一説によると日本海海戦で日本海軍がバルチック艦隊に勝利したのは船の整備にあったという。日本海軍は軍艦を徹底的に洗い清め、舟底に付くあらゆる異物を取り除いた。
一方バルチック艦隊は長い旅をして来たので舟底にはビッシリ貝殻などの異物がへばりついていた。また船の整備も日本の軍艦に比べようもないほど劣っていた。
これにより軍艦のスピードが全く違った。バルチック艦隊は国交を交わしてない国に寄港ができなかった。疲れきって日本海に現れたのだ。
日本海軍の有能な参謀たちはそれを読み切って待ち構えた。
で、何がいいたいかというと、人間も同じで一年中働き続けていると、身と心にビッシリと異物がへばりつくのだ。疲労とストレスという何千、何百種の貝殻が。
そこで12月31日で一度寄港し下船して、へばりついたものをお正月で取り除くのだ。
1月7日七草粥に小さなおもちを4個入れて食した。
寄港は終りまた一年間の旅路に出港する。私という船は夢をエンジンにして荒波に立ち向かって行く。ケ・セラ・セラの心境だ。レット・イット・ビーだ。
新しいブランドを立ち上げるために全力投球していたので昨年は映画館に全く行けなかった。12月30日こりゃマズイと丸の内ピカデリーの最終回で「ゴーン・ガール」を見た。デビット・フィンチャー監督2時間半、つくづく女性の恐ろしさを味わった。
私の場合体中に付いた異物を取り除くのには映画を観るのが一番の方法だ。
そこで正月休みの一日を全て映画を観ることにした(レンタルDVD)朝から朝までだ。
①「ウィズ・ネイルと僕」ビートルズのジョージ・ハリスンがプロデュースに参加した英国の伝説的映画。何度観ても文学的で最高作。
②「スティーブ・ジョブズ」役者が役不足、通俗的で全然つまらなかった。
③「西鶴一代女」溝口健二監督、何十回観ても女性の運命は哀しい。
④「パークランド」ケネディ暗殺後の4日間を描くのだがイマイチだった。オリバー・ストーンのドキュメントにはかなわない。
⑤「ウルフ・オブ・ストリート」マーティン・スコセッシ監督とディカプリオの株屋の金儲け話、ナゲエ、ツマンネエ、二時間半、ファックユーを連発、薬、酒、セックス(会社の中でもやり放題)ゲイ、そしてまたファックユーの連発。最低の作品。
⑥「渇き」中島哲也監督、役所広司主演、ひたすら目茶苦茶であった。やはりクスリ、セックス、暴力、高校生たちと大人の血だらけの関係にうんざりの作品。
⑦「OLDBOY」、韓国映画「オールド・ボーイ」のリメイク、韓国の作品とは比較にならずダメ作品。
⑧「熱波」ポルトガル映画、ミゲル・ゴメス監督作品。モノクロームの映像、アフリカの大地、男と女、植民地解放。哲学的、文学的、民族的、宗教的、音楽的、超難解の作品だった。いつかじっくりもう一度観る、何しろ分からない。ただ一つ主役とおぼしき女性のヌードがやたらに美しかった(無修正)
これだけ見た後にいつものグラスで飲んだハイボールが抜群にうまかった。
体にへばり付いた異物がかなり取り除けた。
オット、いちばん面白かったのを忘れていた。
⑨「超高速!参勤交代」本木克英監督、とにかく眠気が飛んでしまうドタバタコメディだ。この監督は凄い才能の持ち主だ。シネマで死ねば本望だ。
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