきたのだから。

山口組六代目の若頭である高山清司親分が命に別状有りと医療施設に移された。当代の留守を守り巨大組織を守り続けたこの凄い手腕は学ぶべきものが多い。専門書や教科書等で学ぶより命をかけた実践学の方が信用できる。


いじめ問題評論家、ひきこもり評論家、非行問題児評論家たちは自分が不良やグレた事、ひきこもったり、いじめられたりしていない者がほとんどだ。


ふざけんな、傷つけ傷つく辛さを知らないくせに。高い講演料などとってと言いたい。

勝間和代などの顔を一瞬でも見ると数時間は気持ち悪い。

自転車でぶっ倒れてそのままおだぶつになればよかったのにと本気で思う爬虫類顔だ。経済評論家(ほぼ全員)。



松井秀喜が日米通算500本塁打を打った。この人は本当に素晴らしい人格だ。

私と違って絶対に人の悪口を言わない、愚痴をこぼさない、同じ人は長嶋茂雄と王貞治の二人しかいない、スポーツマンシップの見本だ。


私と同じ岡山の星野仙一(悪口の塊)は最悪だ、何を考えてんのか分からない落合博満とかボヤキで生きている野村克也などと比べ様がない。かつて同じリーグで共に戦ったスペンサー選手は野村克也を濡れた雑巾と言った。

グチグチしているからだろう。だが一度仕事を頼んだ時、ていねいな御礼のハガキを達筆な文字でもらった。


そんな人は未だに誰もいない。

それ故私はかなり信用しているのだ(本当は心から野球が好きな人間なんだと)



人は見かけによらないものだ。

特に恋愛の相手は充分に品定めしてほしい、目的を達成するためには嘘八百だから。

「昴とオシッコ」


ボサボサの白髪、シラケたジーンズにシワシワシャツ、それに灰色シマシマのベスト、小さな体にデイバッグで夜の銀座二丁目の裏街をトボトボ歩いてる。先夜で出会う事三度目だ。誰かに似ている、いや違う、70歳以上に見えるしあんなにみずぼらしくはないだろう。

なんていったってあの人は「チャンピオン」なんだから。


そして四度目、今度はジーッと見た。あっ、やっぱりあの人だ。

谷村新司だ。名曲を連発したあの「アリス」のリーダーだ。


「昴」ではないかいと会社に行ってスタッフにいうと直ぐ前の高層マンションに引っ越して来たとか。立川談志師匠もいたマンションだ。師匠はどこぞへ越して行ったらしい。


想像するに大阪と東京との行ったり来たりがきつくなり谷村新司さんは東京に一室を持ったのだろう。いやもしかしていい女性と、いやそういうやましい事はしない筈だ。


でも趣味はビニ本集めとか言っていたし、アダルト大好き、下ネタ大、大好きといっていたしと思った。確か谷村新司が45歳位の時お正月の新聞のコラムにこんな事を書いていた。

その日のステージに白の上下のタキシードで熱唱をしていた。コンサートも中盤へ、休憩時間にトイレに言って小用をした。そしてステージへ満員のお客さんから拍手の渦マイクに向かったその時、しっかりゆすって切ったはずのおしっこがボソッと漏れてしまった。ヤバイと思ったが局部はおしっこで濡れてしまった。白いタキシードに黒いシミ、仕方なく左手と右手を使い隠しつつ「昴」を歌ったとか。


その日自分が老人になってしまった事をしっかりと自覚したそうだ。

私は「アリス」の大ファン、中でも「チャンピオン」は大好きであった。

立ち上がるな もうこれで充分だ おお神よこのフレーズの部分が自分の人生と重なり合ったからだ。



銀座二丁目で出会う老人はしょんぼりとした丸干しの様だけどステージに上がると別人となる。さすがプロフェッショナルだ。「冬の稲妻」も良かった。「いい日旅立ち」もいい。


