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2010年6月4日金曜日

人間市場 木刀市

深夜一時二十五分、久々に種田山頭火の行乞日記を読んでいると外の公園が何やら騒々しい。部屋の蛍光灯三本の内、一本がイカレてしまって点いたり消えたりしている。

愚妻の部屋は公園に面している。私のまるで物置の様な寝室兼本置き場、絵の下書き部屋兼雑文書きのところに来て何か大変よと言う。

隣近所の犬たちがヒステリックに吠えている。玄関の電灯を点け外に出ると、そこはもう大騒ぎ。一人の女性(四十歳前後)を一人の男(やはり同じ位)が公園に。
既に女性は髪を掴まれ引きずり回され殴る蹴るはで大立ち回り。
トイメンの大京マンションも殆ど灯りが点き、この売女、売女、売女と言いながらバッコンバッコン蹴りを思い切り入れている。

やっと立ち上がろうとすると顔面にパンチ連発、鼻血はブーブー、口は裂けてザクロの様、手前この野郎、人が泥まみれになってガキの為に朝から晩まで働いているのに、昼オケなんかで知り合ったクソジジイとベイホテル(海岸の側)なんかにしけ込みやがって、恥を知れこの売女と言ってフリーキック。それがみぞ打ちにめり込んで女性は悶絶、服はビリビリ、下着は丸出し、ブッ殺してやると言った声は涙声。チクショウ人の事コケにしやがって。
あのジジイはさっきとことんシメテ、ケジメつけたから今頃は徳州会だ。手前はオロク(殺すの意味)にしてやるからな、チョットばかりいい女だなんて言われてその気になりやがってと言って、なんと公園のベンチの上からニードロップ。

そこで私がちょっと止めて来るわと言えば、愚妻が私の体といってもパジャマを離さない。それでも出ようと思うと普段は裸でパジャマを着ているのでお尻丸出し。
止めて絶対止めてと引っ張り続ける。そうこうしている内にパトカーが三台到着、どうしたんだこんな夜中に。ウルセイお巡りはすっこんでろ、夫婦げんかは犬も食わねえだ、黙って見てやがれと言った時、女の目はどす青く腫れて切れ、唇は明太子の様に膨れ上がり、肋骨にはヒビが入り、両足は腫れ上がり、もうリンチと同じ。

やっと愚妻の手から逃れた私がビーチサンダルを履いて、男が酔って女をシメたら終わりだよ恥かくだけだよ、早く徳州会に行って治療させなよと言うと、馬鹿野郎あの病院にはあの野郎がいるんだ。
じゃあ市民病院だ、お巡りさんボーッとして無線ばかりで話してないで早く連れて行かないと内臓破裂かなんかでいっちゃうよ、と言っていたらウワンウワンと救急車。男はワッパを掛けられ茅ヶ崎警察へ。いいか手前みたいな売女は出て来たら必ず殺してやるからな、と捨て台詞。その間ほぼ230分。

オメエどこの誰だと言うからあそこに自転車が4台止まっている家だよ、来るならいつでもおいで、但し俺がいる時だぞ。もし俺以外に手を出したらお前の体を貰うからな。
お前みたいのを女を虐めるヤサ男って言うんだよ。(体が細身だった)
玄関に入ると愚妻が私の愛用の短い木刀を握りしめていました。

それから読み直した種田山頭火の心の清々しい事。その一節をご紹介。

「分け入っても分け入っても青い山」
「飲み過ぎの胃袋が梅雨ちかい空」

ちなみにこの事は事件にならず、男は二日留置されてパイ(釈放)になりました(妻が訴えなかった)。
その後一人の男の子、一人の女の子を妻が連れて青森県八戸へ帰ったそうです。
男は今スカイツリーの鳶職に精を出しているそうです。いつか八戸に迎えに行くと親方に言っているとか。夢は夜ひらくという藤圭子の歌が聞こえて来ました。

その夜何故か枕元に木刀がバスタオルにくるんで置いてありました。
私が本気で怒って暴れ出したらどうなるか愚妻は知っているのです。
キリンの麦焼酎白水をチビチビと飲んでいます。遠くから波の音が聞こえ、犬たちがまだウーウー唸っている。雨がシトシト、昼間見た歌舞伎の余韻が完全に消えました。
海老蔵のお殿様が酒乱の魚屋惣五郎にいいかつつがなく暮らせよと言った言葉だけが耳に残っていました。

2010年6月3日木曜日

人間市場 瀬戸の花嫁市

二十代から三十代中頃まで三菱重工業の漁船用エンジン ダイヤディーゼルの仕事で、北海道の鮭漁から沖縄のサバニ漁まで日本中の漁の取材をした。
当然漁師と共に船に乗り、夜明けから暗くなるまで、土佐のカツオの一本釣りから相生の車子漁、静岡の桜海老漁、富山のホタルイカ、白海老漁、銚子の鰯巻き網漁、知床の蟹漁、その他ホタテ、メキシコの車海老、番外ではニューオーリンズのキャットフィッシュ(ナマズ)漁まで。モロッコの蛸、キーウエストのトローリング(気分はヘミングウエイ)、カナダやアラスカのキングサーモンと至る処に行った。

