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2020年5月22日金曜日

第66話「私は解除」

私は「解除」である。私解除を国民全体が求めている。私解除は昨日やんごとなきことがあり東京へ出た。午後三時頃に新橋へ着いた。列車の中はガラガラであったが、新橋はもっとガラガラであった。運動不足気味だったので、知人と待ち合わせをしている溜池方面に歩いて行った。やけに寒かった。この時期では32年ぶりの寒さだとあとで知った。いつもいる人々がいない景色は不気味だ。富士山がなくなった静岡とか山梨県みたいだ。立ち食いそば屋さんは閉業中、フリスクを買うかと思えばキヨスクも閉業中、機関車広場も人はマバラマバラ。SL横の喫煙所にも人はいない。マクドナルドの店に並ぶ人はいない。いきなりステーキ店は、いきなり閉店状態。おっメンズショップの高久はと見ると、開店しているがお客がいない。不気味な気分で歩いて全日空ホテルのコーヒーラウンジに着くと、気のせいか照明が暗い。入り口に清毒液があった。いつもはかなり人が入っているのだが、私解除以外11人しかいない。私解除はソロソロ、アチコチ、アレコレ解除になって行くのだろうが、長い長いトンネルを抜けると、そこは、もっと長いトンネルだったとなることを予感した。他県から東京へ来ない、外国人も来ない。聞けばラウンジにいつもいた女性たちは、間引きされているとか。当然外人さんの姿はない。いつも打ち合わせ場所に使っている、老ジャーナリストの田原総一郎氏の新聞を広げている姿もない。外はやけに寒い。中はもっと寒い。私解除と会った右系知人は、安倍内閣を武装解除、解体するのがこの国にとっていちばん大切だと、着席してすぐに言い放った。すこぶる怒っていた。民主党政権時代を悪夢の時代と言ったが、今では悪夢より悪い安倍政権時代としてその名を残すだろう。オーイ誰かいないのと声をあげた。いつもならいそいそとオーダーをとりに来る女性が少ないからだ。こういう内閣が続くと大地震が来るような事になる。ヤバイよ日本中がガタガタ揺れているんだから。珍しく私解除はずっと聞き役であった。何故かと言えば、私解除もそう思っているからだ。内閣の内部内崩壊ではないだろうか。黒川検事長のマージャン賭博はもう言葉を失う。カジノと犬が趣味なんてよく分かんねえ奴だ。パクる(捕まえる)側のボスが、パクられることを新聞記者(この人たちは情報入手のためならなんでもする)とやっていたなんて、実は前からそんなことは、知っていたが、それが外にダダもれするという、内部からのリーク(密告)で、政権がグリップされていないことをさらけ出した。なにしろ警察庁出身の幹部が、官邸にいてあらゆる情報をつかんでいる。(この中の誰かの指途だろう)FBIとかCIAと同じだ。きっと訓告処分位で退職金一億円近くを手にするのだろう。海に向かってバカヤローと声を発するしかない。(今日四時半頃の海はブルーグレー、波打ち際には釣り人ひとり)私解除は甲子園中止に涙する。来年の箱根駅伝も中止かもしれないとか、オリンピックもかなり中止に近づいている。私解除は新型コロナにお願いしたい。どうか少年少年の夢をイジメないで、新たな生命の誕生をイジメないで、私解除たち弱き者。貧しき者をイジメないでと。そして老人たちをイジメないでと。昨日午後七時東京駅から湘南ライナーに乗ったが、おもしろそうな人も、おもしろくない人も、あまり乗っていなかった。東海道線内がおもしろくなる日は来るのだろうか。柿ピーとか、サキイカの臭いがなつかしい。家に帰り、ネットフリックスの海外人気ドラマシリーズの続きを見る。何しろ長い。「ハウス・オブ・カード 野望の階段」、私解除はつくづく思った。やっぱり最後に勝ち残るのは、女性の魔力、女性の野望だ。すがりつく男との関係なんて、いつもカンタンに解除する。物語りはアメリカのホワイトハウス内の権力闘争と、女性たちの性力だ。新型コロナウイルス級に女性は怖いと、思いつつ私解除は明け方まで見ていた。



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