バッグの中には何が入っているのだろうか。ビニ本、アダルトビデオ、いや違う違う、きっと名曲を生むためのスケッチノートだろう。いいアイデアがザックの中にザックザック入っている筈だ。


最新のCDアルバムは「今、伝えたい」という。

民族楽器とのコラボレーション新曲「スキタイの歌」はアジアとヨーロッパには境目がない、そんな思いを込めているとか。今度会ったら一杯飲みに行かないかと誘ってみようと思う。


高層マンションの斜め前があの有名な落合務シェフのイタリアンレストラン「ラ・ベットラ」。そこは予約が取れないので「ラ・ベットラ」の前の「銀つね」へ。おばちゃんとクラシックダンス好きの手がガタガタ震えるおじちゃんがやっている地下の飲み屋さん。今頃珍しく赤いウィンナー焼きがあるのが嬉しい。おじさんなんでそんなに震えてるのと聞いたら私が恐いからだとか、ウソーと言った。


最近疲れとストレスからか私も手がかなり震えた。企画イベントをやり遂げたら殆ど震えなくなった。ある夜「銀つね」で若い者と飲んでトイレに行って小用をした。その時私も谷村新司の様になりつつあるのを知った。

2011年7月20日水曜日

「レソワイナ→それはない」



ヤクザ者の世界ではそれはないをレソワイナという。

その夜八時二十五分、外は台風6号の影響で不快指数100%気分であった。

銀座砂場というおそば屋さんに一人で入った。

グラスビールを二杯と天盛りを頼んだ。車海老一本、穴子半身、ししとう二ヶ、椎茸一ヶである。

合計2300円を支払う時随分待たされた。イライラして前に詰まっている50代位の会社員風のオッサンに言った。早くしろと、オッサン達は7人であった。

伝票を見ながら俺はモツ煮と枝豆とビールと冷やしたぬき、俺は板わさと天盛りともり一枚、俺はカツ煮とおでんとざる一枚とか、それぞれ払っていくのである。オバチャン達じゃあるまいしと思った。


若い女の子なら微笑ましい。不良やヤクザ者の世界で絶対有り得ないのが割り勘である。

天と地が引っくり返っても有り得ない。又、自分が誘った店の勘定を人に払わせるとか、自分が飲んだ物、食べた物だけを支払う等という事は太陽が西から昇っても有り得ない。

ヤクザ者は恥をかけない。例え女房を質に入れても、惚れた女を売ってでも支払う金を作らねばならない。


あいつは器量があるとか、あの人は器量人だという事は金の離れが格好いいか悪いかで決まる。当然器量のある人にはいい若い衆が集まる。


汗で毛が頭にへばり付き、残り少なくなった頭からアルコールが蒸し上がっている。

多分二時間以上は居座っていたのだろう。

会社員はいいね、割り勘有りだからなんて事は思わない。

私は割り勘で酒を飲む人生だったらとっくに死んでいるだろう。


「なんでいつも貴方が全部支払うの、一番年下なのに」と一緒になった頃愚妻が言っていたのを思い出した。バカヤロー俺は男だぞ、割り勘で酒が飲めるか、そんな俺の姿を見たいのかと言ったら黙ってしまったが、何格好つけてんのよと言っている風でもあった。オイ、手前バーゲンや丸井の服着てんじゃねぇ、高久か三峰位にしろ。ヤクザ者はなぁ気取りも器量の内なんだよと怒っていたヤクザ者を思い出した。


待たされている4,5分に色々思い出した。ある有名な武闘派の親分がいた。

札幌で自分の若い者が二人殺された。若頭は直ぐに返しをするために親分に金の準備を頼んだ。親分は言った、何であんな小僧たちの為に大事な金を使わないといけねえんだと。その親分はその後若頭以下若い者に引退しないと命をとると言われて引退し堅気になった。ケチでチンケな親分として汚名を残し今もひっそりと預金通帳を抱いて生きているらしい。