一人か二人+カメラマン。
漁が終わると漁師達と捕れたての海の幸を肴に取材がてら酒を飲み交わす。このひとときが最高である。農家の人は本音や本性を出さない。何故なら生命がかかっていないから一心同体になれない。漁は一緒に乗る板子一枚、下は死の世界だ。

イカとかマグロの遠洋漁業は半年位帰って来ない。乗っている人間の中には凶状持ちも多い(事件で追われたり訳有りの人たち)。
一度、カメラを向けたら撮るんじゃねえと言って海に捨てられた。
小さな漁船の後尾でカメラマンが用を足していたら揺れて海にジャブン。暫くして戻ったら半死状態。水をゴボゴボ吐き、目から涙を流しながらこんなギャラが安くて恐ろしい仕事は二度とやらないとブータレられた。
毎日可愛いモデルさんや女優さんを撮っているのでまるで船に弱い。二時間半ほど突っ走っていざ網投入。さあ撮ってくれと言ったら、気持ち悪いとひっくり返っていた。高いマストの上から撮影しろと網はしごを登らせようとしたらカナブンみたいに網にしがみついて嫌だ嫌だと言って登らない。仕方ないから私がカメラを持って登り上から撮った。


私は特異体質なのか一度も船酔いをした事がない。
気仙沼で秋刀魚漁を取材した時に大時化になった若い漁師達も上下5,6メートル位船が動くのでほとんどダウン。私は船倉で吉川英治の三国志の文庫本を読んでいた。親方がオイ若いの、船にめっぽう強いね、気に入ったと言われて大揺れの中でコップに酒を注がれた。その時、今日は危ないからオロクになるかもなと言われた。オロクとは死体の事。酒が一気に体中に回った。

小柳ルミ子の瀬戸の花嫁が大ヒットしている頃、瀬戸内海でイカ漁を取材した。
夜の瀬戸にイカ釣りの灯りがなんとも美しい。点々とした灯りの芸術だ。取材がなかった日みんなで宴会ドンチャン騒ぎ。漁師達が今度はオレの島で一杯、次はオレの島で一杯と正に歌の通り島から島へとはしご酒をする。島には小さなスナックバーが一つ、カラオケ等無い時代。ただ大声で歌い笑い語る。この世で最高の酒であった。瀬戸内海では船の酔っ払い運転で漁師が落ちる事もあるという。

漁師は一心同体だから本性を出し、本音を語ってくれる。鳥羽一郎の兄弟船そのもの、八代亜紀の舟唄そのもの、美空ひばりの哀愁出船そのものなのだ。

夫婦船といって夫婦で底曳きをするのに乗った時は感動した。
底曳きは文字通り底を熊手の大親分みたいのでガリガリ引く、網を夫婦で上げる。半分以上はゴミ。後の半分はそれこそ魚類図鑑がいる位いろんな魚や貝やクラゲが入っている。一日に多い時は朝から五度位網を入れる。夫は網係、妻は仕分け。ゴッタの中から一つ一つ丁寧に丁寧に仕分けていく。

驚いた事に朝、港を出てから昼船の上で食事し港に帰るまでひと言も会話をしない。
全て暗黙の世界だ。夫婦長持ちのコツは余計な会話をしない事というが正にそのお手本だ。港に帰ると仲間が迎えに来てくれている。仕分けた入れ物を次々と渡す。そして漁協へ行くとその日の稼ぎを書いた紙切れを渡される。
家に帰ると娘さん二人と息子さんみんなで酒盛りを開始。旨い、何もかも旨い。特に生の車子に本生わさびは最高。渡り蟹は次に最高だった。

今でもこの時の海の味を覚えていると、暫くすると何と奥さんが一杯気げんで瀬戸の花嫁を歌うではないか。子供達はやんややんやお父さんはコップをグイグイ。
これが日本の夫婦なんだと思った。十七歳で嫁に来て姑さんと一緒に二十年近く、そしてその時五十三歳の瀬戸の花嫁だった。

今日寿司屋でいい車子が入ったというので二貫食べた(ツメをつけて)。そして思い出した。夫婦は余計な会話をしてはいけないの格言を。

2010年6月2日水曜日

人間市場 マサイ市


歩いて携帯、走って携帯、座って携帯、目の前にパソコン、寝そべって、横になって、部屋に籠もって、海辺で、山の中で、雪の上で、川下りのカヌーの上で、なんと波乗りサーフィンの上でも。車の中は当然、そしてアフリカのマサイ族も今やみんな携帯を持っているというではないか。ピョンピョン槍を持って跳ねながら着ている服(ポンチョの大型)の中から携帯を出す。牛の市場とのやりとりで価格調整をするのだ。今日はどうだい市場に牛がいっぱいだから今日は止めた方がいいぜ、アイヨ判ったべなんて交信して収入が一段と増えたとか。牛のフンで造った家の中には電気もない、それ故充電は街まで出て行く。一回の充電がニ十円とか。

あのダイヤモンドのシンジケートデビアスはかつて世界市場の八割位は押さえていたが今やその半分位とか。携帯とパソコンが革命的出来事を起こしてしまったのだ。
21世紀が中国を中心としたアジアの時代なら22世紀は間違いなくアフリカ、インド、パキスタンの時代となるであろう。日本とアメリカは中国のバブルが弾けると同時に無理心中となる。

