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2011年12月15日木曜日

「牛乳と人生劇場」




冷たい牛乳はどこで飲むと一番美味いか。
私の場合は銭湯の着替え場でした。少年の頃友だちと私の数人で銭湯に行き、冷蔵庫に入った雪印牛乳を飲む。
太い輪ゴムで冷蔵庫に繋がれた蓋取りの道具でブスッと刺し、パクッと空ける。

火照った体に牛乳が白く、冷たく、喉から腹に染み込む、チャンララッタラャチンチャラララ、マッテマシタ、ラジオ放送劇の始まりです。

主題歌を歌うのは村田英雄、とくればそうです当たりです、尾崎士郎原作の「人生劇場」です。
下半身をバスタオルで隠し胡座をかき少年たちは聞き耳を立てるのです。

「やると思えばぁー」と始まって「義理がすたればこの夜は闇さぁ〜」と続く。
少年達は牛乳片手に合唱だ。テレビを持っている家はまだ少なくラジオが主役であった。
侠客、飛車角、若き侠客宮川、三州吉良の常吉、合点の竜、辰己屋の大旦那青成瓢太郎、主人公の青成瓢吉、お袖にお竜、砂村の小金一家。

もうそれはそれは多くの登場人物が正に人生劇場を繰り広げて行く。
アークション、牛乳と湯冷めで風邪をひいちまう。でもやっぱりいいんであった。とてもよいのであった。

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