「悪い奴ほどよく眠る」黒澤明監督の名作を思い出す。
この夫婦も悪い奴に変わりはないが、巨悪たちはふんわりとしたいい布団の上にクッションのよく効いたベッドの上で眠っている。
納豆で腹ごしらえをし、ソーメンをずるずるとコーヒーを飲むマグカップに麺汁を入れてすすった籠池理事長夫婦は、追起訴、追起訴でかれこれ一ヶ月以上勾留中。
黙秘を続けているという。
門前逮捕という言葉がある。
黙秘を続け、このヤローと思った容疑者に警察が使う手である。
21日目で勾留中に調べの方がつかない、で釈放した瞬間に新たな容疑で勾留する。例えば家にやっとこさ帰ったその門前で逮捕する。
そんなところからついたらしい。
これを繰り返すとたいがいの悪もマイッタとなる。
巨悪はたくさんの小悪の積み重ねたブロックの上の上にいるので、下のブロックが一つひとつ外されている内に、時は経ち逃げ切ってしまう。
小悪の中には、高級官僚、中、小役人、詐欺師、詐話師、地面師、暴力団、ギャング、相場師、大手ゼネコン、中小建築業、時にはヤメ検弁護士など様々な人間がいる。
この中の誰かが事件の当事者に指名されて罪を背負い込む。
いもずる式に小悪が列を成して捕まって行く。
警察用語では「列」と言う、共犯者のことである。
籠池事件(森友事件)はきっとこの列が長いはずだ。
NHKに岩田明子氏という安倍晋三総理お気に入りの記者がいる。
海外に行く時はすべてと言っていい位に同行している。
NHK内では総理大臣お気に入りの記者(確か解説委員)なのでホットなニュース元であるから一目も二目も置かれている。
今月の文藝春秋に8ページを使って安倍総理「驕りの証明」を書いた。
つまり心変わりをした訳だ。
まるでいもずる式に事細かに支持率が下落した理由を書いてある。
権力とは「列」である。
この列を乱す者が出始めると、列は崩れて、強かったはずの太い列は弱くなる。NHKの岩田明子氏に何があったか、そのキーポイントは籠池事件(森友事件)でなかったのかと私は思う。
列を乱した張本人が安倍昭恵総理夫人だからだ。女の戦いは苛烈であり、妥協がない。ソーメンが美味しかった季節は終り、夜には鈴虫がないている。
籠池夫妻に再びソーメンの季節が来るだろうか。
小悪人の末路はいつの世も哀れを極める。
又、門前逮捕となるだろう。
完落ちするまでそれは続く。
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