私は北朝鮮はアメリカとロシアと中国が裏で手を組んで潰すと思う。
既にそのシナリオは出来上がっている。今度の韓国の潜水艦による哨戒艦爆破は間違いなくそのシナリオ上にある。金正日が死んだ瞬間に内乱が起きるだろう。

金正日は自分で死んだ後の事を(特に息子達の)頼みに行ったのだろう。
口が軽い日本の政治家には絶対話さない。その頃ロシアはプーチンが大統領に復活している筈だ。北朝鮮は女性に例えると性悪女の典型だ。見栄と虚飾と強欲と独占欲と支配欲の固まりだ。美人大国であるから内乱の後その美人達を各国が取り合いをするだろう。五年後位で世界は信じられない形となって行く。
アメリカの核やロシアの核、インドの核、中国の核、イギリスの核、フランスの核、パキスタンやイランの核なんてマサイ族の弓矢や槍で落とされてしまうだろう。

アフガンのオサマビンラディンなんてとっくの昔に死んでいる。
生きていなければ困まるのはどこかの国か想像すれば判ると思う。これ以上書くと我が身が危ない。世界中に北朝鮮の美人美肌の遺伝子が広がり世界は美人で溢れると思う。金儲けしか考えなくなった類人猿ヒト科人間は絶滅に向かって一直線に進んでいる。


私は坂本龍馬は大好きである。
龍馬は実はスビロヘータに犯されていたという史実がある。顔や体に斑点が浮き出ていた、もし暗殺されていなかったらスピロヘータが脳に移り気狂いとなって死んでいただろう。英雄は長生きしてはならないと歴史は教える。

歴史にもしは厳禁だが坂本龍馬のDNAが生き続けていてくれたらこんな怒りを忘れた国にはならなかったかもしれない。
私はこの頃政治家のみなさんに寺子屋の開設や私塾の開設を勧めている。その一つが形になろうとしている。家の前の公園で遊んでいる子供達の中にきっと未来の龍馬がいて、立派に成長してこの汚れた国を洗濯してくれるだろう。

サラリーマン経営者よ、シェアだ売り上げだなんて志の低い事ばかり言っていないで人材を発掘し、人材に投資して育てなければならない。世界の競争力はかつて二位とか三位。今や二十三位あたりをウロウロしている。人材流出と枯渇が原因だ。このままでは北朝鮮からどっと流れ出す美人美肌を競争で勝ち取る事は出来ない。

「ニッポンオプソネ」だ。訳すと日本何も無い、日本終わりである。私は断固戦い続け人材を見つけ育て続ける。マサイ族に負ける訳にはいかない。だがしかし勝つ決め手が見つからない。弓でも習いに行くか。槍でも買ってくるか。草食系よアフリカに行け、草はいくらでもあるぜよ。

千利休は海産物屋の息子だったし、長次郎はその利休が見つけた瓦職人だった。
これからの時代は人の目利きの時代だ。有名校や良い学校に入れば親が満足する時代は既に時代遅れも良いところだ。才能の時代は自分で切り拓くしかない。どんどん世の中に放り出すべきだ。

2010年6月1日火曜日

人間市場 思い出のゴルフ市


十四歳の秋に女と酒を知ってから五十年。
絶好調の頃は三十年間位、毎月ウン百万・・・(?)は飲んだり食ったり遊んだりしていた。

朝しらじらと明るくなるまで飲む、小さな子供の教育に父親の外泊はマズイのでどんな状況でも茅ヶ崎までタクシーや白タクで帰った。
一日に二カ所でゴルフコンペがあったりすると白タクをキープして返る。
家に着く、3時頃!一時間寝るから中に入ってコタツで寝てろなんてザラだった。

湘南シーサイドカントリーから千葉の鶴舞とか、鶴舞から栃木のジュンクラシックへとか、そこから又、埼玉へ、熱海へ、はたまたハワイへグアムへ、ぐっすり眠るのはシュラフの中や飛行機の中であった。仕事や酒に熱中しながら付き合いのゴルフの両立は死ぬより辛かった。酒をたらふく飲んでゴルフ場に着くともうヨタヨタ、ヘロヘロ、ゲロゲロとなる。しかし社長業は辛い全て笑ってこなさなければならない。

三人は200ヤードからせいぜい250ヤードのドライバー。
私は280ヤードか300ヤード以上は飛ぶ。但し、その後がいけない。ミドルアイアンだめ、ショートアイアン全然だめ、バンカー滅多に出ない。パットはそこそこの様な気がしたがなんとパット第一打がOBになった事がある。

忘れもしない大宮カントリー打ち下ろし383ヤード、パー4、バシッと打ったボールはキャディーの金歯がぶっ飛ぶ程の弾道でグリーンにワンオン、下りの8メート位、オーバーすると急坂転がり過ぎるとOBだと。よしバーディーだと打ったボールはまっしんに当たり一気に穴ぼこオーバー、そのまま転がって次のホールのティグランド近くでOB。
その瞬間私はゴルフと決別しました。

五十肩でトップにクラブが上がらずにシケたパンチショットなんてやってられない。
大体ゴルフは人の失敗をやったやったと喜ばれる。約三十年やったベストスコアが何しろ4244なんだから才能ゼロ、カモネギ、ロスのカメラマンの友人と186ヤードをサンドウエッジで乗せられるかと5000円賭けて見事ワンオン。でも私はボギーで友人はパー。

