松永安左エ門 |
色の道こそ男をつくる。
あらゆるものの根源はバイタリティにある。
その根源は性欲だ。間男、姦通当たり前、時として強姦も辞さず。
97歳でこの世を去るまで女性を楽しみ続けた男。
人はこの男を「電力の鬼」という。その名は松永安左エ門。
宮本武蔵が日本一の剣豪と伝えられるならさしずめ日本一の性豪といえる。100年程前電力会社は全国に690社程あった。
その中で東邦電燈という会社が東京に乗り込んで来た。松永安左エ門48歳の時である。
そして次々とライバルを屈服させ弱小電力会社を買収、吸収、政財界を取り込み官僚達にむかって「きみたちは人間のクズだ」と言い放ったという。という事で現在まで東京電力のDNAは松永安左エ門なのである。
「電気料金を安く」をスローガンに生まれた東京電力がいつからか高い電力料金をの会社になってしまった。
値下げに反対したらスイッチを切って真っ暗にしてしまうぞという会社になってしまった。
松永安左エ門は晩年世間から離脱すべく「耳庵(じあん)」という庵を伊豆堂ヶ島につくる。6畳2間であった。
浮き世の事は耳に入れるなという意味らしい。茶道を愛し、国宝級の蒐集品を集め楽しんだ。
強欲にして括淡、吝嗇にして豪奢。全てが二極化していた怪物であったと記憶され語り継がれている。
埼玉県新座市にある禅寺の中に高さ80㎝の墓石がある。
戒名はなし「耳庵居士 松永安左エ門」と横書きにされ生死の月日、97歳とだけ刻まれている。簡素の極みとか。