ページ

2020年5月26日火曜日

第68話「私は散歩」

私は「散歩」である。初夏の海ひねもすのたりのたりかな、家から歩いて7分で海岸に着く。歩道橋への階段を上り下ると、江ノ島までのサイクリングロードがある。ウォーキングロード、ジョギングロードでもある。右を見て富士山が出ていればそれに向い、あいにく見えなければ左へ向う。時速4K位の速さで歩くと、次々と人に抜かれる。時には健脚のご婦人にも抜かれる。15分位でバーベキューができる場所になる。ウッドデッキにつかまってスクワットを30回する。バーベキューは誰もしていない。30分すると辻堂海水浴海岸に着く、すぐ側に広い海浜公園がある。広い駐車場はいつもなら満車だが、すっかり空いている。いい気持ちで深呼吸をする。ここにはかつて“おでんセンター通りという有名な(?)通りがあった。今ではサーファーストリートになっている。朝までやっているおでん屋さんが、長屋のように軒を並べていた。私散歩は深夜とか早朝によく気にいった店に行った。わずか40、50メートル位のところに20軒ほどあった。“ひげ伝”というのが有名で2店あったが、私散歩は一人では行かない。他より高いのと気位も高い。私散歩が通った店には、若い頃中居正広もよく来ていた。彼は平塚出身である。今ではスーパータレント中居さんなのだ。高校が平塚学園であった。残念ながらその店は、先年火事で全焼となった。今は辻堂駅近所でカウンターだけで営んでいると聞いた。私散歩は好きなおでんが目の前にある場所が空いていたら入った。おでんはやはりカウンターでおでん種を見ながら食べるのがいい。座席とかカウンターだと気分がおでんにならない。基本はやはり屋台だ。九州に行った時、一度博多大丸前の屋台に知人と入ったら、ビックリするほど高かったので、間違いだろうとモメた事がある。観光客はいいカモなのだろう。バーロこれからずーと博多にいるんだから毎日来てやるからな。ナメた値段をつけるなよと言った。観光客相手なのでどうせ一見の客からは、ボッタクリだ。店と店がケータイでつながっていて情報を交換していた。昨日江ノ島神社まで歩いた。往復約6時間だ。でもいい風と香り、いい気温、人はかなり出ていた。鵠沼ガーデンプールあとの、スケボー練習場なくなっていた。少年たちは道格とかで遊んでいた。さあ、あと一時半で江ノ島灯台だ。かつてここにかかる橋には、たくさんのおでん屋とか、ハマグリ、アサリ、サザエを買うおばさんがいて名物だった。私散歩は自転車でよく食べに来た。そして潮風に乗ってペダルを踏んで家に帰った。ただし観光客相手にはすこぶる高い。橋を渡ると突き当たりに有名な店がある。ボロモウケの店だ。私が行ったら店の主人は留守だった。サザエのつぼ焼き、イカの丸焼き。トーモロコシ焼き、ハマグリの潮焼き、この五点プラス飲料で、がっぽり稼ぐ。ハマグリは、ハマグリ的、浅利は浅利的、つぼ焼きは金正恩的、とほとんどが外国産。江ノ島でなんかほとんど獲れない。オーイ! バカ者いると聞いたら、トウモロコシを焼いていた若い衆が、スミマセン今日は組合の寄り合いでと言った。家から2時間半かけて歩いて来たから、早く来いと言ってくれと言った。江ノ島もコロナ対策で寄り合いが多いらしい。昨年は台風. 15号19号で完全にギブアップだった。階段を上がり、本殿に着いた。どうかみんながコロナになりませんようにと、手を合わせた。ここまですでに2時間余であった。それでも気分はよかった。水族館に行きたかったが、閉館中みたいだった。江ノ島でサザエのつぼ焼き二個と、ハマグリ的を一個食し、缶ビールを飲んだ。潮の香りがいいのと、しょう油の香りで大満足。本殿で200円おさいせん箱に入れた。私は神頼みはむかしから一切しない。人はいつもより少ない。もともとこれ位がフツーだったのだ。体中汗がビッシリだ。知人のワイナリーのオーナーに、ケータイから電話して頼んだ。実はあるはずのものがなくて、実にみっともないことがあったのだ。トウモロコシはいくつ粒々があんの、と先程の店の若い衆に聞いたら、えっ分かんないスッよと言った。じゃまた来るから今後まで、粒々数えておいてと頼んだ(笑)。それからゆっくりと3時間かけて歩いて帰った。サザエのつぼ焼きはいい香りであった。中味のなくなったサザエさんをよく洗って乾かしてブルーのカラースプレーで塗ることにする。きっといい置物になるはずだ。(文中敬称略)

IMAGE


0 件のコメント: