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2017年4月21日金曜日

「ロックンロールとばっちゃん」



十五歳前後の少年少女は大人への入り口の年代の中で最も重要である。
少年は学業を伸ばす才はあるか、スポーツの才があるか、あるいは文化文芸の才があるか、あるいは不良の才があるか、それがクッキリとする。

少女はすでに初潮を迎えて体は大人である、子が産めるのだ。
親は少しの変化も見落としてはならない。
また、さまざまなサインを見落としてはならない。少年少女は悩んでいるからだ。
そんな日本の少年少女の満足度は、調査対象国47ヶ国の中で下から6番目である。
経済協力開発機構(OECD)の調査による。

大人は金、金、金ばかりの世の中である。
500円の寄付を出すにもシブイのが大人社会だ。
私はなんとかして日本の寄付文化を変えたいと思っているのだが、大海に小石を放るような仕業に過ぎない。だがやると決めたらやる。せめて波紋位は残したい。

人のために善行を尽くす人のいなくなった世の中で、広島市にすばらしいおばあちゃんがいる事を以前書いた(NHKのドキュメンタリー番組で見た)。
昨日東京新聞朝刊のコラムにこの人の記事があった。
3月に吉川英治文化賞の受賞が決定したとあった。
35年間、非行少年たちに食事を提供しつづけた、中本忠子(ちかこ)さん(83)である。

温かい夕食を求めて今日も子どもたちが集まる。
多くが家庭に問題を抱え、家でご飯を食べれない「お腹いっぱいなら悪さはせんよ」と中本さんは言う。
35年間毎日、広島市の自宅アパ―トで食べさせ、100人以上面倒を見てきた。
始まりは保護司として非行少年たちと接していた。
寄付にケチンボな世の中も見捨てたものではない。
今ではNPO法人化して、食費は寄付で賄っている。
現在は自宅近くに部屋を借り食事を振る舞う。非行少年は「ばっちゃん」と呼ぶ。
親にはウソをつくが、ばっちゃんには無理だと言う。

改めて後藤新平の言葉を思い出す。
人生において「金を残した者は下、仕事を残した者は中、人を残した者は上」。
私の亡き母もばっちゃんみたいにしてくれていた。
私が連れて来る、家に問題を抱えた友だちをいつも笑顔で迎えてくれて、温かいご飯を出してくれた。

昨日横浜アリーナで七時~十時四十分までONE OK ROCKのコンサートに行った。
中野裕之監督が四国のロケ先から来てくれた(中野さんがチケットを取ってくれていた)。山藤陽子さん(ライフディレクター)三人で大興奮をした。

家に帰りクールダウンさせるために、映画「永い言い訳」西川美和監督作品を見た。
次に古井由吉さんの新作「ゆらぐ玉の緒」の短編を一話読んだ。
玉の緒とは“死”のことであることを知った。
さすがに小説の名手、近頃の作家では足元にも及ばない。

午前三時半を過ぎてもクールダウンしない。ONE OK ROCKに関しては後日に。
横浜アリーナがぶっ壊れるかと思った。人生はロックンロールなんだ。

2017年4月20日木曜日

「サギ撃退法」




ラミネートされたチラシは、振り込めサギ被害者を0にしたいと茅ヶ崎警察署が心を込めて作りました。ぜひ電話のそばの見える所に貼っておいてください。
振り込めサギは電話から!!(大きな文字)茅ヶ崎市では毎月のように振り込めサギの被害が出ています。いろいろな手口がありますが、はじめは電話からです。
普段は冷静な方でもいざ電話を受けると…このチラシは、担当地区民生委員が配っています。

富士見町民生委員・児童委員◯◯△△(ここまでモノクロ一色)こんな電話は詐欺!(赤文字で大きく)
■息子や孫からのお金の要求
■市役所等からの還付金
■有料サイトの料金払い
■郵便局からの電話ガイダンス
■株(社債)を買う権利が当たったという電話(以上ブルーベタ・文字イエロー)
→すぐに警察(110番)や家族に相談して下さい!(これは白地に赤い囲み、罫の中に赤文字)茅ヶ崎警察署・茅ヶ崎市役所以下電話番号0467-82-0110 問い合わせ・情報提供などはこの番号へ。

B5判の大きさのものが家の受話器の前に立てかけてあった。昨日のことである。
家にも仕事にも、株とか相場とか、金をすぐ貸しますローンとか、墓地にお墓とか婚活とか、時々電話が入ってくる。
私はいつも「ここは☓☓組だ」というと相手は即ガチャンと電話を切る。
ウソも方便である。

一度身の丈180センチ位のガタイの大きな男が「取引先の広告代理店さんがこれからもっと仕事を集中して出したいと依頼があり、御社を調べさせて頂きます」と言って、何やらアンケート用紙に書き始めたことがあった。
社員は、構成は、お支払い方法は、ご入金の内容は、現金?お手形?などなどを聞く。
あ~このヤローヤクザ者のおつかいだなと思った。
お相手さまにいい報告書を書きます、なんて言った。

私はスタッフにドアを閉めてくれ、コイツが出れないようにと。
ソイツは本社に電話しますと言った。
モシモシ☓☓ですか、私☓☓です。今社長さんから話聞かせていただきました。
ハイ!レポート◯◯です、どうも本社からOKが出ましたので、10万円をお願いしますと言った。

オイ、アホ、バカここをどこだと思ってんだ。
その手口はむかしオレの舎弟だった奴らがよくやる手だ。
ドアを閉めて逃がさないからなと言うと、男はすっかりヤクザ口調になった。
ナンダトオ、コノヤロー、ジョートーダヨなんて言うではないか。
朝十一時頃急な仕事もなかったので一時間ほど付き合ってやった。
私は低くオドロシイ声で言った。オマエはここから帰れねえぞと。
いきなりドーンとテーブルを叩くとビックリして本社に電話をすると言う。

よしオレが話をしてやるからと言った。
モシモシあんたとこの若いもの連れに来る、それともというと、分かりました調査はなかったことにしますので帰らせて下さいと言う。
お茶でも飲むかと言ったら、バインダーをカバンに入れて筆記用具をしまい、失礼しましたと立ち上がった。
こんな話を一人の先輩にしたら、エッそうなのボク10万円払っちゃったよと言った。

サギに絶対かからないのはお金がないことです。
あとは少々コワイ声を用意しておくことです。
仁義なき戦いシリーズなどをよく見て研究してください。
オイコリャ、ドリャ、ドコにデンワ入れとるんじゃ、コノボケ、ヤクザがヤクザ者にサギ持ちかけてどうすんじゃ、コノボケが。
どうかみなさん練習して下さい。

詐欺師たちは声でカモネギかガセかを判断するのです。
時々学生アルバイト風の男とか女の子の声でかかって来ます。
モシモシ名を名乗れと恐い声で言うと、即ガチャンです。

午前二時十三分茨城地方で震度4の地震があったとテレビに出た。
BSで“山田風太郎60年の日記”のドキュメンタリー番組を見ていた。
現在四時十一分三十八秒、いつものグラスに日本酒を入れた。
生たらこを焼いたのと焼き海苔、それに白菜の漬物少々がつま味だ。

2017年4月19日水曜日

「その一言が」




17日(月)NHK BSプレミアムで見たドキュメンタリー番組「山口組VS一和会」は見応えがあった。
死者20数名、負傷者200数十人、民間人をも巻き込んだ日本暴力団史上最大の抗争事件であった。

山口組四代目竹中正久、若頭中山勝正、ボディガード南力を襲撃してヤクザの中のヤクザと言われた一和会幹部Iは現在六十八才歳となり未だ収監中である。
組のため親分のために体を張ったが帰る組はすでに解散に追い込まれてなくなっている。他の者も同じである。

30代の若者は本来なら金ピカの勲章を持って出所して大幹部になっていたはずだった。
刑務所で命を狙われ、外に出れば親の仇と命を狙われる。
親の仇を子が討つのはヤクザ者の掟である。確か空手家でもあったと思う。
番組は丹念に事実を語り、初めて見る映像を出した。
今何故この抗争事件を取り上げたかは分からない。

