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2018年7月30日月曜日

「元刑事とサーフィン」

夜、知人と会食打ち合わせのために、よく行く仕事場近くの飲み屋さんに行った。午後5半頃である。私たちは二人だった。と、そこに見たことあるような、大声の男が3人居た。 すでに何杯か早飲みしていた。 何しろ大声で話し、大声で笑う。私は大声が苦手で敵意を感じる。私は刺身を少々を頼んだ。と、お、この間オレがカレーうどんを食べている時、ぶつかった男じゃねえかと言った。兄さんわざとやったんだろうと言うから、別にそうじゃないが、わざとと言えばわざととかなと言った。 ガハハハハと大声で笑い、口の中をヤケドしたよと言った。 仲間にそのことを伝え、仲間は笑った。元刑事の目は決して笑わない、声は大きいが、身の構えは細心だ。テレビでは丁度オウム真理教の死刑囚6人の処刑の記事が流れていた。やるねこの上川陽子という法相は、もう15人だか16人、あの鳩山邦夫の13人を超えたもんな、女性はやっぱり恐いねぇと言い、又、ガハハハハと笑った。グイグイと焼酎を飲む。兄さんアロハシャツなんか着てるけど、何屋さんと言うから、しがねえ場末の芸者だよと言った。えっ男芸者かい、それにしてもゴツイ顔だけど、化粧でなんとか化けるのかと言った。ウルセイなこのオヤジと思った。私の顔ムッとしたのを店のオヤジさんが感じたのか、話題を変えて話を始めた。な、なんとサーファーであった。毎週九十九里まで行ってサーフィンをすると話していた。店のオヤジさんと波の話で盛り上がった。兄さん茅ヶ崎だって、だったらさ高津佐さんという有名なサーファー知ってるというから、家から歩いて4・5分だよと言った。 時々顔を出して話をしてるよと言った。Tシャツを買いに行くんだよとも言い、息子がサーフィンを教わったとも言った。へぇ〜そうなんだ、ワシは茅ヶ崎署にいたことがあったんだよと、やたらに近づいて来た。私はこういう奴が大嫌いで、イライラする。刺し身にしてやろうかと思ったりする。オレは連れの人と話があるから、自分の仲間としゃべれよと言った。店の中は私たちと、その男たちと、老年の夫婦らしき人がいた。自称(?)元刑事はすこぶるウルサイ、シツコイ、カラムーチョ、やったなぁ、もっともヨオ、上川陽子はずっと信者に追われるけど知れないけどな、と言った。無口だった相方が、いつか何かとんでもないことが起きるかもなと言った。テレビではBSで巨人対ヤクルト戦が始まり、ダメだね巨人のヤローたちは、ヤクルトに連敗だなんて、なあオヤジと巨人ファンのオヤジに言った。私はこの頃ずい分と我慢強くというか、やっと大人になったというか、それとも歳と共に丸くなったと言うか、ウルセイオヤジを慈悲深く見ていた。歳はほぼ同じそうな男が、ダメだな今の警察は、パクらなけりゃいけない奴を、全然パクらねえ、どうなっちゃってんだろうねと言った。小役人ばかりパクったってどうしようもあいよなぁ〜と、仲間にもたれかかった。私はずい分オジサンがかわいくなっていた。カレーうどんでは熱い思いをさせたが、正義を感じている言葉に少しうれしくなった。それにしても声がでかい。聞けば剣道四段だとか。そして、週末サーファーだ。穴子の焼いたのを前に、何やらブツブツと言っていた。週末の台風が気になっていたようだ。オジサンの目はサーファーになっていた。



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