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2017年6月12日月曜日

「時代の申し子たち」

私の目に狂いはなかったことを三人の若者は証明してくれていた。
六月九日(金)午後五時過ぎ私は若者たちの事務所引越し祝いに行った。場所はカタカナ職業が目指す青山である。
そのオフィスの窓から見えるのは青山通り、そして青山学院大学のキャンパスだ。
青山通りから数メートル入ったビルの中にあった。それはかなり年季の入ったビルだが、オフィス内はすべて自分たちの思い通りにつくり変えてあり、グッドデザインであった。
スタッフ七、八人は新しく。床も壁も照明もデスクも椅子も、何もかも新しい。仕事があり過ぎて断っているんだとか。十一月には上の階が空くのでそこも使うという。

中国地方のある県から出て来た若者三人は大学は東京で学んだ。
福井県鯖江といえば日本のメガネの90%をつくるところ。
その鯖江のメガネメーカーに行った時、新商品のプロモーションビデオを見せてもらった。それを見て、誰!これをつくったのはと社長さんに聞いた。
日本人離れした映像センスとデザイン性に驚いた。
東京に帰りすぐに連絡をして会ってもらった。確か四年程前であった。若者たちは未だ会社を設立して間がなく銀行との取り引きを始めたばかりであった。何しろ才能が並外れてあった。
一人で三役以上をこなすマルチな才能を持っていた。未だ三十二・三歳である。君たちは絶対に成功するよと確約した。

それから三年余、若者三人はIT社会の申し子のように、クリエイティブに、イベントに、プロモーションにと活躍の場を広げた。又、人材活用の新しいビジネスモデルを生んで行った。
もう平面だけではクライアントの要望に応えられない。
日々進化するネット社会の媒体を自分たちのアイデアでつくり上げて行った。これからはマルチでないとダメですね。と言った。
若者三人は又営業力に優れている。毎夜酒を飲みつつ人と交流をし人脈をつくり上げたという。
いまどれくらいの年商なのと聞けば、三億円事件を超えはじめているとか。来年には片手にします。(5億円)と自信を持って言った。

金がすべてではないが、つくづく時代の変化を知った。
平面広告の比重は30%位で、70%は自分たちが生んだ媒体からだ。
すばらしい若者たちの感性と時代感覚に敬服した。自信に満ちあふれる若者の前途がさらに洋々たらんことをと思った。時代の変化は速い。気がつくと浦島太郎のように世の中から置いて行かれる。
我々の世界は〝センス〟である。人間的センス、創造力のセンス、営業力を展開して人脈にするセンスだ。一人ひとりが自らをスキルアップすることだ。

アメリカのギャラップ社の調査によると、従業員が会社への熱意を持っているのは、アメリカの32%に比べて日本は139カ国中132位6%であった。ほぼ最下位だ。
グタグタ不満をいう無気力者が24%、やる気がない者が70%であった。
若者たちは実に明るく、楽しそうであった。キラキラとしたプラスオーラが出ていた。
これはどの分野にもいえるはずだ。
向上心のない者は時代から置いてけぼりになる。

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