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2015年6月12日金曜日

「朝日は夕陽へ」




テメェ〜このヤロー白状シロ、テメェ〜このヤローと背負い投げ、一本背負い。
テメェ〜このヤローやったといえ、顔面を殴る、倒れたらボカスカ蹴飛ばす。
朝から晩まで繰り返す。

このヤロー他のヤローは白状したんだ、こうして冤罪は生まれていった。
しっかりとしたアリバイもある男が死刑を宣告され本当にやった男は無期となる。
まったく何もしてない三人の人間が十二年の刑となる。

無期になった男の単独による強盗殺人事件は警察の見立て違いであったがそれを認めるわけにはいかず犯人を作り上げる。前科が一つあったというのが原因であった。
一度悪いことをした奴は二度やる、三度やる、何度もやるという思い込みが冤罪を生んで来た。

主犯の男は嘘つきの典型であり、友だちに罪を被せた。
どうやっても五人の犯行でないのは分かっていたが、第一審、第二審の裁判所は警察と検事の見立てを正しいと判断した。


社会派の巨匠、今井正監督の「真昼の暗黒」という映画を観た。
おっかさんまだ最高裁があると面会室で叫ぶ無罪の男、若き弁護士は決意を秘めた顔でそれを見る。
「八海事件」をモデルにした名作である(最高裁でどうなったかはここでは描かれていない)。憲法や法律を裁判所が守ってくれるという保証はない。

政治という権力によって解釈が左右されるケースも多い。
憲法学者の90%が違憲だと判断しているのに、戦争に対する判断は政治家がするんだと、法を守る弁護士出身の政治家が声を大にして言っている。
完全なる自己否定といえる。

三人の憲法学者が政府に呼ばれて「違憲です」といった日、朝日、毎日新聞は一面を避けた。逃げたといってもいいだろう。
両紙はインテリ紙を自負しているが、いざという時は腰が砕ける。
冤罪を生む原因は新聞報道によることが多い。警察や政府の発表を裏付けもとらず誤報を流し続け読者を煽るのだ。

「八海事件」の時も新聞は誤報を書きまくった。
この事件は一人の公正な裁判官が法を守って結末する。
それまで20年近い月日が必要であった。

ジョージ・オーウェルは「伝えるべきことを伝えるのがジャーナリズム、そうでないのは、ただの広報だ」といった。私は朝日新聞の宅配をやめようと思っている。
朝日はすっかり落ちてゆく夕陽になっている。
一度でも警察で指紋をとられた人は、いつ冤罪に巻き込まれるかもしれない。
気をつけあれ。

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