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2010年1月14日木曜日

人間市場 深刻劇市篇

新国劇の主役は、島田正吾と辰巳柳太郎と特別法律で決まっていた。可愛い子分のお前達と別れ別れになる門出だ。万年池に・・・と続く名場面は国定忠治だ。

コチラの深刻劇の主役は毛髪である。毛髪が頭皮と別れ別れの門出となるとハゲである。生ハゲである。恐いお面を被った顔で子供を泣かす、なまはげの祭りとは違う。冗談を言っている場合ではない、冗談じゃないのである。

ある女性の統計によると、お見合いで一番ゴメンナサイをするのはハゲの人であるという。ハゲにもその人の数だけ個性がある。5円パゲからツルパゲまで、このハゲのハンデを埋めるのは巨万の富とか巨額の資産しかないのに、フェラーリやマセラッティを持っていてもハゲは嫌なの、とのたまう女性がいる。

何と残酷、何と無情ではないか。金も無力なのだ。


世界中でハゲになりたくてなった人は、国連の調べでも一人もいないという(?)。毛が一本、二本と抜ける度に父を憎み、遺伝子を憎み、一族の血を憎む。朝起きる、枕に毛が。頭を洗うのが恐い、でも仕方ない。洗った頭をタオルで拭く、タオルに毛が。鏡を見る、おでこが昨日より0.1ミリ広くなった。ヤバイ、明日0.2ミリ、明後日0.3ミリ・・・やばい、やばい。せっかく、好きな女性が出来たのに。

ハゲを意識するのは小学生から、早熟の子は物心付いた時からという。お父さん、パパ、ダディの頭を見て半分毛がない。隣のオジサンフサフサ。何で、どうして、やめて。きっと僕も、俺も、私も必ずハゲる、遺伝する。その恐怖におののく。

ハゲ=モテない、単純一時方程式である。小さな時から異常によく頭を洗う。シャンプーをバチャバチャかけ、ゴシゴシ洗う。高見盛が恐怖心を取り除く為に顔をバンバン叩く様に、頭をバシバシ叩く。顔にニキビが出る青春の頃は、もうハゲ恐怖シンドロームである。野球部に入ったのに、なるべく野球の帽子を被らないで先輩に怒られる。

中学、高校、大学、入社。一年留年下ので24歳である。次兄は28歳、長兄は31歳。父の頭の毛髪はチョンマゲを切った侍の様である。長兄はやたらに育毛剤を買ってくる。通販でも買っている。毎月の投資額は15000円位。次兄も又毎月投資をし額は13000円位だ。父はもう、育毛は諦めカツラのカタログを取り寄せている。

聞くところによるとシャンプーのし過ぎ、頭皮叩きすぎはかえって悪いのだという。チクショウ、シャンプーのコマーシャルめと思った時は手遅れになっている。人間の毛髪は、正しくは伸ばし放題にしておけば腰辺りまで伸び、自然に脱毛し、自然に育毛するのだという。基本的にはハゲになる構造になっていないという。抜けたら生えるのである。しかし、抜けても生えない。

日本語の仲で、一番人を傷付ける言葉はハゲではないだろうか。チビとかバカとかマヌケは、笑ってだから何だっつうのと反撃が出来る。頭に真っ黒な髪があるからだ。髪は勝負する為の強大な力なのだ。

それにしても、テレビのコマーシャルで人の弱みにつけ込んで色々なメーカーが心くすぐる様な事をやっている。あれも駄目だった。最近、櫛を入れるのが恐い、シャンプー恐い、頭ゴシゴシ恐い、タオルでふきふき恐い、鏡見るの恐い、家出るの恐い、歩くの恐い、電車の恐い、会社に入るの恐い、エスカレーターが恐い、女性の目が恐い。これじゃ引きこもり、対人恐怖症、出社拒否。

ハゲで良いじゃない、ファッションじゃない、上等じゃない、悔しけりゃハゲてごらんよ、文句あるの?無いでしょ。お、君いいハゲ方じゃない。おや、先輩ビシッとハゲ決まってますね。何だ久し振り、順調にハゲてるじゃない。や〜来た来た、絶妙バーコードが。相変わらず仕立て上がってるじゃないですか、一本一本勘定出来ますよ。キレイだな、ビューティフルですよ。

様々なハゲが集まって来た。この集いは、第一回脱毛・育毛を誇る会。又は、脱毛・育毛真剣比較討論会。又は、脱毛・育毛世界サミット等の名称を決める会である。一応、会長は毛沢山氏である。ちなみにハゲが原因で死んだ人は統計上いません(?)

1 件のコメント:

sakon さんのコメント...

今日は随分と毛髪の話にハゲんでますね~。くだらないこと言いましてすみません。。