命と金、仁義と金、筋と金、恥と金、女と金、全ては割り勘では済まされない。

私はヤクザ者でなく堅気であるが生涯一度も割り勘はなしで生きている。


会社員達7人の合計は21,200円であった。それぞれが払って行った。会社員の一人当たりの一ヶ月のお小遣いは平均38,000円であるという数字を思い出した。それにしても蒸し暑い夜であった。


この頃のヤクザ者はカードを格好良く切るが私はずっと「オント」つまりヨロシクでやっている、いわゆるツケである。初めて入ったところでもここへヨロシクでやっている。

最も安い飲み屋は別だが、何格好つけてんのよと言われても仕方ない。

それしか知らないのだから。


もうすぐ年金暮らしか、どうすんべえかと悩みは深い。


この夜私の大好きな役者「原田芳雄」が死んだ。

骨と皮になって、あの松田優作が兄と慕った誰からにも愛される希な芸能人であった。原田芳雄の家の忘年会は芸能界一の賑わいで有名でありそこに居る佇まいは人徳の生き姿であった。この人にかつてナレーションを頼んだ事がある。私の敬愛する仲畑貴志氏の言葉であった。「ごちゃごちゃした時は、原点に返れ」であった。


男の中の男は原点に帰って行ってしまった。

バックミュージックはトムウェイツのブルースだろうか。

あんな姿で逝くなんてレソワイナだ。

合掌。

「朝は鯉の滝登り」


深夜の国道1号線、お客さんよく暗い車の中で文字が読めますねと運転手さんに言われた。

全然大丈夫だよと応えた。私は週刊文春を読んでいて腹をかかえて笑っていた。

「ハングオーバー」という映画が上映されている。その映画は酒を飲みすぎて泥酔の末にとんでもない事をやらかしてしまう男達の物語だ。


酒好きなら誰でもひとつやふたつの武勇伝が有るはずだ。

週刊文春にその例がのっていたので一部紹介する。


「朝起きると、自宅の犬小屋で犬を枕にして寝ていた」(39・女・自営)

「サークルの飲み会で論争、そこで豚足があるのに豚手が無いのはおかしいと」(24・女・学生)

「目が覚めたら知らないラブホで下着を着けてない。ことを済ませた後だった様だ。ホテルの代金がテーブルの上に置かれており『いい夢見てねー』と置き手紙。どこの誰だか、幾つ位の人か全く記憶にないまま現在に至る」(45・女・パート)

「寝ている幼稚園の子をトイレと間違いおしっこをかけた」(47・男・無職)

「気が付いたら、左半身血だらけで右半身が打撲、どうやら道で車に引かれたようだった。夜中の三時にパトカーで送ってもらった」(43・男・自営)


とまあ紹介したのは実はほんの可愛い一部分。

どちらかというと男はやはり飲んで、暴れて、リバース(吐いて)知らない人にお金をばらまいてというパターンが多く、女性は飲んだらラブホで上司と同僚と部下と同窓生と先輩と、又見知らぬ人と間違いを起こすケースが多い様だ。


ベロベロ、グデングデンに酔ってベッドの中に大・小をおもらしして婚約を破棄された女性も知っている。ダンナの連れ子で19歳と間違いを起こしおなかに赤ちゃんが出来てしまった32歳女性を知っている。酒は涙かため息かというが気狂い水ともいう。

これから暑い暑い犯罪的に暑い夏、体につける衣類もとかく薄く露出も増えがち、「飲んだら脱ぐな、脱ぐなら飲むな」です。


サマータイムの導入が増えて四時頃からもう飲み始めている会社員が沢山います。

この人たちは朝から夕方までは前の日のお酒でほとんど働きの悪い連中です。

焼き鳥二本に冷奴、ウーロンハイにモロキュウとなるとモロに元気が沸いて来て別人の様にイキイキとするのです。


会社の悪口、上司の悪口、会社内の出来ちゃった話、自分の自慢話と毎度同じパターンで時間を進めます、そんな時、すみませんそこの席空いてますかと三人の女性、どうぞどうぞと席を空ける(マッテマシタと心ウキウキ)そして次の朝とんでもない事が起きるのです。恐いですよ気狂い水は、人生の設計図なんかたった一晩で破り捨てられるのです。


