産業広告ではない。「三行広告」という。
長い間の習慣で新聞広告は隅々まで目を通す。
特に三行広告という駅の伝言板みたいな広告文に時代の在り様が見える。
かなり勉強になる。一文字も無駄なく情報を伝える。
書き手はそれぞれ名手、達人である。その一部を紹介する。
▶すぐ歌える、歌えるだけで友好も広がるカラオケピアノで即上達(カラオケ教室の広告)
▶憧れの青山に納骨堂〜個別納骨で、ゆっくりとお参りできる穏やかな雰囲気〜(あるお寺の広告)
▶中高年懇親会太陽の会/◯月×日13時半〜新宿にて☆男性7千円、女性6千円(ブライダルパーティーの広告)
▶段畑みかん南柑20号家庭用10kg二千五百円贈答用5kg二千二百円10kg三千八百円(送税込)(愛媛県のある町の広告)
▶熱狂カラオケダンスの会男性3900円女性2500円のみ◯日/◯日11時30分〜(ある倶楽部の広告)
▶今昔きもの帯・茶道具・骨董贈答品買入◎遺品整理のお手伝創業60年(ある店の広告)▶医療品高価買取・(土)も営業秘密厳守・◯×薬品(ある薬店?の広告)
▶【結婚】来店不要の自宅で簡単入会●ご成婚まで全力サポート●毎月3名様迄ご紹介入会金31500円(あるところの広告)。
何やら怪しく、何やら切なく、何やらサスペンス。
推理小説のネタはここにある。
少ない情報を大文字、中文字、小文字を使って三行広告化する。
一流の新聞に載っているのだから、それなりの審査をしているだろう。
広告を出す以上その効果があるのだろう。内緒の話はあのねのねという。
人にはそれぞれあのねのねがある。事件の裏にはそれがある。
えっ、あの人なんであんなビルに入ったの、えっ、信じられない、まさか…だなんて。バカな私は乏しい想像力を頼りに、決して形にはならない短編映画のシナリオを書くのだ(制作資金がない)。この時間が一番楽しい。
アメリカでまた、また、また乱射事件。
一日に18万丁の銃が売れたとか。オ
バマ大統領は壊れたレコードのように、ジャスティス、ジャスティスを連発する。アメリカは戦争こそが正義と思っている国だ。気がつけばロシアのプーチンが世界の主役を演じ始めている。銃弾にも使用期限がある。米、仏、露、英(近々開始)は在庫一掃セールの機会とばかりに空爆をバカバカ始めた。実践練習も兼ねる。
テロリストたちに銃弾を供給しているのが誰かは、インターネットを使っている人なら分かるはずだ。大紙面の産業広告を出しているところだから。
敵も味方も民間人も区別なく、戦争に投資する会社のために空爆は続く。
昨日早朝お世話になっているタクシー会社の運転手さんが急死したと電話が入った。
独身でとても親孝行な人だった。年老いた母親を守っていた。
まだ五十九歳のはずだ。親友を亡くしたように悲しい。
明番中に心臓発作を起こしたようであった。
その夜、お通夜と告別式を知らせるFAXが入った。温度差が激しいので。
血圧が高い人はこの季節気をつけねばならない。
一週間ほど前に乗った時、背中と肩がパンパンになるんですよと言っていたのを思い出した。
時計を見ると午前一時三十五分二十八秒、遠くから強風に乗って潮騒の音が聞こえて来る。すすり泣いている老婆の声のようである。
母親のために未だ頑張らねばと言っていた。さらば友よ、冬の流れ星よ。
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