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2016年5月24日火曜日

「本物とは」


先日、羽毛ふとんの偽装疑惑が朝日新聞の夕刊一面トップ記事となった。
私が四十年以上お世話になっている東洋羽毛工業(株)さんの羽毛ふとんが最高品質の羽毛を使った、最良の羽毛布団であることが図らずも証明できた。

銀座一丁目キラリトギンザ3Foluha(オルハ)ショップで販売している羽毛ふとんも、誠実仕立の最高品質の羽毛ふとんだ。
そもそも如何なる方法をもってしても本物の羽毛ふとんは、一枚二万円や三万円で売ることはできない。四万、五万、七万、八万でも難しい。
安い物が高い物と同じである訳がない。
それ故安物買いの銭失いという言葉がある。

高度に、丹念に、入念に、とことん誠実に作るには、原毛輸入→洗浄→精毛→縫製などを一貫体制で作らねばならない。
私の知る限りこれを行っているのは、東洋羽毛さんしかいないと思う(他にあったらゴメンなさい、教えてください)。
私はいつか「羽毛ふとんを自慢する時代」が来ると言ってきたがついに来たと思っている。
安物の羽毛ふとんは、毎日ヤニやゴミやダニのフンやアレルギーを起こす物質に包まれて寝ているのと同じだ。当然、鼻からも口からもそれらは大量に入ってくる。

高級車に乗り、高級な服を着て高級な時計やバッグを持ち、高級な化粧をしていても、安物の寝具で生活しているとしたら、それは高級とはいえない。
日本は高温多湿だから寝具には十分気を配らないと不健康な日々となる。
アレルギーのある人は、まず寝具を疑えといいたい。

テレビの通販から羽毛ふとんが消えた。新聞広告も見なくなった。
スーパーの寝具売り場から安い羽毛ふとんが消えた。
日本を代表する企業が様々な偽装行為で窮地に立たされている。
これからも次々と出てくるだろう。
株価第一、株主第一の経営は消費者に目を向けない。
外国資本やハゲタカファンドに食い尽くされないために偽装をして来たが、結局それが企業を駄目にしてしまった。

やはりコツコツといいモノ作りをして来たところが最高品質のブランドとして生き残って行く。
ちなみに私はある人から三十年程前にダンヒルのウールのセーターをプレゼントしてもらった。そのセーターは今でも頂いた時と全く変わらない。
最も私自身高級品を買う事は、贈り物以外は全くない(羽毛ふとんは頂いた最高品質のものである)。

NHKで連続ドラマとして評価を得た、横山秀夫サスペンス「64(ロクヨン)」が映画化されている。佐藤浩市をはじめ当代の人気スターを勢揃いさせているが、観た人の話だと、NHKに完全に負けている。
映画の主役佐藤浩市が、NHKの主役ピエール瀧と勝負になっていないとか。
映画がテレビを偽装して大敗した?

私はテレビを超えるはずがないと思っていたので観には行かない。
佐藤浩市の芝居が苦手なのだ。父三國連太郎は名優であったが、息子は違う。
何が違うかといえば、バカとエロとグロが演じられないからだ。
本物の役者はふとんの中が勝負なのだ。(文中敬称略)

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