番組では取り上げなかったが、ヤクザ界は暴対法の徹底で構造的不況となり、一般社会と同じ後期高齢化、若手の人材不足となっている。
ハネてる(調子のいい)組とクスぶっている組との格差は広がっている。
子を守るのが親の務めだが、親は子を守るどころか、破門状、絶縁状を回状として全国に回す。子の犯した罪は、親の責任として扱われる。

襲撃された竹中正久山口組四代目は小さな頃から根性者であり、典型的なヤクザ者である。番組の中で元山口組顧問弁護士のY氏の話があった。
現在弁護士資格を失っている。老女と二人で小さな事務所を開いている。

Y氏は言う、このことが私と同意見であった。
なんでヤクザになるのかとの問いに、親の愛情、大人の愛情を知らずに育ったからだと。生まれながら親はいない、差別と偏見、親の離婚、片親と貧困、愛情を知らない若者はヤクザ者の世界の中に自分の住む家を見る、親分、兄貴分、兄弟分の愛を。
元顧問弁護士は小さな頃から周りが愛情を持って接して行けば、きっと多くの人間がヤクザ者にならなくて済むと。

番組のナビゲーターは沢尻エリカであった。テレビは今BSがいちばんだ。
何しろ視聴率を気にしないで番組が作れる。
ちなみに襲撃された四代目山口組組長竹中正久はただの武闘派でなく、実に頭脳明晰であり、子分を何より大切にする愛情深き人間であったとか、数万人になっていた組織は強い男だけでは後を継げない。

近頃、子を守らず自分の富だけを抱きかかえている親が多い。一般社会でも同じだ。
番組内で出てくるIとは多分石川某だろう。
伝説のヤクザ者として後世にその名を残すだろう。人間は愛で動く生き物なのだ。
元気にやってるか、腹は減ってないか、この一言がキーワードなのだ。(文中敬称略)

2017年4月18日火曜日

「栄二たくあん」



私はおすしが大好きで三食でも四食、五食でも食べれる。
酢めしが好きなのだ。高い安いはあまり関係ない。先週末回転寿しに行った。
一枚二枚、三枚、番町皿屋敷のように食べた皿が積み上がって行く。

くったくたになるまで野球の練習をして来た中三の孫はたのもしい位に皿を積んだ。
肉体労働をしている息子は更に皿を積んだ。
近所に一店しかなかった回転寿しは、今四店もある。

私はちらし寿しがすきなのだが回転寿しのちらしは食べたことがない。
高名な食通の方と、食通の友人とすしをつまんだ時、二人はこう言った。
ちらし寿しは「たくあん」で決まると。いろんなネタのすみっこに二切ればかり「たくあん=沢庵」がなければならない。ちらし寿しは1,000円前後がよろしい。
たくあんは佐賀県唐津にある松本栄二のものが最高だと。
池波正太郎先生も大好物だったとか。

本業は農家で大根、米糠、唐辛子は自家産。
塩は天日海水塩、ウコンは漢方薬専門店から仕入れる。
身体に悪いものは一切使用していない。このたくあんほど真面目に漬けているものはないらしい。香りよし、味よし、コリコリ感よしなんだと教えられたことを思い出した。

回転寿し店の板前さんはかなり年輩だったので知っているかと思い、おじさん、佐賀唐津の松本栄二のたくあん知ってる、と聞いたら、えっ、な、なんすかそれって言われた。
まっいいやたくあん巻いてと言った。

今日銀座の仕事場で「池波正太郎の愛した味」佐藤隆介著を確認のために開いた。
2009年発刊の本である。未だやっているだろうか。
知人に佐賀県唐津出身の人が二人いるので聞いてみることとする。

新富町の「寿司辰」のちらし寿しは絶品だ。確かたくあん二切れがのっている。
もしかして松本栄二のたくあんかもしれない。
銀座近辺でここより旨く、美しいちらし寿しはないと思っている。

