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2017年6月5日月曜日

「日本列島」




地球儀をグルグル回して見る。世界地図を広げて見る。
そこには200カ国以上の国々がある。
デザインというのを少しばかりかじり始めた時こう思った。
いかなるデザイナーであっても日本列島の形はデザインできないだろうと。
北海道、本州、四国、九州。この内一つでも欠けたら日本列島は成立しない。

絶妙という言葉はこの日本列島であると言ってもいい。
長く伸びた本州に緊張感を持たせるために、能登半島が突き出る。
そしてその先に佐渡島があり更に本州を緊張させる。
日本列島の周辺にはまるでデザイン上のポロック(点々)のように島々が点在する。
新島、伊豆大島、八丈島、小笠原の伊豆諸島。
対馬、道後、淡路島、沖縄、与論、種子島、奄美大島、屋久島。
そして宮古、石垣などの八重山諸島。
日本列島は島々の美の緊張と言ってもいいだろう。

ここにこの形でなければという絶妙にして絶対の配置である。
北海道の国後、歯舞、色丹、択捉の北方四島。最果てにある礼文、利尻。
日本列島の形はデザインの極致である。

金曜午前一時から三時半過ぎまで、日活映画の名作「日本列島」を見た。
日活は実に多くの社会派の映画を作っている。この映画は過去に何度か見ている。
昭和三十年代日本で起きた不可解な数々の事故死、また松川、下山、三鷹事件という謀略的事件、私が長く住んでいた荻窪近くの善福寺川に浮かんだ国際線のスチュワーデス。
育英教会の人間が容疑者として調べられたが、突然本国に帰国して迷宮入りとなった。
すべては米国のスパイ機関の仕業と言われているが、日本国は米国に物が言えない。

戦後七十二年を迎えようとしている現在も、占領されたままなのだ。
麻薬、偽ドル(闇ドル)、武器の売買、人身売買などあらゆるものが、ビルマ、タイ、ベトナム、ラオス、ミャンマーから上海、香港、台湾、中国のあちこちから世界へ回る。
勿論日本は大きな市場だ。

銀座から人形町に向かっていると、さして大きなビルでないところに◯×洋行、◯×商会、◯×交易、◯×研究会、◯×通商などという小さな看板がビルの入り口にある。
一度ある記者とそこいらを通ったら、これらの会社はみんな闇ルートとか、必ずここに金を落とさなければならない仕組みなんだと聞いた。
元上海機関、元陸軍中野学校、元軍人、元憲兵、元満州国関係などが今でも仕切っているのだと言った。
熊井啓脚本・監督に名カメラマン姫田真佐久、日本列島の美しさでない黒い部分を鋭く描いた。見終わってふと思った。

この頃忖度という言葉が流行り言葉となっているが、日本国政府は何から何まで米国に忖度しているのではないかと。
米国から無理難題をこれでもかと押し付けられているのだろう。
金髪を逆立てシャラップと叫び、テーブルをドーンと叩いてディールする。
敗戦国となった時からずっとそれが続いているのだ。

私の好きな日本列島はこの先どうなるのだろうか。怖ろしい事件となって来た。
是非映画「日本列島」をご覧あれ。今の日本がクッキリと見えて来るはずだ。

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