名曲「恋人よ」を唄った歌手、五輪真弓さんは長崎県五島列島にルーツがあることを、ある番組で知った。五年位前だろうか、五島列島には五輪姓が多いという。
その番組は隠れキリシタンについてのドキュメンタリーであった。
遠藤周作さんの「沈黙」をずっとむかし読んでいたので興味があった。
その小説が映画化され、現在上映中である。
私は先週と昨日と三回観た。
一度目は不覚にも映画の途中約四十分を見落としてしまった。
実は観る少し前にビールをコップ三杯飲んでいたのが効いてしまった。
で、昨日午後途中から見落とし分を観た。
45分待つと次の上映がある、よし遠藤周作さんと監督のマーティン・スコセッシさんに申し訳ないと思い、もう一度しっかり通しで観ることにした。
私より先に観た人と感想を語り合うことになっていた。
週末に借りてきていた「神々と男たち」を見た。実話である。
七人の神父さんたちがテロリストたちに連れ去られこの世から消える。
いちばん年老いた神父はベッドの下に隠れて助かる。
そして現在も生きているとロールスーパーが教える。
アラブや中東の国では日常茶飯事にテロが起きているが、神父たちを何故殺したかは現在も謎だという。
昨夜アンジェイ・ワイダ監督の「カティンの森」を見た。
「沈黙」を観たあとに借りて来た。
三本の映画に共通していたのは、人は人を殺すということ。
信心深い人々が神よ、主よ、イエスよとひたすら祈る。
また「カティンの森」ではポーランド軍人一万数千人が虐殺される。
殺される軍人は十字架を握っている。ナチスが殺ったか、ソ連が殺ったかずっと不明であった。アンジェイ・ワイダ監督の父親の死を題材にしている実話である。
映画は不可侵条約を一方的に破り、宣戦布告もなしにポーランドに侵攻したソ連による大量虐殺としている。
地中に埋められた一万数千人は掘り出されて一人ひとり医学的検証が成された。
「神々と男たち」では、神父たちは神はなぜに沈黙するか、主にその身をゆだねようと聖書を読み一日中祈る。テロリストたちはコーランを口ずさむ、アッラーは偉大なりと。
「沈黙」では日本に布教に来た宣教師が拷問のあげく踏み絵をし、ある者は日本人姓を名乗り生き続け、ある者は決して棄教(転ばず)せずに殺される。
神よあなたはなぜに沈黙をと祈り続ける人間を処刑の地に向かわせる、
日本人奉行やその家来たちは血も涙もない。お坊さんたちは南無阿弥陀仏を唱える。
キリスト教徒と隠れキリシタンとは違うという人がいる。
春になったらその違いを知るために五島列島に必ず行く。
拷問には水責めだとトランプ大統領はいう、果たしてトランプは水責めに耐えられるだろうか。神をも恐れぬ乱暴狼藉に必ずや天罰が下るだろう。
否、神は沈黙しているかもしれない。
昨夜もう一本見たのは「哀しき獣」韓国映画である。もう救いようもない人間たちが金を求めて殺し合う。それを命じる男は敬虔なクリスチャンであり教会のミサに行く。
午前二時を過ぎたところでいつものグラスにギルビーズ・ジンを入れた。
氷とウィルキンソンの炭酸水。アタマの中がすっかりイエスではなくノーになってしまった。
※私は映画館に行った場合は「観」るを使い、借りて来た家での場合は「見」るを使うことにしている。あしからずご了承を。
「沈黙」は素晴らしい作品、是非映画館へ行って観てほしいと思う。イエス、アッラー、神様、仏様、なんだかよく分からなくなってしまった。
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