JASの旭川カントリークラブで砲台グリーンの第二打地点、まだ四人はグリーン上。
残り263ヤード三番ウッドで乗るかとチョコレート賭けてバシーン打ったらピン側5メートルでグリーン上の人間から叱られたと同時に驚きを与えた。
で上がって見ると私はダブルボギー、後の三人はパー二人と、一人ボギー。クラブをへし折りたくなってしまった。


年に二回、私の主催で春と秋40人のコンペをしていた。プロ野球人、芸能人、相撲取り、クラブのママやホステスたち一組に必ず美人を入れる。ホストの私は当然最終組。優勝はバブル絶頂期グアム旅行から箱根の強羅温泉まで、いたれりつくせりの豪華賞品ズラリ。だからどのコンペよりも大人気の一泊付き。

現役のプロ野球選手のドライバーなんて地べたをはってそのまま急上昇して行方不明380ヤード飛んだ奴がいた(フラットで)。芸能人、ホステスたちはファッションで魅了、芝のゴルフ練習場でよく練習しているので球が曲がらない。150ヤード、120ヤード、60ヤード寄せてパーかボギー、白いスカートに花柄のパンツなんか履いてすっかりみんな調子が狂ってしまう。

三十年間でウン千万円は使ったと思う。
何しろ私は人に奢られるのは絶対ダメ、全て自腹を切るので。でも十五年前からプッツリ止めました。道具はニューヨークで買った愛用のトミーアーマーのクラシックタイプ、キャラウェイ、マルマン、本間、大好きだったパワービルト全部人にあげました。さらばゴルフです。

一番屈辱的だったのは軽井沢72で一泊でコンペをやった時、朝起きたら部屋の外に私とあと二人寝ていた事です。何でも二人の鼾が酷くみんなで廊下へ運んだそうです。
私とゴルフについての三十年を書くと間違いなくベストセラーになります。何しろ420ヤード、森超えをワンオンしてトリプルボギーにしたんですから。
富士高原の事でした。人が崖下にボールを落とすと上から出ますかあーなんて見張っている奴、空振りすると、いい音聞こえましたよなんていう奴の多いこと、チキショウ、金でも銀でも銅でもダイヤでも持ってけと行ってサヨナラしたのです。

石川遼はきっと長生きしません。運を既に使い果たしてしまいました。
ジ・エンドになります。ボクシングの大場政夫の様に。(勝運は残しとけと云います。)
私のメンバーコースだった湘南カントリークラブの17番池越え176ヤード、ピンは池の近く4メートル位、友人三人とサンドエッジで乗るかと賭けた。カチンカチンの固いトミーアーマーのサンドエッジでバシッと打った。

見事ピン上3.5メートルにワンオン、後の三人は五番が二人、六番が一人、三人共見事ワンオン。みんな私より遠い。それぞれいいところに寄った。
で私がコツンと打つと球はコロコロ池の中、後から打ち直しなんだよこれと泣きが入っていよいよゴルフとサヨナラだけが人生となりましたのです。

2010年5月31日月曜日

人間市場 鳩市


いささか鳩について知識がある故記す。

少年の頃、長兄次兄から引き継いで伝書鳩を数十羽飼っていた。当時鳩はお金で売り買いするので学校から厳しく買わない様にと言われていた。しかし引き継いだ可愛い鳩達を処分する事は出来ない。黒い純黒、白い純白、茶色い栗ゴマ、それに白い羽根が混じっているのを差しといた。

黒い点々があるのを灰ゴマ、灰色に二本の線が入っているのを二引きと云った。
鳩は可愛い。遠くから放鳩籠に入れて飛ばすとちゃんと帰って来る青森や大島からでも。もっともレースの途中で鷹や鳶に殺られて帰って来ないのが多い。

逃げた女房にゃ未練はないが帰って来ない鳩は悲しいと鳩の先輩が言っていた。
高い柱に赤い旗を立て一日中帰りを待つ、そんな中で帰って来るのがいるとウレシ泣きが入る。沢山エサをやるとダメなので一粒一粒トウモロコシやアワやヒエをやる。水はスポイトで入れてやる。グルップグルップと首を膨らませ喜びを表す。人が二人寝れる程の大きな鳩小屋の中で一緒に過ごす。鳩のフンの臭いはキツイが我慢出来る。

伝書鳩はドイツとベルギーが断トツである。メスならマレーネデートリッヒとエリザベステーラーか、オスならジュラールフリップかウイリアムホールデンの様である。

私は帰ってきた鳩たちを使わなくなった風呂場で癒してやる。
五月二十八日我が国を代表する鳩がみんなにコケにされながらオバマと電話会議するという。それに先立ち全国知事会があった。馬鹿、阿呆はともかく欠席するのは言語道断である。徳川時代なら間違いなく謀反の恐れ有りとお家断絶だろう。

ある有名知事は基本の案がないのにお願いがナンセンスと言った、然りである。
ある知事は私の処は既に基地だらけ、一体どんなストラテジー(戦略)、タクティクス(戦術)、ビジョン(目的)があるのか判らない。この人に国を任せられるのかもまた然りであった。只一人大阪の橋下知事は、私たちは安全のただ乗りをしている、要望があれば対処したい。このひと言で橋下徹は小結から一気に大関に上がった。

