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2012年5月24日木曜日

「別離」




523日(水)午前十時三十分、予告編が終わりお目当てのイラン映画「別離」を観る。
東急文化村6Fル・シネマ、先日行った時は満員で入れなかった。

アカデミー外国語映画賞の作品だ。
映画作りで製作と監督を一人で行って成功した例は少い。
更に脚本となると更に少ない。クリント・イーストウッドはその代表的な人だがハリウッドは基本的にシナリオは別だ。

製作とはプロデューサー資金集めから広告宣伝まで全てを取り仕切る。
つまり一銭たりとも無駄な資金は使わない工夫をする。一方監督はどんな事をしてもいい作品にしようとする。車でいえば目的地に向かうのは同じだがブレーキとアクセルの様な関係だ。

それ故プロデューサーと監督はモメにモメる。
シナリオはドライバーと同じで腕が良くないと絶対にいい映画は生まれない。

アスガー・ファルハディ1972年生まれ、天は二物も三物も与えた。
二時間超えの作品は、始めから終わりまで言葉と言葉の全面対決だ。
その量の凄い事。その映像、その演出、その演技、もう一瞬たりとも言葉を逃す事ができない。無駄な言葉が一つもないのだから。

映画の主題は極めてシンプルだ。神の前で嘘はつけるか。
11歳の少女の求める真実に嘘はないかだ。

ヤクザな人生、ハッタリとホラと一夜漬け、嘘八百を生業とした身には深刻なテーマだった。近頃世の中から真実が消えてしまった。

いずれDVDが出るはずだ。ぜひ一人でも多くの人に観て欲しい映画だ。
過去の駄目な自分から「別離」しないといけないとつくづく感じさせられた。
何!ウソ、出来る訳ないだと?無礼な本当にそう思っているのだ。

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