ページ

2020年3月26日木曜日

第41話「私は出張」

私は「出張」である。仕事で東京を離れていた。仕事の内容はこれから仕上げるため、書くことはできない。新幹線はガランガランであった。私出張がいままで経験したことがないほど空いていた。フツーなら夜はスタッフみんなで食事をするのだが、コロナウイルスが拡散しているので、夜仕事仲間のプロデューサーと、新幹線へ乗って帰路についた。私出張は夜遅く帰宅してニュースを見ながら、たまっていた新聞を読んだ。午前二時半頃までかかった。私出張は思った。この国は●人の命ファーストか(アスリート含む)●世界大運動会ファーストか ●リーマンショック以来の不況対策ファーストか ●世界と協力して新型コロナウイルス開発ファーストか ●世界大運動会利権ファーストか ●クーベルタンが提唱した真のオリンピック憲章ファーストか ●大企業優先か中小企業優先ファーストか ●安倍政権維持ファーストか ●東京都知事選挙ファーストか ●株価大暴落、円安対策ファーストか ●小・中・高校授業開始ファーストか。等々いろいろであった。で、私出張はもし世界人類の人命ファーストか、世界大運動会ファーストか。(商業化になりすぎて、本来のアマチュアイズムでなくなった)世界規模の大不況対策ファーストかの三つに絞った。テレビ、新聞マスコミは殆どオリンピック延期一色である。バカ者、マヌケ顔、ヒマ顔がいつもの如く揃って、アーダ、コーダ、ソーダと大騒ぎ。もううんざりで大運動会延期は私出張の中では中止にした。報道ステーションの後藤謙次氏のみが鋭く分析していた。私出張は日本国という世界で唯一の被爆国、いまだに主権米国で独立国ではない、数奇な運命の国の将来に暗雲を見た。この国は世界史にも類のない終り方をするだろうと。一日でも早く嘘八百から脱しないと、天は怒りの刃を向けて日本列島を切り壊すだろう。2月13日夜マグネチュード7.2の地震が北方領土択捉島沖で起きていた。そのことが3月24日の新聞に載っていた。震源が深く津波は起きなかったが、日本列島のアチコチでマグネチュード8.8クラスの大地震が、30年以内に起きる可能性が「7~40%」あるという。日本列島は原発列島でもある。私出張は日本全国に行ったが、つくづく恐ろしい国だと思った。“嘘をついたら針千本飲まされる”と、幼い頃オトナからオドされた。私出張は反省しきりである。福島の汚染水は完全にアンダーコントロールしているという、大嘘から始まった世界大運動会は、ハナから天にツバしていた。一日たりとも防災を忘れてはいけない。私出張は、森友学園問題で自ら命を絶った、役人さんの遺書を読んで、再びこの国はすでに法治国家ではなくなったと思った。救国の星の登場が待たれる。私出張はこの人ファーストと思う人の死を悼んだ。からだの不自由な子どもたちの養護施設「ねむの木学園」の設立者にして、子どもたちのやさしい親であり、やさしい先生だった。「宮城まり子」さんだ。九十三歳であった。文壇でいちばん女性にモテたといわれる故吉行淳之介さんが生涯愛した女性である。小さな体、クリクリした目、宮城まり子さんは、歌手であり女優であった。「やさしくね、やさしくね、やさしいことは強いことよ」といって、子どもたちの側にいた。こんな人が必要な人なのだ。バカ者、アホ者、ヒマ者よといいたい。♪~「紅い夕陽が ガードを染めて ビルの向うに 沈んだら 街にゃネオンの 花が咲く 俺ら貧しい 靴みがき ああ 夜になっても 帰れない 「ネ 小父さん みがかせておくれよ ホラ まだ これっぽちさ てんで しけてんだ エ お父さん? 死んじゃった……お母さん 病気なんだ」私出張は少年の頃この「ガード下の靴みがき」を聞いて涙した。宮城まり子が歌った、大ヒット曲だった。♪~「なんでこの世の 幸福(しあわせ)は ああ みんなそっぽを 向くんだろ」でこの曲は終る。生涯を弱者に尽くした。その死を悼むテレビは一局もなかった。バカヤローなマスコミだった。私出張はきっと時間をつくりお墓に参る。“人の命ファースト”なのだと、深く思った。 




0 件のコメント: