ページ

2016年5月20日金曜日

「みんな赤ちゃんだった」




千葉駅から列車で30分位のところにその介護付有料老人ホームはある。
長いお付き合いをしてもらっている人からその老人ホームの仕事を頼まれていたので、先日ロケハンに行った。カメラマンとアートディレクターの友人と広告代理店の人と共に。

有料介護付老人ホームは大きくて60床位だというが、そこは100床近くあった。
オギャーと元気な産声を上げて生まれた赤ちゃんは今、七十代、八十代、九十代となり、ただ陽の当たる窓際でじっと外を見ている。
表情はない、介護付なので入居者それぞれ病を抱えている。
心臓病、認知症、さまざまな難病、人工透析、人工肛門、重度の糖尿病、各種病気の後遺症、躁鬱病。

みなさんそこが終の棲家となる。施設は明るく、広い。
老いては子に従えというが、正にその通りである。
オムツを替えてもらう、お風呂に入れてもらう、ご飯を食べさせてもらう、赤ちゃんに帰るのだ。スタッフは3540人、みんな明るくキビキビしている。

人生の最期、塗り絵、切り絵などをしているのを見ると、やはり人生とはを考えさせられる。みなさん子どもの頃、少年少女時代元気に運動会で走り、玉入れ、綱引き、フォークダンスを踊り、リレー競走などをしたのだろう。
老人介護を自宅でしている人たちは本当に大変なことだと思う。

私は今、この仕事に力を傾けている。少しでも老人のためになりたいと思う。
老人による犯罪が増えている。痛ましい老人たちの無理心中も増えている
生まれてから老人になるまでは長いが、老人でいるのも長い。

私も現在老人大国の住民の一人だ。介護士さんを見ていると頭が下がる。
もっと、もっと、もっと給料を上げてあげる必要がある。
人と人が助け合う社会にしなければならない。

0 件のコメント: