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2010年8月6日金曜日

人間市場 カバ市




カバの「デカ」が死んだ。
「デカ」といっても刑事ではない。体がでかいから「デカ」。

石川県能美市の「いしかわ動物園」で飼育されていた長寿日本一、世界第二位のカバちゃんであった。当年五十八歳、人間なら百歳を超えているという。

アフリカ生まれ岡山のキャラメルメーカー、カバヤがキャンペーンガールとして入手したらしい。キャンペーンガールという位だから女性であった。

私は動物園や水族館が大好きである。
何日見ていても飽きないが、何日も見てはいられない。
貧乏人はバカみたいに働かないといけないのだから。世の中に自動車とか飛行機とか掃除機とかドライヤーとか洗濯機とかの形体をデザインするインダストリアルデザイナーという才能あふれる人達がいる。


だがしかし、誰があのカバの形体を発想しただろうか。
サイ、バク、ワニ、アナコンダ、ゾウ、ライオン、トラ、ヒョウ、ペンギン、クジラ、イルカ、カニ、イカ、タコ、エビ、サザエ、ウニ、ナマコ等々誰も真似できない素晴らしいデザインを自然界は創造進化させて来た。


カバが人間を見たら何と思うだろうか、多分バカみたいと言うだろう。

私は実はバカが大好きである。
何にでもひとつの事にバカみたいに取り組み遊ぶ人は羨ましい。
釣りバカ、山歩きバカ、映画バカ、落語バカ、読書バカ、旅バカ、サーフィンバカ、スキューバダイビングバカ、飛行機バカ等々世の中には尊敬すべきバカが沢山いる。

一番困るのは何もしないバカとかパチンコバカ、競馬バカ、オートバカ、競輪バカ、競艇バカとか投資バカ等のあぶく銭ばかりを追い求めるバカは嫌いだ。

仕事バカも悲しい。
SEXバカ、ホモバカ、SM変態バカとかいうのは病気だから論外だ。


小さな庭に黒い蝶々が飛んでいた。直ぐ使い捨てカメラ(コレしか使えないので)で撮った。何て美しい色と形なんだろう、どんなに才能あるデザイナーも創れない。

人生デザインに例えるなら一人一人の人生はみんなひとつの作品なのだ。傑作もあれば駄作もある、又、大作もあれば小品もある。それぞれみんな人生なのだ。

人は誰でも一度だけは名作を書けるというのはそういう事なのだ。
諦めや投げやり、絶望はいけない。山谷親平曰く「絶望は愚か者の結論なり」だ。
絶望している時間があったらどんな小さな希望も見つけ一生懸命バカになるといい。

「カバ」のデカちゃんはひと言も物言わず生涯を閉じた。きっと色々文句もブータレたい事もあったであろう、だがしかしひたすら身を固め、その身をさらし続けた。アフリカの大地にいればどんな苦労があっても幸福だったと思う。

草原からコンクリートの上に、あーあワタシの人生って一体何だったのかしら、このニッポンっていう国は一体何ていう国なんだろうか、こんな暑い中アタシをわざわざ見に来るなんてバカみたい。みんな同じ顔に見えるわ、何かカバより固い意志を感じない。
最近同じ顔した中国人や韓国人も多いけど時代は変わったのね、信じられないアンビリーバブルよ。ニッポン人はもっともっとバカにならないと、ひとつの事に夢中になる事が大事なのよ、みなさん長い間ワタシを見てくれてありがとう、サヨウナラ。

人生には必ずサヨウナラがある。
とりあえずこの思い切りヤクザな暑さとサヨウナラしたい。今日はカバヤキでも食べよう。




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