2017年4月17日月曜日

「下呂温泉・水明館」



四月十五日(土)我が国の指導者は北朝鮮から攻撃があるやもしれぬ、国はそれに備えねばならないという予測を十五日以前に答弁した。
金正恩の父の父、故金日成の生誕一〇五年記念日だったからだ。

軍事パレードを盛り上げるための記念にドドーンと核実験が予測されていた。
何しろ金正恩は正気でない指導者だ。
テレビでは相変わらず北朝鮮問題に詳しいという大学教授や軍事評論家、それにコメンテーター。北朝鮮から国会議事堂付近にヒロシマの原爆より小さな核爆弾でも死者数十万人、負傷者ん百万人、周辺の被害者ん十万人とかをシュミレーションしていた。
ミサイルの先にサリンのような化学兵器をつけてそれが落ちるとハルマゲドンだと。
戦後最大の危機と言ってもいいと言った。

さて我が国の国民はというと、桜の花の下でドンチャン騒ぎ、プロ野球は春風の中大観衆が大声援。テレビでは明石家さんまや古舘伊知郎がしゃべり続け、マツコ・デラックスは巨体をゆすって大笑い。
街にはどっと人が出て休日を楽しんでいる。

どうしようもない政党民進党は危機感ゼロで、オレはやめる、オレもやめるのやめるラッシュ。政党支持率0%でも年間に助成金を数億円もらえる、自由だ社民だ、なんとかのこころなんかは、その存在すら感じない。

小さな少女が変態ロリコンの見守り隊会長だかに残忍に殺された。
おぞましいニュースを見ながら、この国は誰を信じたらいいのかと深くため息をする。
北朝鮮の軍事パレードに新型のミサイルが登場したが、ハリボテの代物じゃないかと疑ってしまう。信じる者は救われるというが、信じるって何をと思ってしまう。
すぐに消えると思っていたピコ太郎は未だ頑張っている。

世も末になると、ええじゃないか、ええじゃないかと人は踊りだすと言う。
籠池事件はすでに遠い過去のようなものとなり、ベタ記事扱いだ。
一問一答!ハイそのメガネの人、アンタはダメ、ハイその派手なシャツの人と指を指している元東京都副知事の顔は、もしかして偽証でパクられるのではという恐怖が滲み出ていた。異常に甲高い声はすでにそれを証明している。
受けた恩を忘れることなく、その身は背広でない服を着ることだ。

桜の木の下には死んだ人間の魂があると誰かが書いていた。
坂口安吾の原作「桜の森の満開の下」という松竹の映画があった。
監督篠田正浩さん、主演は岩下志麻さんと若山富三郎さんだったと思う。
いちばんの悪を愛すという妖しい美女に会いに行くには桜の花の下を通らねばならない。但しそこを通ると人は狂ってしまうという。
都で悪業を重ね戦利品を手にして、女性の関心を得るために男はそこを通る。
十年近く前その映画の舞台となったお寺に親友と行った。
吉野の山桜を見に行く所にある。確かにそこには人を狂わす妖気があった(記憶は定かでない)。

岩下志麻さんと一度仕事をしたことがある。
ホテルオークラの部屋をとってそこで打ち合わせをすることにしていた。
ロビーで待っていた時、この世のものとは思えない美しい着物姿の岩下志麻さんが現れた。三十七、八才の頃だったと思う。
人が行き交うオークラのロビーは、言葉を失った人ばかりとなった。
岐阜下呂温泉の名館、水明館のグランドオープンのCMに出演してもらった。
イベントにも来ていただいた。
すべてが終わり最上階にある水明館の大浴場にスタッフと入りに行った。
一人ポツンと体を洗う人がいた。田中邦衛さんであった。
美しい奥飛騨を通って水明館。すばらしい旅館なので是非行って見てほしい。

