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2015年6月23日火曜日

「裏も表も」



ある親分が書いた新刊本を読んだ。
正確にいえば元親分六十九歳、今は代を譲り堅気になっている。
過去に三冊自費出版しているのだが今度の本は有名な出版社から出されている。

題名は「ヤクザとシノギ」。シノギとは食べていく手段だ。
ヤクザ社会では引退し堅気になった人間は的にかけない(手を出してはならない)という決まりがある。あくまで正しいヤクザ(?)であればの話だが。
254頁の中に波瀾万丈の侠(オトコ)の人生がある。

読むと若い頃私が数年間勤務した一般会社社会と同じである。
上司への不信、上司への裏切り、仲間との出世争い。
利権の取り合い、人事への不満、金の貸し借り(バクチや賭けゴルフで)組織防衛(MAみたいなものから)これらはいつの世も会社人間が日々直面しているものだろう。
違いといえばヤクザ者が下手を打ったり、モメゴトの仲裁に失敗した時には指を詰めることだ。この本の書き手である元親分も三度指を詰めている。

一般社会ではそんなことはありえない。上司は部下を見捨てる、部下は上司を見限る。
チクリ(密告)と風を吹かせる(ネットなどにガセネタを流したり、針小棒大にする)ことに仕事を忘れる。ネットカフェに入り浸る会社人間はほぼこのことに熱中しているといっても過言ではない。会社とは社会の逆文字だから、正しいことの逆が多い。

あのバカヤロー仲間のみんなが心配しているのに裏切りやがって。
とんでもない反社会行為をしやがって。
久々にいつものグラスで飲む酒も悲しくまずい夜がある。

ヤクザ者の世界ではキッチリとけじめをつけるのだが一般社会ではケジメはファジー(曖昧)のまま終わることが多い。表社会を学ぶには裏社会を学ばねばならない。
元親分の本はその教科書となる。

高校とか大学の教科に「裏学科」を作るべきだと思っている。
暴対法でシノギが減った人々の仕事場が生まれる。
「裏学科」で、喧嘩道、博打道、女道&男道、人事道、裏切り&ケジメ道、シノギ道などを重点的に教えるのだ。

現在午前四時三分五十一秒、なにやら酔いが回ってしまった。
国会は長期延長、内閣支持率がついに30%台の危険水域に(朝日新聞調査)そして9月末まで大幅会期延長となった。かなりキナ臭くなってきた。
親分を裏切る者共がこぞってスタートラインに立ち始めた。
政界の一寸先は闇に向かって、もうすぐヨーイドンだ。

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