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2015年1月19日月曜日

「一月十八日の寒川さん」




お上品な奥様も、美しいお嬢さんも、細いオバサンも、太ったオジサンも、ヤンキーなカップルも、ガテン系な家族も、背広にビシッと身を整えた会社員たちも、社長も、専務も、当然部長も係長も、みんな、みんな一心不乱です。

一月十八日(日)午後二時頃、相模国一之宮寒川神社は明日の安全を願い、そして食べまくる人種の満員電車。ズラリと並んだ屋台にギッシリと詰まっていた。

ヤキトリを食べる奥様はまったく気取りなし。
リンゴ飴をなめる社長風はかわいい。
名物寒川ラーメンに並ぶヤンキーたちは実に行儀がいい。
綿あめに顔をうずめるオジサンは何故か仮面ライダーのお面を頭に載せている。
ゴッツイガテン系の集団は輪投げや射的に夢中だ。

この日は朝から暖かかったので息子夫婦と三人の孫、愚妻を連れて来た。
お参りするというよりは縁日に来るという感じだ。
私は御守は特に持たないことにしてもう何年にもなるが、やはり子どもたち孫たちのために「八方除」や「交通安全」「健康御守」やらを買い求める。
親愛なる兄弟分の愛娘さんの大学合格を願って「合格守」を、また会社の「招福熊手」や銀座オルハショップの「招福熊手」も。
気がつけば袋の中は御守でいっぱいとなった。

いつもなら日本酒を一杯といくところだが今年はお酒はなし。
千円札一枚を大きな箱に投げ入れてそれぞれの安全なる一年をヨロシク!とお願いした。私は500円の寒川ラーメンだけを食した(これが実は絶品なのだ)。
オジサンは今年も元気に頑張っていてくれた。孫たちにナルトを二つ多く入れてくれた。

隣にはやはりいつもの兄さんがピカチュウカステラを黙々とつくっていた。
小袋500円、大袋1000円が次々と売れていく。屋台は何でも旨い!のだ。
ラーメンをすする私の前にブットイオバサンがフランクフルトをずらりと焼きながら、短くなった煙草を喫い大きな二つの鼻の穴から白い煙を放っていた。

湘南に住んで37年、毎年一月に参っている。
屋台の種類も毎年何かしら変わっていく。的屋(テキヤ)のオジサン、オバサン、お兄さんもふと気がつけば変わっていく。寒川ラーメンは数年変わっていない。
オジサンは500円ではもうやってられないから一月と二月中だけとか。
使い捨てのカメラで写真を撮ったらいい顔で応えてくれた。

ヤキトリを食べていたお上品な奥様は今度は“焼き肉のせ焼きそば”をご主人も子どもも無視して一心不乱に食べていました。これで「フーテンの寅さん」が出ていればもっと良かったのになあと思った。皆々様の今年一年の無病息災を心より念じております。

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