「いや〜だあなた誰、誰なの?私何で裸なの?いやだここどこ?何で私の裸が大きな鏡に写っているの?いやだ、なんでベッドがグルグル回るの?いや〜何したの訴えてやる〜」なんて事になるんです、しかしこの場合法律的には同罪なのです。


「うあ〜あなたの背中になんで鯉の滝上りの絵が描いてあるの?何で小指がないの?お願いどうなってるのお母さ〜ん」

この女性がその後どうなったかは想像通りです。

2011年7月14日木曜日

「あなたは何を売る屋」

八百屋さんは野菜を売る。肉屋さんは肉を売る。魚屋さんは魚を売ると決まっている。

ならば永田屋は何を売るかといえば嘘八百と裏切りと寝返りを主に政治を売る。

国民のみんながこんな大変な国難の時に永田屋は何をやっているんだと怒るが、そこがこの国民のおめでたい処だと思う。決して怒り続けない。

何故なら電機メーカーはこんな時でも新商品を生む事を考え、お菓子メーカー、ゲームメーカー、飲料メーカー、食品メーカーも自動車メーカーも然りである。


政治メーカーは政局を作るのである、それが仕事であるからなのだ。

大化の改新以来政治とは権力闘争であり人間と人間の習性のぶつかり合う当然の姿なのである。


スポーツにはルールがありそれを犯せば反則となり、失格となり出場停止などのペナルティがある。

しかし政争にはルールも信義も筋道も仁義もない。

あるのはただ権力と利権の中心に近づく為に手段を選ばない何でも有りの世界なのだ。

ケンカにルールはない、刃物を使おうが拳銃を使おうが丸太を使おうが木刀やチェーンを使おうが勝てばいいのだから。ケンカにキレイも汚いも無い


日本人は政治のリアルな姿、権力闘争という人間の習性をもっと知って貰う必要がある。

様々な会社内でも一年中権力争いをしている。自分達の隣で人間がどんな悲惨な目にあっていても、自分が部長になるか局

長になるかはたまた誰が役員や社長になるかの方が関心が高いのである。

そのために組織の中には永田屋人間もいれば技術屋的人間や営業屋的人間、総務や広報的人間がいる。

誰が創ったかしらないがこの人間という生き物は極めて非情であり無情であり薄情かつ無原則で厄介な生き物なのだ。


永田屋の若ダンナ後藤田正純なる男が六本木のバーで女性の乳を揉みディープキスを重ね、あろう事か議員宿舎に女性を泊めている。本来なら鋭く政治を断罪しなければならない大新聞や大マスコミの中心人物は官邸費による接待漬けで古漬けの漬物の如しとなっている。

真面目に取材し記事にした勇気あるスクープは上層部に握り潰されてしまう。

「やってられねー」とわめいたのは福島原発の吉田さんという骨のある所長だ。


水野真紀さんという女優がいる、古い話だが二度一緒にイタリアにロケに行ったことがある。イタリア人とフレンチキスをするシーンがあったが気持ちよく?引き受けてくれたとてもいい性格のいい女優さんであった。そのダンナが六本木でベタベタしている。


「気持ち悪い、もうやってられない」といっている姿が目に浮かぶ。

美人が本気で怒ると恐い。この世は「やってられね〜」が多いが生き抜くためにやる事はやらねばならないのだ。生きていくためにはそれぞれの分野でそれぞれのやり方で目の前の相手の器量と度量と人間的センスと生き様を見抜く力を持たねばならない。花のお江戸は嘘八百八町だから。

被災地の映像風景にある芥川賞作家が(私はファンです)哲学的、宗教的、教育的、極めて難解な文学的言葉をつけていたが何か虚しくミスマッチだ。所詮は「言の葉」でしかないのだろう。