一流の伝書鳩は決して電線とか屋根とかに止まらず飛んで来て一気にパタンコに入って来る。土鳩は公園や寺でエサを欲しがり電線に止まり、屋根に止まり、フンを撒き散らし、土に落ちたエサを突っつく。

18人の知事が欠席、これまさしく土鳩である。
一流の鳩は目淵が大きく、嘴が短くとんがり、両足の毛は長く気品に満ちている。あなたの県の知事は土鳩かベルギーかドイツの伝書鳩かを見極めるといい。ちなみに今の私はノンポリ、強いて言えばアナーキストである。ただ一人一人の人物は正確に見極めたいと思っている。

祖父鳩山一郎、父鳩山威一郎、三代に亘って門前の小僧習わぬ経を読んできた。
今の鳩山由紀夫は強かの上にも強かだ。
何しろ謝罪大好き、朝令暮改平気の平佐、言葉の軽さなんてまるで考えていない。君子は豹変するというが、今正に君子になりつつある。アメリカにとって史上最大の難敵という声があるという。日本でそれを知っているのは多分小沢一郎だけかもしれない。

日本人は儒教で育った。謝罪する人間を虐めてはいけないと教えられて来た。いずれ親分というか飼い主のアメリカに向かって足缶にお詫びを入れた伝書鳩が飛び出すだろう。

私の見立てでは誰も勝てない。何故なら追い込み過ぎたらあっさりサヨナラされてしまう。負けるが勝ちが出来たら大政治家。

風水占いに異常に熱心の鳩山幸は間違いなくサゲマンと言える。過日鳩山幸が西太后になって君臨している夢を見た。悪夢だな。

ちなみに伝書鳩はサラブレットと同じいい鳩には正式の血統書が付いている。

2010年5月28日金曜日

人間市場 黒星市

今頃何をスットンキョウな事を言っているのかと思う。

大相撲の親方がある暴力団に便宜を図って維持員席という特別な席を提供して大騒ぎ、大の賭博好きで有名な琴光喜が野球賭博で事情聴取されたとか。もし警察が本気で追い込みをかけたら日本から国技とか言う大相撲は消滅します。

何しろ大相撲界の中で一番の悪が武蔵川と九重親方(元千代の富士)と言われてますから。
はるか昔より興行や日本中の祭り(高市)というものは暴力団や的屋を通さないと杭一本、砂利一個、電気一灯点けられません。
地方に興行に行く場合、大相撲、歌舞伎、ボクシング、コンサート、映画やドラマのロケ何から何まで全て土地の筋に話を付けないと何も出来ません。お祭りの時も良いシャッターチャンスの場所はここは2000円、ここは3000円、あの屋上は5000円とか決められています。一升マスを持って若い衆が一人一人から集金します。

興行を打つ座長や役者、歌手等は毎夜貢ぎ物となるのです。
これは日本国憲法より厳しい掟です。

十両、幕内、三役、大関、横綱、八百長をやっていない相撲取りは一人もいないでしょう。今場所の魁皇と琴欧州の千秋楽の相撲はなんかヒドイ、出来の悪い八百長です。
魁皇に1000勝させておかないとスター不在話題ゼロですから。又、いつ怪我して来場所出られるかどうか判らない。八勝七敗、九勝六敗カド番の常連の魁皇相手に合わせない汚い立ち会いマッタが多い。

ただ出ればいいとは私は思わない。八百長まみれの大関だから(変な人徳があるのかも)、かつて横綱佐田の山は優勝した次の場所にスパッと引退。
栃錦は優勝した次の次の場所にもはやこれまでと引退した。美学があるかどうかだ。朝青龍の時あれだけ大騒ぎさたマスコミも相手が危ういと思って静かなものだ。銀座、赤坂、六本木、博多、名古屋、札幌、ミナミ、北新地、どこへ行っても場所中は親方はじめ相撲取りが男芸者を演っているのだ。又、マスコミという新聞社、テレビ、雑誌社等もズブズブの関係でないといい取材が出来ない。国会議員等は当たり前田のクラッカーである。


普天間の問題がモメている。これを解り易く分析すると、アメリカ ワシントンにアメリカ組の総本部がある、その傘下に50州の枝の組織がある。
日本と韓国は準構成員であり正式な組の総会に出れない。即ちダンベエ(金ヅル)なのだ。政権が変わる総本部に上納金(いろんな法案とか)を持って行く準構成員だから昼飯も出ない安保マフィアと武器マフィアとか麻薬マフィアとかマフィアだらけの群れに放たれた子羊が日本国総理大臣。

少々志を持ってああしたい、こうしたいとか言うと「アホ、バカ、誰と口聞いてんだ。アレとアレとコレとコレをしっかりしろと言われて、じゃあ露、英、仏、中、伊と話があるからな、判ったなふざけた心を起こすんじゃネエ、私もお仲間に入れないですか。」なんて言うと100年早いよなんて言われて二、三時間でハイ帰国となる訳です。暴力団は辺野古の埋め立てのためた砂利、コンクリート、テトラポット、土、残土等の処理、飛行場の工事全てを仕切る。それと安保マフィアとか政治家利権屋達が群がっている。
鳩山総理が勉強すればする程判って来たというのはそういう裏の仕組みが判ったという事なのだ。

