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2010年8月27日金曜日

湘南の嵐便り 「見立て」


生け花の世界に「見立て」というのがある。

立派な花器、由緒ある花器でなく、割れた花器や壊れた籠や流木や死に絶えた葉っぱ等に花を生けるのである。



千利休は特に竹を見立てたと伝えられている。
実に侘びさびがあり、一度死んだ物に命を宿らせる事が出来る、つまりいい花器はそこいら中に落ちていたり捨てられたいたり流れ着いているのだ。

要はそれを見立てる人ブツのセンスといえる。
一片の枯葉に一輪の花、その仕上がりが瞬時にイメージ出来るからだ。



リストラ社会で大切なのは見立てだと思う。
それを仕事としている人は再発見、再活用のプロフェッショナルだ。

先ず話し方、その次に目の輝きを見る、髪の手入れを見る、足許の靴の手入れを見る、ワイシャツの手入れを見る、口許の締まり具合を見る、ネクタイとスーツのセンスを見る、フリースタイルの場合は更にセンスを見る。

おおよそこれだけでこの人は再生できるかを見立てられるという。
学歴やキャリアをひけらかす人物には興味ないという。
逆に私は会社から捨てられた人間ですから的な雰囲気の人もいけませんねという。私がよくいく海辺のカフェでそんな話をした。

私なんかどうでしょかね、何か使い物になりますかねと聞くと全然無理。
私も壊れ物、いいセンスの人が花を生けてくれたら結構行けるかもよと再度言うとダメダメ、生ける花がありませんよ、今のまま枯れ果てて下さいと言われました。


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