四月十五日は過ぎた。北朝鮮のミサイルの発射は失敗だった。
私といえばジーンズにアロハ、ビーチサンダルで辻堂の「五島」という小さな天ぷら屋さんに昼を食べに行った。エビ、シシトウ、ナス、カボチャ、キスがのった天丼1,050円、
みそ汁、おしんこ付き。ビール中瓶一本、新聞を読みながら白菜の漬物を食べ始めた。
アタマの中には難しい宿題を抱えている。

2017年4月14日金曜日

「新しい恋愛映画」




現代詩人・最果 タヒ(さいはてたひ)さん原作、リトルモア刊「夜空はいつでも最高密度の青色だ」その完成試写を昨夜六時~七時四十七分、渋谷で観た。
キャスティングディレクターの友人とグラフィックデザイン界の巨匠と三人で。

最果タヒさんという名は知らなかった。
2008年21才の時、「グッドモーニング」という詩集で、第13回中原中也賞を最年少で受賞していた。
製作プロデューサーはリトルモアの孫家邦さん。
「舟を編む」で第37回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞、石井裕也監督が監督賞を受賞した。

孫家邦さんは小柄で細いが、目は鋭く全身から武芸者のような殺気を感じる。
写真界の最高栄誉である木村伊兵衛賞を新人女性写真家で受賞させた。
また一緒に観た巨匠の東京アートディレクターズクラブの最高賞受賞作の作品集も出版した。
金稼ぎ第一主義の現在の映画界で稀有の作品第一主義の人である。

入り口でスタッフと共に入場案内をしていた。リトルモアの孫ですとあいさつをしてくれた。
私の展覧会に来てくれたことがある。プロデューサー業の第一は必ず義理を果たすこと。
その次は熱情を余りなく尽くす。それを実践している人だ。

石井裕也監督は24才でアジア・フィルム・アワードで新人監督賞を、28才で第53回ブルーリボン監督賞、現在33才で12本目を手掛けるという才能を持っている。
映画は工事現場で働く若者と、看護師をしながら夜はガールズバーで働く若い女性との物語。
二人は居酒屋で出会う。舞台は渋谷、新宿。二人の間に芽生えたものは、恋なのか、愛なのかは確かでない。
二人は決して抱き合ったり、手を握ったりしない。都会の闇の中にある空は、二人にとっては青空なのかもしれない。
不安定と孤独、さまよう時間。

♪~がんばれ がんばれと唄うストリートミュージシャンの歌声が聞こえる。
キスシーンもベッドシーンもない二人は、映像の中で求め合う呼吸をしている。いわば精神的SEXをしている。
私にはそう思えた。男を演じるのが池松壮亮、女性を演じるのが新人の石橋静河。
新しいスタイルの恋愛映画はすこぶるどんよりとして、すこぶる純粋であった。

5月13日より上映が始まる。ぜひ観てほしい映画だ。
5月27日より全国ロードショー。

2017年4月13日木曜日

「結び目」



人間は疑い深い。特に商人(あきんど)の方、お店のご主人は疑い深い。
おーい番頭さん、丁稚さんにちょいと大切なものを◯△さんにお届けしてほしいんだ。
何しろ大切なものだからな、例えばお中元や御歳暮、結婚祝いや快気祝、御礼、謝礼、餞別、日本は水引の多い国である。

この大事なものをむかしは丁稚さんがお届けした。
そんなこたぁないと思うが、人間ていう生き物には、どんなのが入ってるか見てみようなどとふと出来心というのがある。

そこでちょっとやそっとではほどけない結び方を考えた。
水引の代表的なものとして、淡路(鮑)結び、本結び、もろわな結び(蝶結び)などがある。
淡路結びは、結びきりといい一回だけの御祝、例えば結婚式や快気祝いに使い、何回も有っていい御祝。お中元・お歳暮などは、もろわな結びを使用するとも言われる。
大事なものを結ぶのだから簡単にほどける結び方ではいけない。
一度結べば水引に型が付き、ほどいて結んでもうまく結べない。
どこを引っ張ってもほどけないのが淡路結びの水引という。
金色は京都を象徴し、銀色は銀座を象徴する色といわれている。

