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2011年11月15日火曜日

「一歩が痛い一級建築士」



朝日新聞「be」より



笑顔がきれいな男。
生まれつき軟骨が成長しない難病(アコンドロプラジア)。

職業はアトリエインカーブのクリエイティブディレクター。
一級建築士でもあり空間デザイナーでもある。

大学卒業後ディスプレイ会社大手の乃村工藝社で18年間働き、通産大臣賞も受けた。
ある年憧れの建築家ル・コルビュジェの作品を観たいと欧州に行った。しかしコルビュジェは彼を殆ど感激させなかった。

むしろ専門教育を受けていない人が石を積み上げて作った「シュバルの理想宮」や精神疾患のある人らの「アール・ブリュット(生の芸術)」に心を揺さぶられそのオリジナル性に圧倒されたという。彼はいまアウトサイダー・アートという障害者による現代アートを女優の山口智子さんが持つギャラリーなどで発表している。

かつては美術館で差別された。
作品は福祉施設のバザーとされ10円、20円で売った。だがその作品は今世界で評価され100万、200万となった。

彼はいう、インカーブとは野球用語で内角をえぐる変化球。彼は今100メートルを歩くのも難しい。
 痛い痛い中で夢を追う一人一人に美術館を持たせたいと。

彼の名は今中博之(48歳)。

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