世界はユダヤと華僑とマフィアと暴力団が動かしているのである。
えっあの山はあそこが、え、あの山はあそこが、えーここまで、あそこが買い占めているのという状況なのだ。沖縄や徳之島を本気で反対している人は3040%位。後は条件闘争しているのだ。この間の九万人集会(実は一万八千人位)の40%は県外の人。
日当で雇われたと思われる人々もすこぶる多いと現地の人から聞いた。ただ沖縄は特別な県だ。悲惨な歴史を背負って来た。それ故日本中で負担しないとならない地域エゴは認められない。日本人は自分に関係のない事には付和雷同である。
今や一億総軍事評論家となっている。全てのコメンテーター、ニュースキャスターは全くのマッチポンプの視聴率稼ぎである。

ぞうり虫の様で汚いハンチング男やくみつるは暴力団絡みの琴光喜に対してはすこぶる寛容である。杉山邦博や龍虎はブルって出て来ない。
恐くて喋らない(そんな奴なんです)。

高校野球の時、甲子園のスタンド上部はもの凄い数の野球賭博の手配師だらけだ(二千人はいるかも)その事をNHKと朝日新聞が記事にした話は一度も見た事も聞いた事もない。
かつて私の後輩だった何人かが後楽園でダフ屋の元締めや野球賭博の元締めを未だにやっている。客が入らないとこぼしている。彼等にはちゃんと割り当てられた席がある。
競馬然り、競輪然り、競艇然りである。

この地球は遠くから見ると青い地球だが中は真っ黒な星だ。つまり黒星なのだ。

2010年5月27日木曜日

人間市場 川柳市


老婆八人一列に並んでレジに向かう。
あたしゃポテトソーセージグラタンです、ハイ九百八十円です。私は鮭のムニエル、ハイ九百八十円です。ワタスはカニコロッケです、ハイ九百八十円です。あたしゃスパゲッテーカルボナーラ、はい九百八十円です。あたしはえーっと何だっけ。えっーとピザマルゲリータでしょ。そうそのマルゲリーダ、ハイ、マルゲリータですね九百八十円です。私はロールキャベツです、ハイ九百八十円です。わたしや和風ハンバーグ、九百八十円です。わたくしはブイヤベースざんす、ハイ九百八十円です。

これを一人一人レジで支払うのです。財布とかガマ口からお金を出すのに手間取るのです。全て均一のランチメニューなので料金は同じなのです。一万円札で、五千円札で、ジャラジャラ五百円玉+百円玉+十円玉で(五十円玉もあり)、千円札で、ポイントカード押して下さいとか九番目に並んでいた私たちが精算出来る迄、二十八分。いやはや待つ事長し。

昨年までランチは千百円だったのですが、周りがみんな値下げしたのでやむを得ず値下げしたのです。ランチ九百八十円で統一されているのだから食べ終わったらテーブルでそれぞれ九百八十円出し合って誰かが取りまとめてレジに出せば直ぐ支払い済みになるのに、それが出来ないのがこの女性達なのです。

七十代〜八十代の人たち。何となく耳に入って来てしまう話の内容は民謡教室の帰りらしい。どおりでみなさん声が高くて声が通ると思った。いい加減並び疲れたが相手は老婦人達、ジッと我慢をして立ち続けました。

コロッケも少し小さくなったわネ、ハンバーグも少し薄くなったしデザートのアイスは一種類減ったわね、マアこんなご時世だから仕方ないわよネなどとかしましい。
この時私は並びながら最近十年間の川柳の第一位作品を読んでいた。
00年 プロポーズ あの日に帰って 断りたい
01年      ドットコム どこが混むのと 聞く上司
02年      デジカメの エサは何だと 孫に聞く
03年      タバコより 体に悪い 妻のグチ
04年      「課長いる?」 返った答えは いりません
05年      オレオレに 亭主と知りつつ 電話切る
06年      昼食は 妻がセレブで 俺セルフ
07年      脳年齢 年金既に 貰えます
08年      「空気読め!!」 それより部下の 気持ち読め
09年      羞恥心 無くした妻は ポーニョポニョ
こんなのがありました。

「七十歳 オラの村では 青年部」限界集落の人でしょうか。
そうです、老婦人達は青年部なのです。出たものはキレイに食べキレイに飲む。よく喋りよく笑いです。やがて日本は半分位が五十歳以上になるのです。後二十五年位です。

「定年が あったらいいな 主婦業も」なんていうのもありました。「あなただけ 言った妻が あなたどけ」なかなか秀作です。


やっとレジに向かった時、自分も随分と年を食ったなと思いました。若かりし頃ならきっと早くして下さい先を急いでんだよ、オバアチャン達は先を急いでないだろう、悪いけど先に支払いさせてと言っていただろう、そしてこんな反論を受ける。アタシ達だって先を急いでんですよ、もう先がどんどん見えてんですからなんて。
何しろこの頃はオバアチャン達にはとても優しい私なのです。

つい先日オバアチャンはタッチボタンの押し方が判らなく、辻堂から茅ヶ崎まで180円でその切符が買えなくて、スイヤセン倅が180円だと言うのですがややこしく判らないんですよ、宜しくお願いしますと200円渡された。ハイ、オバアチャンこれ20円お釣りだよと言うと何度も頭を下げてきました。自動改札に切符を入れて手を繋いであげて階段降りてホームのベンチに座ってもらいました。
かなり目が悪い感じでオバアチャン電車がホームで止まるまで立って動いたらいけないよ、隣に座っていた若い男にオバアチャン茅ヶ崎まで送ってやってなと言ってそこを離れました。

