正月休み、映画を15本レンタルして来てそれをすべて見た。
頭の中を空っぽにするには私の場合映画だ。準新作7泊8日、5本で1,000円だから3,000円である。
その中でぜひおすすめしたいのが「火の山のマリア」
夫婦とは、親子とは、文明とは、富める者と貧しきの悲哀を表現する。
南米グアテマラの山の中、小さな集落でコーヒー豆を摘んで売って生計を立てている父と母、その娘の物語。
娘は18才位である。
貧しい山の民のコーヒー豆を買いに来る都会人に目をつけられて嫁になることになる。
父と母は都会人に精一杯のもてなしをする。もてなしといっても安酒と粗食でしかない。
何しろ電気すらない。村人たちは火の山に食物がとれますように、コーヒーがとれますようにとひたすら祈る。人生の行方は霊導師のお告げが頼りだ。
娘には想いを寄せる若者がいた。
二人は一度だけ結ばれる。若者は山を下り都会へ働きに行く。
母は娘に一生懸命お化粧をし、新しい服を着せアクセサリーをつけて嫁入りに備える。
が、娘は若者の子を宿す。都会に行ってしまった若者は知るよしもない。
その事を知った父と母は、都会人との結婚の行方は、おなかの中の子の行方は、あどけない娘は。
この先はぜひ借りて来て見て下さい、泣かずにはいられません。
もう一本「最愛の子」
実話を基にしている。
中国では子どもの誘拐ビジネスが盛んであることはニュースなどで知っていた。
結婚をした夫婦には三歳くらいの男の子がいた。
街の片隅で粗末なインターネットカフェのようなものを営んでいる父親、別れた妻が時々子に会いに来る。
妻は再婚している。ある日父親がちょっと目を放した隙きに愛する我が子が消えてしまう。
その日から父は我が子を探す。狂ったように。
広大な中国の中で探す。
映画はドキュメンタリータッチで現代中国の光と闇、正常と狂気、法と無法、生みの親の愛、育ての親の愛を鋭く慈悲深く、無情と非情にまみれて表現する。
中国映画恐るべし、カメラは農村から山村そして大都会へと展開する。
追う親、逃げる親、それらを追い詰める人、人、人、執念の果に数年後、遂に我が子を誘拐する場面とおぼしき映像に出会う。
実話であることをニュース映像を見せながら描く。息つくひまもない。
130分の映画の行方は。泣かずにはいられない。夫婦とは何かを考えさせられる。
この映画もたった一度の男と女の営みが生むドラマでずしんと胸に刺さる。
これ以上は借りて来て見て下さい。2本で400円です。
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