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2015年7月28日火曜日

「仮名について」




週刊誌を読んでいると不思議なことに気がつく。
仮名といいつつ名前が書かれることだ。

例えば、高校の卒業生だった佐山昇さん(当時48歳・仮名)とか、ようやく見つけた女性の姿に釘付けになった。片野梨絵さん(48歳・仮名)とか。

どの週刊誌も同じだ。せめてNSさんとか、RKさんと書くべきでだと思う。
あるいはA氏とB子さんとか。
仮名といいながら使われた名前と同じ人がたくさんいるはずだ。

世の中にはいいことをして、名を伏せてほしいという善意の人もいるだろう。
例えば学校に行けない子どもたちのために、親の遺産を全額寄付した匿名希望の方とか。が、殺人犯や不義密通の果ての事件、放火や強盗、詐欺、脱税などの犯人と同じ名の仮名にされたらたまったもんじゃない。
書き手が好き勝手に作っているのだろうが止めた方がいいと思うのだ。

先に書いた佐山昇さん(仮名)と片野梨絵さん(仮名)は三十年振りの同窓会で再会して燃えるような夜を過ごす。なんて作り話が(多分)書いてあった。
ネタ切れの週刊誌がよくやる話なのだが、同姓同名の人が読んでいたら今の世の中、ネットなんかで本当に繋がってしまうかもしれない。
そして不倫、そして殺人へ。なんてことになるやもしれないのだ。
男の方が高級官僚、女性の方が利権がらみの会社の社長夫人。
松本清張はこんな題材を書いてはベストセラーとした。

先日屋久島で秘密保護法に関係する高級官僚が事故死(?)か、という記事があった。(?)の意味するものは何かと思ったりする。
松本清張ならこの記事を読んだら一夜にして小説にしたことだろう。
新聞の死亡を知らすベタ記事と週刊誌の三文記事はフィクション作家たちの発想を促す宝庫なのだ。

おーいなにかテキトーな名はないのか、電話帳をパラパラめくり鉛筆を立てて倒す、そこにある名が仮名となったりする。テキトーといえば高田純次さんだったりするのだ。
ちなみに“銀行太郎”とか“郵便花子”が仮名に使われた例はない。

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