昨日後輩が三度目の結婚をすると言って数葉の写真と、初めて結婚するお相手のプロフィールを持って来た。ランチをしながらつくづく写真を見る。
ANAの元CA、ANA一、二を争う美人?現在無農薬野菜を使った料理家であり、著作多数。なんと二人の新居は私の仕事場の目と鼻の先のマンションだ。
流通系最大手の広告代理店に勤める男51才である。前妻との間に息子二人。

デレデレ、デレデレしているから、四度目にならないように気をつけろよと、このバカ、アホと言った。それにしてもどうしてこんなキャリアと変人の男と結ばれたのか、女性とは分からない。ほどけないように固く結ばれてほしいなどとは全く思っていない。
新婦は料理研究家。その世界ではすでに有名である。
毎日玄米を食べさせられているせいか、男は肉とパスタをペロリと食べた。

2017年4月12日水曜日

「鴨せいろとカレーそば」



「長寿庵のれん会」というのがある。東京中に相当ある。
その中で“鴨せいろ”が一番旨い!のは銀座一丁目、私の仕事場の近くにある長寿庵だ。
いままで多くの人にすすめたが、全員ここが一番!と言った。

神田の“並木”や“藪そば”なんて相手じゃない?
虎ノ門、赤坂の“砂場”なんて目じゃない?
遠くから鴨せいろを食べに来る。

昼時は超満員、で昨日はその時間を避けて午後一時半頃に後輩のアートディレクターと行った。外はざんざん降りの雨、サラリーマン&ガールたちは仕事場に戻りもういない。
一番奥の四人掛けのテーブル席に座る。
やけに体が冷えたので、菊正宗の一合を少し燗付けしてもらって、いいポスターができたなと乾杯する。

マグロの刺し身を一皿、それに鴨せいろだ。
ちょっぴり茶そば風、この茹で方が抜群にいい。
鴨肉がやわらかく程よく脂がのっていて上等。ネギとの組合せは正に鴨ネギである。
鴨汁の中にゴマを少々、これで風味十分。刻みネギはそばつゆ用にとっておく。
アツアツの鴨汁にいい感じの茶そば風を入れて、一気にすすり込む。
ウメェー、よくやった長寿庵と声を出す。
もう長い長い付き合いで、16才で入って来た店員さんが46才になっている。
みんな顔なじみである。

と、隣の隣に二人の男、会社員30才前後であった。
一人は寒いのか鍋焼きうどんを、もう一人は、やったぁ~カレー鴨南ばんそばであった。グレーの背広に白いワイシャツ、きっと何かが起きると期待する。
できればカレーそばを口に入れ、アッ、アチチ、そばを丼の表面に落とし、ドバンとカレーが飛んで、白いワイシャツに黄色い点々がハンティングワールドになるぞと息をこらしていた。

が、若いくせに首から白い紙エプロン掛けて、そばをいちいちレンゲの中に入れてから口に入れる。なんでえ男のくせしやがって、カレー南ばんはばんばん箸ですすれと思った。やっぱりそばより重いうどんでないとハプニングは起きないのかもしれない。
うどんなら箸からツルツルとすべり落ちて、ドボン、ギャハ、ギャハ、ヤベエ~となるはずなのだ。

鴨せいろ大好きな人、私に声掛けて下さい。
一度だけならいつでもおごります。1100円です。

2017年4月11日火曜日

「仮説」




とことん俺と踊るんだな、ああどこまでも踊ってやるよ。
裏社会では喧嘩すること、モメることをこう表現する。表社会ではこれを戦争という。
その真ん中にいてどっちつかずでオタオタするのを余方(ヨカタ)という。
テメェ俺たちが体張ってんのに、シカトしてヨカタこいてんじゃねえよ、シメルぞなんてぶっそうな事になる。

人類の歴史は戦争の歴史である。はじめは食料の奪い合いであった。
次になるとそれに領土、奴隷が加わった。その次は石炭石油資源である。
つまり戦争は食糧を生む大地を奪い、それを耕し収穫する人的労力→戦力を奪い合った。今、アメリカ、ロシア、中国、そしてイスラエル、イラン、イラク、北朝鮮、シリアなどが踊っている最中にあるが、さて何を勝ち取るのかというと全く不明である。

