二匹の蛙がいて、熱湯に一匹を放り込み、もう一匹は冷水に入れる。
熱湯の蛙はアヂアヂアヂーと慌ててそこから飛び出す。
一方冷水の蛙はこりゃ気持ちいいとそのままじっとしている。
だが、少しずつ水を温めて行くと、カエルは水温の上昇に気づかず命を落とす。
ビジネス界ですでに使われている「ゆで蛙の法則」だ。
いつまでもあると思うな親と金という教えの言葉がある。
今ある仕事はずっとある。今ある会社はずっとある。今ある身分はずっとある。
中・小・零細は勿論、名だたる大企業も、歴史ある会社も伝統ある老舗も命を落として来た。危機意識の欠如と甘えの構造と、つまらないプライドがそうさせる。
人間関係とは、人と人の関係だが、現代社会は人と人の間にインターネット(メール、ツイッター、インスタグラム、フェイスブック、ラインなど)が入ってしまった。
人間と人間はかつてのようにスムーズに結ばれない。
短い文章の中に相手の本心を読み取らねばならない。
水の中にいる蛙は、メールやツイッター、フェイスブックなどに気を取られている間に、気がつくとゆで蛙になってしまうのだ。人間は著しく退化劣化する。
デジタル社会はどこまでも発展して行くだろう。
それは人間の本心から離れて行くことだ。
こんな話がある。
一頭のライオンが眠っていた、そのライオンの足の上に一匹の小さなネズミがのった。
ライオンは気づき殺してしまおうとしたが、ネズミを助けてやった。
ある時猟師たちが来てライオンを麻酔銃で撃って捕まえ縄で縛った。
そこへライオンに殺されずにすんだネズミが来て、ライオンを縛っていた縄をカジッて切ってあげた。ライオンは逃げた。
大きなものに大切なのは小さな友だ、というある国の教えだ。
蛙の話から、ネズミとライオンの話から、学ぶことは多い。
この世の春がいつまでも続くという法則はない。絶対に成功しない法則がある。
金儲けばかり考えている人間ばかりが集まって、金儲けばかりを話し合う。
成功したら取り分の分配でモメ、失敗したら責任のなすり合いで終わる。
新聞、テレビ各社の調査によると、安倍内閣の支持率がついに不支持率に超えられた。
ゆで蛙になって来ているのだ。私たちの業界もゆで蛙である。小さな友よいずこに。