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2013年10月18日金曜日

「雑巾がけ」


蒲田行進曲




女性が下着になる映画は数多くあるが、この映画がベストワンだと私は思っている。

ある人気役者がいる。人気役者には大部屋の役者が子分の様にいつもへばりついている。少し落ち目の人気役者、女につれなくなって行く。

子分たちは人気役者を励ますが気落ちは治まらない。
ライバルの役者が気になる。撮影所を二分する勢力が火花を散らす。

ある日人気役者は子分にこの女はお前にやると言って押し付ける。
女も人気女優、子分はずっと憧れていた雲の上の女優だ。
悲しみにくれる女はある日人気役者の部屋に行く。別れの覚悟を持って。

部屋は散らばり放題になっていた。
女は掃除を始める。そして床や廊下を雑巾がけする。
女はそれをしやすい様に黒い下着だけになる。必死で雑巾がけをする。
カメラはその姿を追う。

看板女優であった「松坂慶子」がここまでOKを出したかというアングルを許す。
カメラはカットをせず長回しだ。雑巾がけを終え、汗まみれになった松坂慶子はシャワー室に入る。

こんな女が男にとって最高なんだが。

その頃当代一の人気女優があのシーンを許したのは監督の「深作欣二」と愛人関係であったからだという。いかなる大女優も自分が愛している監督のためならその身をカメラの前に捧げるのだろう。
大島渚と小山朋子、岡田茉莉子と吉田喜重、篠田正浩と岩下志麻。
監督と女優は戦友同士として名作を生み続けた。

映画の題名は「蒲田行進曲」人気役者の「銀ちゃん」には「風間杜夫」、子分の「安」には「平田満」。何度でも見たい、格別にいい女の映画だ。

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