奪えるものなどないのだ。
全てのシナリオは軍産複合体が戦争状態を作り上げる、つまり軍を踊らせて兵器の在庫セール、新製品の開発と販売、軍事予算の拡大をする。
そのためにはアメリカという国、ロシアという国、中国という国はなんでもやる。
何かことが起きて、どこがいちばん得したかを見ればそれがわかる。

CIAは何でもやる。モサドもKGBもSISも、踊るためなら民衆の1000人、10000人は平気で犠牲にする。例えば北朝鮮が日本にミサイルを打ち込んで何を得るか、上陸して国土を占拠するのか、それは有り得ない。
アメリカが北朝鮮にミサイルを打ち込んで何を得るのか、やせた国土とやせた国民をアメリカは必要としていない。

3.5億人のアメリカと14億の中国が踊って何を得るのか、実は何も無いのだ。
中国はアメリカの国債を100兆円近く持っている。
中国との交易がなければアメリカは終わる。
シリアの爆撃は米中会談中、メンツを重んじる中国を怒らせたなどというのは踊りを知らない人の考えだ。事前に話はできていたはずだ。
相方片をつけなければならない話が、100日間先送りされた。
中国人のいう100日先は1000日先、つまりあってなき約束なのだ。
政治オンチのトランプは踊らされたに過ぎない。
したたかな中東の人間は、絶えず大国に踊ってもらっていないと困るのだ、石油資源を売っている限り。最強の情報機関モサドは全世界をコントロールする。
ロスチャイルド、ロックフェラー、華僑、マフィア、バチカンと共に。

さて、日本は余方である。何をすべきか、世界が踊る話を経産省、通産省あがりの人間たちではできない。トランプ大統領には“金”しかない。
世界の警察官になる器量などないのは、本人がいちばん知っているだろう。
余方の日本はかつての大平正芳首相のようにムニャムニャ言っている方がいい。
竹下登首相のように言語明瞭意味不明がいいのだ。
余方が旗色を鮮明にしては踊り手になってしまう。
島国日本は等距離外交が何よりの策だと思う。
以上は私の耳学問による仮説である。


2017年4月10日月曜日

「おススメの映画」


独裁者の行き着く先きは当然のごとく無惨である。
ヒトラー、ムソリー二、チャウシェスク、フセイン、カダフィ、独裁者は死の恐怖に震えそして逃げ回り、最後は味方だった者によって殺される
昨日部下だった者は今日刃を向け、銃口を突きつけ引き金を引く。
独裁者は引きずり出され、逆さに吊るされ民衆の投石によって殺される。

先週末「独裁者と小さな孫」という映画を見た。今年に入って二度目である。
2014シカゴ国際映画祭最優秀作品賞他多数受賞した作品である。
「カンダハール」という名作を生んだ監督モフセン・マフマルバフ監督の最新作だ。
この監督は現在ヨーロッパで亡命生活を続けている。

とある独裁政権に支配される国。ある日クーデターが起こり、老いた独裁者は幼い孫と二人で逃亡をする。
多くの罪なき国民を処刑してきた冷酷な独裁者は変装を繰り返し逃げ回る。
残虐な独裁者も小さな孫から見れば、ただのおじいちゃんなのだ。
二人は衝撃的な結末に向ってひたすら逃げる。世界の映画祭で絶賛されたひとつの寓話である。
純粋でかわいい少年の目は忘れがたき美しさである。
独裁者が孫を守る姿は、どこにでもいるおじいちゃんと孫なのだ。

一人を殺せば殺人犯だが、百万人を殺せば英雄だともいう。

トランプ大統領がシリア爆撃の命令を出した日、反トランプの急先鋒だったCNNはトランプさんあなたは今日アメリカの大統領になったと支持を表明した。

一本100円でこの映画を借りて見ることができる。独裁者の末路に学ぶことは多い。