何か今日は良い事があるかもなと思ったらその日は最悪の日となりました。世の中は甘くはなかったのです。
親孝行したい時には親はなしか。

2010年5月26日水曜日

人間市場 挾土秀平市 その2



飛騨高山に生息する怪物、左官職人のカリスマ挾土秀平氏が遂に東京渋谷にある東急文化村に現れる。

旧作、新作、特別作、これはもうまごう事なき土と水と太陽との合作である。

土の中には無数の生き物の息づかいが生きている。水の中には山の神、石の神、魚の神が宿っている。森羅万象の大交響楽である。


挾土秀平氏は詩人であり、写真家でもある。又優れた建築家でもある。
一度挾土秀平氏と東急文化村のギャラリー前の喫茶店で珈琲を飲んでいた。
挾土氏にこのギャラリーで挾土さんの個展をしたら最高だと思うけどと話した。同席していた東急系の広告代理店の局長さんが「そうねきっと素敵かも」と言った。

その後挾土秀平氏がキリンの「白水」という麦焼酎のイメージキャラクターをしている関係で支援して頂ける事になった。

「土と水陽展」のタイトルは私が付けた。挾土氏がとても気に入ってくれた。
棟方志功の執念と岡本太郎の太陽信仰と土門拳の情念が乗り移ったかの様な芸術作品の数々である。狂気と熱気が細い吊り橋を行ったり来たりする様な世界がそこにある。
碁でいえば天元(北斗七星)に第一打を打ち込む様な宇宙感がそこにある。才能の星が高山の夜空から東急文化村に来たのである。

是非鑑賞して感動して欲しい。





2010年5月25日火曜日

人間市場 薬局市

駅の側に大きな薬局がある。
男の薬剤師二人、女性一人、店員三人だ。
ある日花粉症が酷いのでコンタック600STを買いに行った。
ところが他の何種類ものコンタックはあるが600STはなかった。私は600STが一番効くんだ、他の薬局へ行くよと言うと、サヤエンドウ豆みたいな女性とアサリみたいな顔の男二人の薬剤師がアレやコレやといろいろ説明する。

そのコンタックと600STとはどう違うのと聞くと分厚い本を持ち出して来てアサリ男が何やら説明する。サヤエンドウ女は何種類ものコンタックの裏側を読んでいる。馬鹿バカしい、阿呆らしい。

大ファンの不動裕里選手が二日目首位だったのに六位に終わりムカムカしていた私は、日本ハムファイターズと日本ウインナーファイターズと日本ベーコンファイターズくらいの違いはあんのと言うと二人はキョトンとして言葉を失う。

点鼻薬はどうでしょうと言うからもういいよ、他に行くからと自転車の方に向かう。
ビタミンCは足りてますかと追い打ちするサヤエンドウ、ユンケルを飲むといいかもとアサリ。で私はプッツンと言っても鼻水まみれ、目はしょぼしょぼで迫力は従来の五分の一位。店の前の魚屋さんのオバサンがいいカマス入ってますよと言うから道路を渡ってカマスを見る。いい型ではないか。向かい側にはアサリとサヤエンドウが見つめている。ハックションと二人に向かってした。

ちゃんとプロの仕事をしろよと声を掛けると何をトチ狂ったのか二人で手を振っていた。
そしてサヤエンドウがリポビタンDを持って来て、これどうぞと言うではないか。何だい、こんなの飲んだ事ないよ、ファイト一発って感じじゃないんだから。

広告業界ではあのコマーシャルを「お助け篇」と言うらしい。
あっ、危ない!そこでリポDを飲んででお助けするかららしい。今は、母は山口百恵、父は三浦友和の子が出ているという。昔はもう一種類ただただ無目的に海岸などを走るタイプがあった。これは「やみくも篇」と言ったらしい。あの薬剤師たちもやみくもに薬を勧めているだけだ。

何でサヤエンドウかと言うと服が緑色で体が少しかしいで細い胸の処が少しだけ膨らんで頭のてっぺんの毛が立っていたからだ。
アサリはツルヌルとしおちょぼ口で少し泡を吹いて喋るからだ。

カマス二匹、浅利一袋、赤身の刺身、つぶウニ瓶詰め、いくらと言って魚屋を後にする。ハックションと大きなクシャミが出る。自転車で駅前を走っているとメガネスーパーの店員、タクシーの運転手さんたち、花屋さん、文房具店のおばちゃん、本屋さんの女店員達が手を振ってくれる。

一人私の姿を見て店の中に隠れた親父がいた。ニセブランドを売っている店だ。
一度こっぴどく叱ったからいつも私の姿を見るとサッと店の中に入ってしまう。
そこを通りながら親父ニセものガセものばかり売ってんじゃないよと声を掛けてやる。
その斜め前のスーパーでイチゴとビワを買う。いつも行く鍼とお灸とマッサージの治療院へのお土産だ。

あなた私のトマトをもっと大切に扱って、そんな入れ方したらトマトに傷が付くじゃないとワメク六十歳位のオバサン、バナナやイモやニンジン、ネギ等を買っている。
ここは自分で袋に入れるのが決まりというかルールなのだが、あんたちゃんと一つずつ袋に入れてよ、ちゃんとしなさいよと怒っている。掟破りのオバサンだ。その後に居た私はウルセイババア、早く金払って自分で袋に入れろ、早くどけと怒った。

