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2011年2月7日月曜日

湘南の嵐便り 「カツ丼と天丼」


一冊の本を読んだ。昨年テレビ東京で「モリノアサガオ」という久々に見応えのあるドラマを見た。
死刑囚達の死を待つ日々と若い刑務官との交流だ。詳しくは是非マンガでも見てほしい。

この本はかなりお薦めです

我々もいつ殺人を犯し死刑囚となる可能性は十分にある。
又、冤罪という地獄の世界で首を吊られる事もある。今まできっと何人かが冤罪で殺され、何人かは冤罪を勝ち取り無罪放免となった。冤罪になった人間は大なり小なり事件を起こしている場合が多い。
それ故真っ先に目を付けられるのだ。どんな小さな交通事件でも一度指紋を採られるとヤバイのです。

指紋イメージです

ただ過去は過去でありでっち上げて死を与えるのは残酷の極みだろう。
読んだ本はある一人の刑事の死の直前の取り調べの現況だ。人間の取り調べの限界は十日が目途だという。十日間寝かせず食べさせず徹底的に同じ言葉を言い続けると人間は実は自分は本当に刑事さんの言っている通り犯罪を犯したのではと思いだすらしい。
平塚八兵衛の刑事一代より
そこにしっかり食べて、ゆっくり寝て、楽になれ、もし自分がやってないなら公判で無罪を主張すればいいんだ。今日は美味い物をご馳走してやる。この時一番効果があるのが「カツ丼」か「天丼」であるという。ラーメンライスやギョーザとタンメン、親子丼を頼む者は少ないという。

「鰻重」も人気があるが「カツ丼」と「天丼」の比較にはならない。刑事はラーメンかざる蕎麦が定番という。人間「カツ丼」を食べると元気が出て「天丼」の車海老を食べるとあー、もうどうでもいいやという位になるらしい。カレーライスやスパゲッティナポリタン等は論外である。

カツ丼
大概の犯罪人や冤罪の人も「カツ丼」と「天丼」には涙を流すという。眠い、ダルイ、頭ゴチャゴチャ、一生シャバに出れないかもしれない。十年、十五年、無期刑かも分からない。
又一人で何人もケジメをつけた金筋のヤクザも、弱い者を騙し続け銀座三昧をした詐欺師も「カツ丼」と「天丼」の前ではひれ伏し、「私がやりました」と言うらしい。

しかし公判では私はやってませんという事になる。
物的証拠が無い限り現代の刑事訴訟法では疑わしきは罪せずだ。

確定死刑囚はおよその物は差し入れられる。ただし「カツ丼」と「天丼」は許されない様だ。
その一冊を読んで以来未だ「カツ丼」と「天丼」を食べていない。

やはり天丼が大好きです
私の大好物だ。「玉丼」「親子丼」「いくらうに丼」「鉄火丼」等はほとんど食べない。
ある人間が久々に出所した。まずは美味しい「カツ丼」をご馳走する。
カツライスでは駄目なのだ。勿論天ぷら定食も駄目、「天丼」だ。

1 件のコメント:

こし さんのコメント...

”モリノアサガオ”見つけたらぜひとも買ってみようと思います。

天丼もカツ丼もあんまり好きじゃないけど・・・そういう時には私も食べたくなるものなのかな。