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2015年12月14日月曜日

「オムツとオツム」



尾崎士郎の名作「人生劇場」に“合点の竜”という男が出て来る。
何事にもよし合点だ!へい合点です。分かった合点だ!という。
まあおっちょこちょいの、お調子者というのである。
きっと尾崎士郎の育った地にそのモデルがいたのだろう。

すったもんだの末に、軽減税率が食料品と加工品にとなったようだ。
これを合点だ!という訳にはいかない。
少子高齢化社会、一人でも多く子を生んでと目標値を上げ、老人を大切に、老人に手厚い介護を、保育士さんや介護士によりよい報酬をというが、やっている政治はその真逆だ。

例えばミルクに、オムツに、哺乳瓶に、何故税金を等しく課すのか。
老人の頼りとする杖や車椅子や手押し車に、何故等しく税金を課すのか。
保育士さんや介護士さんの給料は何故平均給与より10万以上も安いのか。

食料は倹約すればいい、米・麦・アワ・ヒエのご飯と、一汁一菜のおかずさえあれば生きて行ける。仏門で修行する雲水はそれで心身を清浄させ鍛える。
だが赤子や幼子、自分では歩行できない人々、自分では食事もできない人々、不幸にして障がいを持つ人々、そんな弱者が生活するのに必要な物に軽減はない。

結婚できない、食べれない、やって行けない。
子が産めない、育てられない、やって行けない。
水も飲めない、おかゆも口に入れられない、トイレには勿論行けない。
もったいないからとオムツもその度ごとに替えてもらえない。
人間としての尊厳を守れない。

食料、加工品以外には基本的に10%の税金が課される。
合点だ!とは酒に酔ってでもいえない。不公平税制の極みだ。
“オツム”が国家百年の計に向いてない者共に、一枚の“オムツ”の話はわからないのだろう。

私が中学三年の時に、生活指導の先生からお前は将来何になりたいのかと聞かれたことがある。私は“三州吉良の仁吉”のようになりたいといった。
男の教師はポカンとして誰だそれはといった。
尾崎士郎の人生劇場に出てくる“侠客”だといった。
何!侠客?バカかお前はといって、後日母親を学校に呼び出した。
侠客をヤクザと思っているからだ。
お母さん××君は将来ヤクザになりたいといっています、内申書が書けません。
母親は腹を抱えて大笑いした。

正しい政道とは、侠客道と同じである。
弱い者を助け、強い者を戒めなければならない。
安倍晋三総理総裁の威を借りて何から何まで強権を発する官邸と、谷垣幹事長、麻生財務大臣、岩田外務大臣、古賀誠一派、中間リベラル派との間に決定的な溝が生じた。
やがて党を二分する戦いの火種となった。
自民党内はすでに壊れている。やってらんねえ、あのヤロー三年後を見てろよ、と。

財務省は金融庁、国税庁を従えている。
それ故財務省(旧大蔵省)を敵に回して勝った者はいない。
政権内に金融がらみのスキャンダルが続発するだろう。
虎の威を借りて歴史に名声を残したのは一人もいない。
悪名と共に歴史の彼方に消えて行く。
645年大化の改新以来、その歴史は続いている。
“オムツ”に愛を、オムツを無税に。

人生劇場は♪〜義理がすたればこの世は闇だ、と歌になった。
現代劇場は、オムツがすたればこの世は闇なのだ。

私のお世話になっている代理店の社長が、画期的なオムツを開発し、販売を始めた。
老人用のオムツ、その名も「ポイレット」。介護を助ける愛の商品だ。
一枚、二枚と着実に売上を伸ばしている。
老人介護のあるところに「ポイレット」有りとなるだろう。
実にオツムのやさしい人なのだ。

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