「LEGEND 狂気の美学」飛び切りおすすめの映画だ。
1960年代イギリスの裏社会で伝説を生んだ実在のギャングの物語だ。
ギャングは一卵性双生児であった。
本物の双生児(?)が凶暴なギャングを演じる。
兄はホモセクシャル、医師から常時精神安定剤を服用するように言われる。
そして狂気を極める。弟はクレバーであるがやはり狂気を極める。
兄は殺人罪で捕まるが精神病院に送られて生涯を終える。
弟は33才の時、やはり殺人罪で捕まり33年の刑に処される。
66才の時癌に冒され病院に移されるがその8週間後に死ぬ。
地獄というのがあれば狂気の双生児は間違いなく地獄に落ちたはずだ。
地獄にはさまざまな地獄があり、死ぬほど痛い思いをするのだが、そこには死はない。
ずーっと永遠に苦痛と共に生きる。
それ故狂気の双生児のギャングは未だ地獄にいて苦痛の絶叫をあげているはずだ。
この映画は残忍だがスタイリッシュだ。
ジャズ、葉巻、ファッション、スポーツカー、アメ車、ベンツ、ダンスはフラフープ、ゴーゴーと変わって行く。
何度も捕まったが33才で最期に捕まったのだから、ギャングとしての活躍は(?)は短い。双生児はかなり美男子であったようだ。マッチョでもあった。
双生児はコインの表裏、二人で一人なのであった。
時には憎しみ合うライバルでもあった。が2人はアタマは狂っていても、こころは繋がっていた。
イギリス映画は言葉のやり取りがシェークスピアの劇のようである。
人生とは…、運命とは…、直接話法でなく、言葉と言葉がぶつかり合う、まるでスリークッションのビリヤードの球のようにすこぶる気の効いた比喩を使って話す。
人生には精神安定剤が必要だ。運命は選べない。
兄の裏切り的行為に逆上した弟は、兄の子分をメッタ刺しにして殺す。
そして兄に耳打ちする、お前は殺せないその身代わりだと。
双生児同志が殺し合うことは決してない。
弟はポニーテールの堅気の娘に恋をするのだが狂気の双生児の起こす残忍な姿を見て、やがて娘は精神を病む。
イギリスのギャング史に残る、一卵性双生児だ。
赤いスポーツカーのトライアンフに乗るギャングと恋人。
私がはじめてトライアンフを見たのが1960年代だった。
グリーンのトライアンフに乗った男の職業はデザイナーだと言った。
デザイナーそれってwhat(?)私はこの男の出会いからデザインの道を走り出した。
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