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2010年5月12日水曜日

人間市場 会見市


それはまるでお通夜かお葬式の様。
又は特攻隊に行くメンバーを発表する様な記者会見だった。

サッカーのワールドカップの出場メンバーを発表する岡田監督。どうして日本人はスピーチが下手なのだろうか。それに比べて谷亮子は堂々として清々しかった。是非スポーツ省を作って欲しいものだ。

野球といえば長嶋と王、相撲といえば栃若と柏鵬、レスリングといえば力道山、ボクシングといえばファイティング原田で、サッカーといえば三浦知良だろう。

12年前、何故ワールドカップに三浦知良は行けなかったのか。何故今回全然試合に出ていない川口を代表に選んだのか判らないのが岡田監督だ。中学を出てブラジルに渡り本場のサッカーを体験して日本に帰りサッカー時代のパイオニアとなった。
四十を超えてもひたすらサッカーに身を捧げ身体をイジメ抜いている。未だにサッカー少年なのだ。

岡田監督は言った、日本は蝿の様なサッカーをして来ますと。
蝿の様にしつこく付きまとうサッカーなんだと。パパラッチの事を蝿と言うが、何て不細工なコメントなのだとガックリ来た人は多いだろう。
スポーツをただ勝てばいいと思っているのが日本のスポーツ界だ。死ぬ気でやれとか、命懸けだとか、根性だとかまるで非科学的な世界なのだ。

大リーグでは投手によって球数を決めているが日本は肩も壊れようと150球も200球近くも投げさせる。外国の監督の仕事は勝つ事よりもいかに選手の寿命を保つかにその腕前がかかっている。選手一人一人の個性を活かすのが仕事だ。あいつは好きだとか、あいつは嫌いだとか、あいつとは性が合わないとかの理由で選手を起用する事はほとんどない。

あのイチローはチームの中で浮き上がり嫌われ者のNo.1だ。自分の成績ばかり追い、どんなボールでもヒッティングする。大リーグでは一、二番は出塁率が大事だが、イチローは四球が少なくブーイングされる。他のチームもそれを知っているからトレードを申し込まない。自分だけ超高級ホテルから球場に通う。日本では上司にしたい人No.1なんて言われているのが不思議でならない。それでも外国の監督は起用し続ける。高いギャラを支払っているのだから働けという事なのだ。

で、三浦知良はなんで岡田監督に嫌われたのか、それはきっと華があり過ぎた事、オーラが凄過ぎた事による岡田監督のひがみとコンプレックスだろう。チームワークを乱すからという理由ならそれは自ら監督としての器量がないというのに等しい事だ。
人間なんだからいろんな個性がある、それを束ねるのが監督だ。この国のリーダーはあまりに保守的過ぎる。私の大好きな超出っ歯のロナウジーニョだって一度は干されたがちゃんと復活させているではないか。

もしあの記者会見でFW三浦知良と発表していたら日本中が熱狂したであろう。代表に選んだ理由は今日まで日本のサッカーを引っ張ってくれた、ラスト10分にカズの集中力に期待したい。又サッカー少年達に夢を与えたい。
チームの和は私が全て責任を持つ、こう言えば全敗だろうと日本国民はきっと納得するだろう。ラスト10分得点は00、選手交代のコールは三浦知良。どれだけ人々に元気を与えてくれるだろうか。

サッカーは真の国民的スポーツになるだろう。
三浦知良はもしかしたらと思っていたかもしれない。蝿の様なサッカーで戦って来ますなんて言うとんじゃない。岡田監督には到底無理な注文なのだろう。川口能活がキーパーに失敗したら何で起用したんだのブーイングになる。何故なら彼は日本のサッカーを引っ張って来た男ではない。ゴールを守って来た男だからだ。

スポーツは夢を追うためにある。夢を見る為にある。人が人を愛する様に人を育ててほしい。あらゆるスポーツで監督の好き嫌いで潰れていった選手は数多い。才能を踏みつけられた選手も夥しい数だ。

会社ではゴマスリばかりが出世する、困ったものだ。
上司は手柄は俺の物、失敗は部下の物にする事ばかりだから若い人材が育たない。嫌な奴だって才能があればOKだ。その才能を伸ばす事だ。人から嫌われる様になれば一人前と言う事もある。私なんか嫌われ松子の一生と同じだ。嫌いで結構、好かれちゃ困るだ。

キングカズにW杯に行ける機会はまだある。帯同メンバーの枠が45人ある。けが人の状況によっては出場の機会もあるという。五月十七日発表される。
岡田監督の勇断を待つ事にしよう。


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