ババアはアンタなんだい、エラソーな事言うんじゃないよと食って掛かってきた。
ヒッパタイテと思ったが相手はオバサン、私が手伝ってあげっからと言ったら何と全部入れてよと言う。こういうオバサンには先ず勝てない。袋詰めを手伝っている私を見てニセ洋品屋の親父がニタニタしていた。外に出ると亀が顔を隠す様に店の中に入ってしまった。

女店員がホント色々ご迷惑を掛けましたと自転車のところまで来てくれた。
あのババアお店で有名なんじゃないのと聞くと、超有名な方ですと言った。
あのババアは(すいません、つい言ってしまいました)自動車会社の創業者一族の奥さんの妹さんなんですよと言った。
お客としての免許持ってないんじゃないのと私は言った。

2010年5月24日月曜日

人間市場 OUT市

ズタズタ、バラバラ、ポリ袋入れ、投げ捨て、放っぽらかし、金属バットで撲殺、焼き尽くし、等々毎日毎日残忍な殺人事件が起きる。

八百屋お七とか阿部定事件、日本閣殺人事件が起きていた頃はその事件だけでも日本中は大騒ぎだった。今ではちょっとやそっとでは、あっ又かなんてみんな無関心。何が恐いと言って無関心ほど社会にとって恐い事はない。

慈恵医大の医師が看護師さんに手を出し妊娠させ、あろう事か出産時に使う薬を使って流産させた。インタビューに対しても何人も付き合っていたので判らない、何か確かな証拠でもあるんですか、なんてとぼけている。六週目の赤ちゃんは殺されたという事になる。医師は何でも手に入る、又豊富な知識がある、それ故極めて悪質な犯罪であり許し難い。重要事件がまるで解決しない。

過日殺人事件の時効がなくなり良かったと思う。
又迷宮入りの事件(コールドケース)も継続で出来る様に法が改正された。許されざる者は逃さずだが最近の日本の警察の検挙率は低下の一途だ。
中国、韓国、タイ、ベトナム、フィリピンやイラン、イラク、アフガン、ボリビア、コロンビア、ロシア等様々な人種がどんどん日本に入って来ている、事件を起こして直ぐ帰国してしまうともうみんなお蔵入りとなってしまう。

何しろ日本円で五千円か一万円で平気で人を殺す連中が新大久保周辺にゴッソリとたむろしている。危ない地域だ。街に出るとヤクザ者の姿はあまり目立たなくマフィア化してしまい組のバッジも大幹部以外は付ける事が出来ない。下っ端が起こした事件でもトップに責任があると判断されるからだ。

金筋のヤクザは殺してもそれなりの美学があるが、アジア、中東、中南米や堅気が起こす事件は一発で決めないでそこまでやるかという殺し方である。いきなり小学校の生徒を刺すという通り魔が引きこもりの女であったりすると孫達の命が心配である。教師は生徒に手を出してHな事をし、その上で命にまで手を出す。

日本人の精神が完全に痛んで来てしまっている。
昔は人の噂も七十五日と言ったが今や人の噂も七十五時間である。自分たちの生活のために目一杯となっているのだ。例え、目の前に息も絶え絶えの人が倒れていても手を差し出してあげる人は少ない。言葉を交わさない隣人同士も不気味なものだ。突然子供の声がうるせいよとか、犬がうるさいとか言ってギャーギャー騒ぐ浪人生達、人の家の玄関の前で子供を遊ばせるなというリタイヤした怒るオジサン達。

国中、街中、町中、村中がイライラ、ギスギスしている。日本人は優しい民であったはずなのだが心身が荒廃してしまった。
キレるかグレるブータレる人々、閉じこもる若者達、子供達、どうしていいか判らない大人たち、父親たち母親たち教師たち信じるべきものを失うと人は宗教に走ってしまう。この宗教が又恐い恐い世界となり人間を洗脳してしまう。

村上春樹は184でその一部分を書いていたがまるで取材不足、単なる風俗小説でしかなかった。1,2,3で何を書きたかったのか、その主題が全く判らなかった。文章が冗長であり心に染みる言葉は一行も無かった。物語のラストは出来の悪い恋愛小説であった。読んだ自分が悪かったと猛省した。

きっと作者は大恋愛を経験してなく、暴力の経験もない人であったのだろうと思う。
この頃の事件の特長は女性が事件に積極的に参加しているという事だ。特に恐妻は文字通り恐い。
結婚式ならぬ離婚式が行われているという、新郎新婦でなく旧郎旧婦が指輪を外しハンマーで結婚指輪を壊すという。出席者からは拍手の渦、フラワーシャワーとなる。

しかしいずれ殺し合うよりはいいのかもしれない。
世のご主人達、奥方が包丁を持って料理している最中に、ああだこうだ、あれはどうしたこれはこうしたかなんてグダグダ言わない事だ。
出来上がった料理は旨い、旨いと誉めまくる事だ。そうしないと自分が料理されてブツ切りにされポリ袋に入れ生ゴミとして捨てられる。
OUT」とい小説は主婦達がこんな事をする本だった。文字通り結婚は人生の墓場となるのである。