映像があまりに凄絶過ぎてさすがの大作家のボキャブラリーも追い付いていかない。



ここに一つのおにぎりがある。ずっと仲良い友達、知人、先輩の四人がいる。もう何日も空腹に耐えている。そして遂に一つのおにぎりに対して血みどろの争いが始まる。そこにはルールも何もない。最後には人が人を食う「ヒカリゴケ」の世界それが人の世なのだ。人間は動物だから。

さて誰が生き残るのか。

五味川純平の「人間の条件」と同じ状況なのだ。大岡昇平の「野火」もまた同じだ。

永遠のテーマなのだ「人間と空腹」は。

自分は何を売りにするかをよく考えたくましくないと生き残ってはいけない。


「モテル、モテない」

ある調査、丸の内OL100人に聞く。

結婚相手の理想の職業は、1位,会社員、2位,公務員。

初めてのデートは1,映画館、2公園。

初めてのキスの後に言って欲しい言葉は、1,好きだよ、2,ずっとこのままいたい。

初めてのプレゼントで一番うれしいのは1,指輪、2,カバン。

初めて交合する場所1,彼の部屋、2,海辺のホテル。

初めての食事は1,フレンチ、2,イタリアン。

年収の希望は、400万以上。


初めてデートした時気にして見るところ、1,靴が汚れているか、2,爪を切っているか。

いちばん男の色気を感じるのは「指」だとか。


とまあ何だか面倒な事だ。20代で彼女がいない男が70%以上だというではないか。若いうちに遊んでおかないと人間修行不足で人を使う立場には立てない。また、大きな仕事を成すことは出来ない。



明治維新を行った男達はみんな遊び人であった。坂本龍馬、高杉晋作、伊藤博文、井上馨などは差しずめ四天王だ。男にモテない男はまず女性にはモテない。

女性の母性本能はちょっと不良がいいらしい。私の様なすっごい不良は一部の理性的持ち主か、男に尽くすことが生き甲斐の堕落論的生き方の女性か、私が付いていてあげないとどうしようもないというマリア様的な女性しか近づいてくれない。


信じる者は救われたいと思っている。アーメン、ソーメン、冷ソーメンとオヤジギャグを小さな池の鯉に向かって話しかけている。おい、なんでこの頃の若者は遊ばないんだ。


吉原にお気に入りの女性が出来て会社に出て来ないとか、新宿にゾッコンの女性が出来てサラ金地獄で人質にされているとか、錦糸町に命をかけたい程の女性が出来て博打に手を出しついにイカサマが露見して足腰立たなくなって入院しているとか。20代の内にそんな得難い経験をしてほしい。


現代絵画のカリスマ、故今井俊満は72歳で亡くなるまでに世界数十カ国の女性と関係を持ったという。

常日頃、私は一日の内8時間はSEXをし、8時間絵を描き、8時間は寝たという。

愛し合った女性の数およそ5千人。ドエライ先生だ。


精力絶倫、前人未踏、腰痛撃退、絵なんてものは早く描く事が先生の心情、ピカソもビックリの先生。

フランスの文化勲章をもらってしまった。今も日本の若い女性に抜群の人気を誇っている。



オカネ下さ〜い。絵を買って下さ〜い。おねがいで〜す。先生の息子、アレクサンドル今井画伯の日常挨拶語、あの三国連太郎さんは人と会ったら必ずオカネを貸してくれよといったとか(今は分からない)何しろモテモテであったからオカネが必要だったのだろう。


モテル男は歩くモーテルという位火宅の人である。与謝野鉄幹などは横綱級だ。

そんな亭主を持ちながら十一人の子供を育てその間「君死に給うことなかれ」とか「柔肌の熱き血潮に触れもみで寂しからずや道を説く君」なんていい詞を書きまくった。もの凄い夫婦だ。


若者よ遊ぶ金なら私が一生懸命働いて少しは貸してあげる(出世したら返してね)ドンドン来てくれる事を待つ。


君たちがこれからニッポンをつくるのだ。