すっかりヤクザに憧れた、老い先短い男が、ヤクザ風を演じている。山根明日本ボクシング連盟会長だ。あくまでも私の遠い遠い昔の経験から言うと、この手の男を「語り」と言う。恐くも何にもない。例えば「さらって」つまりどこか山の中とか、水の中とか、土の中に、埋めるか、沈めるか、と言うと100%泣きを入れて 、土下座して足の先でもなめる。カンベンして下さい。何でもやりますと。鉄条網なんかで裸にした体をしばる。そこに頑丈なフックのついた重い鉄の塊とかをつける。顔面はガムテープ。ビートたけしの映画みたいだが、そうすると体は震度8くらいにブルブルとなり、オシッコを垂れ流す。業界では 「ベシャリがマブイ」つまりハッタリが強く、シャベリ過ぎる。詐欺師に向いているが、親方には向かない。私はこんな男を主人公にした映画を企画していた。山根明このオッサンは、ケンカの一つもやっていない。サングラスの中の目がただのオッサンを現している。図体はでかいが小物の日大の田中英寿といい、東京医大といい(女子学生を減点していた)この国の大学は、最高学府の何たるかを見失っている。できることなら、日大の田中英寿とか、ボクシング連盟の山根明と会ってみたい。金筋のヤクザは決して多くを語らず、もの静かなジェントルマンです。
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